2次元静磁場解析におけるGA を用いた透磁率分布逆解析手法の検討
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カテゴリ: 第6回
1.緒言
近年、磁気的に材料の劣化や損傷を評価する手法 が注目されている。材料の透磁率や保磁力などの磁 気特性はき裂などの欠損部だけでなく、き裂発生以 前の疲労・劣化部においても変化する。このような 磁気特性の非均一な分布は材料近傍の空間磁場の分 布として測定可能であるため、磁気的手法によって き裂の検出や形状同定だけでなく、材料の疲労や材 質分布の評価を行うことができる[1]。これまでに、 数値解析や知能工学的手法に基づき、空間磁場から 材料中の欠陥形状や磁気特性分布を逆解析する手法 がいくつか提案されている。和木らは、Wexler らの 手法を基に、2 次元有限要素法(Finite Element Method)により得られる空間磁場から材料中の透磁 率分布を反復計算により求める手法を提案した[2]。 しかし、この手法では解の収束に膨大な時間を要す るという問題がある。また、高屋らは、材料中の磁 化分布をニューラルネットワーク (Neural Network) や遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm) を用いて 逆解析する手法を提案した[3][4]。この手法において は、材料の厚さ方向の磁気特性分布が考慮されてい ないため、材料表面の評価に限定される。一方、欠陥形状の逆解析に関しては、植竹、迎ら が簡単な形状の表面および表面下欠陥について欠陥 形状と漏洩磁束分布との間の相関関係を求め、逆解 析を行う手法を提案している[5][6][7]。また、関根ら は様々な開口端形状の欠陥を定量的に評価する手法 の検討を行っている[8][9]。著者らも、これまで NN を用いた溝状欠陥や傾斜欠陥の評価手法について検 討を行ってきた[10][11]。しかし、これらの手法にお いては、欠陥形状や個数をあらかじめ仮定した上で 評価を行うことがほとんどである。実際の探傷試験 においては、欠陥形状や個数は未知であり、これら の手法を用いた欠陥評価には限界がある。そこで、本研究では、2次元 FEM と GA を併用す ることで、材料中の透磁率分布を再構成し、欠陥形 状を推定する手法について検討を行った。この手法 では、欠陥形状や個数をあらかじめ仮定する必要は なく、さらに、将来的には透磁率分布から材料評価 を行う手法へと拡張することも可能である。
2. 透磁率分布の逆解析 2.1 透磁率分布逆解析手法
Fig. 1 に本研究における透磁率分布逆解析の流れ を示した。まず、材料中の透磁率分布を GA で取り 扱えるような遺伝子配列にコーディングし個体を生 成する。続いて、生成された各個体毎に2次元静磁261場解析を行う。最後に、得られた解析結果と目標値 との誤差から算出される適応度に応じて、交叉や突 然変異などの遺伝的操作を行い、次世代の個体を生 成する。これらのステップを予め設定した世代数に 達するまで繰り返し、最終世代に得られた最も適合 度の高い個体が示す透磁率分布を最良解として採用 する。2.2 解析モデルと透磁率分布のコーディングFig. 2 に2次元静磁場解析の解析モデルを示す。解 析は2次元有限要素法に基づいて行った。各領域は 三角形要素により分割されている。材料中では1辺 の長さが 0.5mm の二等辺三角形となるように設定し た。x軸正方向には地磁気と同レベルの一様磁場(5 ×105(T))を与えている。材料の比透磁率は一般的 な鉄鋼材料を想定し 3300 とし、線形解析を行った。材料中の透磁率分布のコーディングは材料中央 4mm×4mm の範囲の 128 要素について行った。これ は、逆解析領域を限定することで解の収束性を向上 させるためである。Fig. 3 には対象領域に存在する 128 要素のコーディング方法を図示した。今回は簡 単のため8つの三角形要素を組にした1辺が 1mm の 正方形領域をコーディング単位とし、各正方形領域 に含まれる各要素には要素番号として材料部に対応Initialization: produce initial generation randomly(gene coding of permeability distribution)Fitness calculation calculate fitness of each individual based on result of 2D FEM analysisSelection: select individual stochasticallyaccording to its fitnessReproduction: produce next generation by | performing genetic operation on selected individualnoGeneration number reachspecified number?yesEnd: adopt individual which has the highest fitness as optimum solutionFig. 