ガイド波検査シミュレータの構築とその配管減肉モニタリングへの応用

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カテゴリ: 第6回
1. 緒言
現在、原子力プラントの高経年化による配管減肉管 理の高度化が求められており、これら欠陥部位の位置、 形状を高速、正確に同定する新しい非破壊検査法の開 発に関する関心が高まっている。このような要件を満 たす非破壊検査法としてガイド波を用いた非破壊検査 法が有望視されている。ガイド波とは物理的な境界に より形成された導波路に沿って伝播する波動のことで ある[1]。遠方まで伝播可能である、比較的低速で伝播 するなど、原子力プラントのような大規模構造物の高 速非破壊検査法として有利な特徴を持つ一方、非常に 複雑な挙動で伝播することが知られている。
本研究では配管上を伝播するガイド波シミュレータ の構築を行い、ガイド波を用いた非破壊検査法の有効 性の確認を行う。また、配管上でのガイド波の挙動を 可視化することで、複雑な伝播形態をもつガイド波を 視覚的に理解することを可能とする。2. 支配方程式の導出2.1 円柱座標系における基礎弾性方程式 - 必要な座標を Fig.1 の様に定義する。Fig. 1 の座標系 を採用すれば、変位成分を(u,,uaru,)として、線形 ひずみは以下のように定義される。
ここから各座標軸方向の運動方程式は、 doru On-dow . 1 00+ 00円 = porty -pB, (4) r““r r 00' az Para )(5) r““r Fr deta Par-pB。 don on idoe. dom _ ./u or 'r 'r deta Spaz-pB. (6) ここで、(B,,Ba, B.)は磁力である。また、モーメント のつりあいから、 * Co=(Ew+E00 + Ez)+ 2uEawson. = 2ED. (7) が導かれる。応力とひずみの関係は弾性体が等方性で あるならば、 on = 2(Er+E0+ Ea) + 2Huer, on = 2,4E,12 (8) on = 2(Ew+Equ+ Ez) + 2 /ue worder = 2uEp. (9) on = 2(Ew+Eow + Ex)+ 26. ,= 2UE ,(10) となる。ここで 2, 1 はラメの定数であり、弾性体が等 ここ 246方性であるとき、ヤング率E、ポアソン比v を用いて、 次のように表される。
配管厚は径に対して十分小さい場合を考慮して、式(12) からr = Rと近似出来る。薄い配管上では Kirchhoff 仮説を用いることが出来るので、
(19) 近似し、式(16)~(19)を式(4)~(6)に代入し、整理する 上で以下の式を得る (19) 弾性体の変位u, をフーリエ・ガラーキン近似を用いて 理する 以下のように再構成する[3]。
と近似し、式(16)-(19)を式(4)-(0)に代入し、整理す ことで以下の式を得る。
式(20)~(22)の両辺にゅを掛けて日については0から 27 まで、 z については 0 から1まで、 r については rsRと近似したことに注意して積分し、
__pa, z) = on = 0, ple, z) ano = p(a, z) Dear (24) の条件に注意して整理すれば、以下の式を得る。 p20p.be 2uh papouo odzdoCR J Joad““ +prn (1991pozdR = prh { ““[3.pdzde2 uh perpi R Jo Ju.pdzdo + ph papou
24hで
+ Run ( Thomas de dazdo + later Tear as a tarte+ prh (4pdzd6= prh 1““ [B.pdzde h{q,+4) [““Tou, op die op dedo+ Prosoftle +Rh(2+24)S““ Sow, og dzde + prn (““Le ded@=pJ* [.pdzdo
3.数値解析弾性体の変位 U, をフーリエ・ガラーキン近似を用い 以下のように再構成する[3]。u(t0, z)=u““(t, 0, z)
Wayu, についても同様である。ここで N はz軸方向の分 割数、B. (2) は B-Spline 関数、N は B-Spline 関数の数、 Mはフーリエ級数の上限である。
(30) n' = 1, ...,N, m' = 1, ., M のを式(30)のように定義し、式(29)及び同様に近似した wa,M.(30)を式(25)~(27)に代入する。そこから得られた 式をマトリックスを用いて表現すれば式(3.4)が得られ る。
時間微分項については Newmark-B 法により離散化を行 う。すなわち、式 (3.4) の微分項を適当な定数 ye [0,11, Be [0,0.5] を用いて、
のように近似する。ここで式(34)-(35)を変形し式(31) に代入する上で のように近似する。 に代入することで、ら減肉深さが推定できると考え
っ式を得る。式(36)-(39)に初期条件を与えることで解 -得るJIHA
の式を得る。式(36)~(39)に初期条件を与える。 を得る。4.出力および可視化シミュレーション実験における物理定数を Table.1 に、 各パラメータの設定を Table.2 に示す。ここで nz はz 方向の分割数、npt は6方向のモード分割数、nt は時間 分割数、nth は6方向の分割数、rout は配管の外径、rin は配管の内径、length は z方向の長さ、fq は加振周波 数、ff は計測時間、power は加振強度、hl は配管の左端 から減肉端までの距離、hr は配管の右端から減肉端ま での距離、depth は減肉深である。シミュレータの入 力には式(20)~(22)において B=B=0とし、B のみ与え ることにする。Table 1 SUS304 Physical constant 密度[kg/m2] | ラメ定数 「剛性率[N/m2] |
Fig.2 にシミュレーション実験に用いた配管と配管 減肉のモデルを、Fig.3 には加振点と減肉部位の位置 を示す。また、Fig.3 中の赤い部分が励起されたガイ ド波を表している。励起されたガイド波は両減肉端 で反射する。Fig.4 における primary reflected wave が 減肉右端より、secondary reflected wave が減肉左端か らの反射波である。これら反射波の Time Of Flight(TOF)から減肉幅が、また反射波の信号強度か ら減肉深さが推定できると考えられる。routdepthlengthFig.2 Model for simulation: A pipe wall thinning248defective area19921588みのかたがexcitation pointFig.3View of position of excitation point and defective areasecondary reflected waveprimary reflected wave
Fig.4 Snapshot of a guided wave propagating in pipe5.結言 - 配管上を伝播するガイド波シミュレータの構築と出 力の可視化を行った。これによりガイド波の挙動を数 値的、視覚的に理解することが可能となった。今後の 課題はガイド波の配管内部での挙動を解析することで ある。そのために配管厚を考慮した数学モデル、要素 数増大に対応させるための高速・大容量な並列分散環 境、および並列分散環境上に対応したアルゴリズムに ついて現在検討中である。謝辞 1. 本研究は経済産業省原子力安全・保安院の「平成 20 年度高経年化対策強化基盤整備事業」において実施し た研究であることを記し、関係各位に深甚の謝意を表 する。 参考文献[1]John G. Harris “Linear Elastic Waves”, Cambridge muJohn G. Harris “Linear Elastic Waves”, Cambridge University Press, 2001, pp.121-157 [2]H.T.Banks, R.C.Smith, and Y.wang, “Smart MaterialStructures”, John Wiley&Sons Ltd., 1996,pp.27-35 [3]F.C.H. del Rosario, R.C.Smith “Spline Approximation of Thin Shell Dynamics”, International journal for numerical methods in engineering, vol.40, 1997, pp.2807-2840“ “?ガイド波検査シミュレータの構築とその配管減肉モニタリングへの応用“ “古澤 彰憲,Akinori FURUSAWA,小島 史男,Fumio KOJIMA
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