1Flow of inverse analysis of permeabilitydistribution.-262する1または空気部に対応する 0 を割り振り、その ・数値配列を各個体の遺伝子配列とした。本論文では 遺伝子が 0または1をとる2値解析による欠損部形 状の逆解析を行う。2.3 適合度計算方法および GA パラメータ予め、目標とする欠陥形状について静磁場解析を 行い、材料表面から 1mm 離れた空気中での磁束密度 分布を計算した。続いて、各個体について同様に計 算される磁束密度分布の各方向成分 BR、B, と目標値 B2、B““から、以下の式を用いて適合度を算出した。10-100fitness =10mm + 2B.P + (eg, - B,上式において、適合度は最大で1をとる。 - 解析における各 GA パラメータは、各世代の個体 数 50、世代ギャップ 0.94、突然変異率 0.1、交叉率 0.9、最大世代数 50 で選択にはルーレット選択を採 用した。またエリート戦略を採用し、エリート率は 0.6 とした。1900/05/29Vacuum area1900/03/301900/01/19SpecimenCoding area(4mm×4mm) Analysis model.Fig. 21900/04/19| 1001 1001 1011 1111Fig. 3Gene coding of permeability distribution.Table 1 Results of inverse analysis.No.1DefectGene codeAnalyzedAchievementNo.1DefectGene codeAnalyzedAchievementshaperesultgenerationshaperesultgeneration[1001 1001 1111 1111][1111 1001 1111 1111]1900/01/13[11111111[1111 1111 1001 1001]1001 1111][11111101[1001 10011001 1111]11111111][1111 1111[1111 1001 1001 1001]1011 11111[1101 1101 1111 1111][1101 10011011 1111][11111111[1111 1011 1001 1101]1011 1011][1101 1111 1111 1111][1011 10111010 1110]「11111111[1100 1001 1111 1011]1111 1011][0000 1111 1111 1111][0101 1101 1111 1110][1111 11111111 0000][1100 0111 0101 0101]2.4 逆解析結果Table 1 に逆解析の実行結果を示した。今回は 20 種類の欠陥形状について逆解析を行った。Table 1 の 欠陥形状の図では、黒い部分が材料部を、白い部分 が空気部を表す。単純な溝状の表面欠陥や背面欠陥 だけでなく、内部欠陥や屈曲した形状の欠陥、複数 欠陥についても正しく逆解析を行えていることがわかる。最適解に到達した世代数を見ると、一番早く 収束したのが番号18の欠陥の第2世代であり、また、 一番収束が遅かったのが番号 20 の欠陥で、第 45 世 代となっている。全体の平均では第 13.7 世代で最適 解に到達している。最適解に到達した世代数をそれ ぞれ比較すると、欠陥の種類や形状との相関はほと んど見られない。 - 263 -ついて検討を行った。 本手法により、単純な溝状の表面欠陥や背面欠陥 だけでなく、内部欠陥や屈曲した形状の欠陥、そ れらの組み合わさった複合欠陥についても正し く逆解析を行うことができた。 欠陥の種類や形状の複雑さと、収束までに要する 世代数には相関は見られなかった。今回の解析においては、コーディング単位が 1mm 四方と大きかったため、全ての解析において最適解 三真の欠陥形状が一致した。今後、より小さいコー ディング単位でより細かく複雑な欠陥形状について 逆解析を行う場合には、最適解と真の欠陥形状は異 なってくることが予想される。そのため、より効率 3.結言1)2 次元 FEM と GA を併用することで、材料中の透 磁率分布を再構成し、欠陥形状を推定する手法について検討を行った。 2) 本手法により、単純な溝状の表面欠陥や背面欠陥 だけでなく、内部欠陥や屈曲した形状の欠陥、そ れらの組み合わさった複合欠陥についても正し く逆解析を行うことができた。 3) 欠陥の種類や形状の複雑さと、収束までに要する世代数には相関は見られなかった。する検討 - ““、非破壊pp.930-936. [8] 笠井尚哉、関根和喜磁束探傷法による見価”、非破壊検査、Vo [9] 楊旭、笠井尚哉、関探傷法におけるニー たきずの定量的評価No.6、2005、pp.321 [10] 安部正高、琵琶志ネットワークを用い 陥の形状推定 - 2 次日本 AEM学会誌、V [11] Masataka ABE、Shird““Three dimensional flaw using amorphous in biaxial MFLT” International ConfereTainan、2008、pp.23 [12] 青木繁、“逆解析る日本機械学会誌、Vo今回の解析においては、コーディング単位が 1mm 四方と大きかったため、全ての解析において最適解 と真の欠陥形状が一致した。今後、より小さいコー ディング単位でより細かく複雑な欠陥形状について 逆解析を行う場合には、最適解と真の欠陥形状は異 なってくることが予想される。そのため、より効率 的に真の欠陥形状に近い最適解を得られるような GA 設計に関する検討が必要になってくると考えら れる。さらに、今回用いた解析手法を、遺伝子が 2 直ではなく、段階的な値を取るように改良すること で、欠損部形状だけでなく、材料の疲労や材質分布 の評価等にも応用できるようになると考えている。参考文献1] 高橋正氣、“磁性と塑性 - 非破壊検査への応用”、日本 AEM学会誌、Vol.9、No.2、2001、pp.131-139. 2] 和木浩、五十嵐一、本間利久、“構造物内部の透磁率分布の逆解析”、日本 AEM学会誌、Vol. 11、No. 2、 2003、pp.82-87. 3] 高屋茂、鈴木隆之、内一哲哉、宮健三、“マルチスケール磁気測定による材料劣化診断”、日本AEM学会誌、Vol.9、No.2、2001、pp.157-165. 4] Ovidu Mihalache、陳振茂、宮健三、“先進漏洩磁束探傷法に関する最近の研究動向”、日本 AEM学会誌、Vol.9、No.1、2001、pp.72-77. 51 植竹一蔵、伊藤秀之、斉藤鉄哉、“漏洩磁束探傷試験における表面きずの定量的評価システムに ついて”、非破壊検査、Vol. 41、No. 11、1992、pp.657-664. 5] 迎静雄、加藤光昭、西尾一政、“漏洩磁束探傷法における欠陥の定量化と漏洩磁束密度に及ぼす 因子の影響の検討”、非破壊検査、Vol. 37、No. 11、1988、pp.885-894. 7) 迎静雄、西尾、河野“表面下の欠陥の検出に関 高橋正氣、“磁性と塑性 - 非破壊検査への応用”、 日本 AEM 学会誌、Vol.9、No. 2、2001、pp.131-139. 和木浩、五十嵐一、本間利久、“構造物内部の透 該率分布の逆解析”、日本 AEM学会誌、Vol. 11、 Jo. 2、 2003、pp.82-87. 高屋茂、鈴木隆之、内一哲哉、宮健三、“マルチ スケール磁気測定による材料劣化診断”、日本 HEM FERE Vol. 9, No. 2, 2001, pp.157-165. vidu Mihalache、陳振茂、宮健三、“先進漏洩磁 束探傷法に関する最近の研究動向”、日本 AEM 学会誌、Vol.9、No.1、2001、pp.72-77. 直竹一蔵、伊藤秀之、斉藤鉄哉、“漏洩磁束探傷 式験における表面きずの定量的評価システムに ついて”、非破壊検査、Vol. 41、No. 11、1992、 pp.657-664. 型静雄、加藤光昭、西尾一政、“漏洩磁束探傷法 こおける欠陥の定量化と漏洩磁束密度に及ぼす 因子の影響の検討”、非破壊検査、Vol.37、No. 11、 988、pp.885-894. 1静雄、西尾、河野“表面下の欠陥の検出に関する基礎的検討(第1報) - 磁気探傷試験に関する検討 - ““、非破壊検査、Vol. 39、No. 11、1990、 - pp.930-936. 3] 笠井尚哉、関根和喜、丸山裕章、“Far-side 漏洩磁束探傷法による開口端に角度のあるきずの評価”、非破壊検査、Vol. 51、No. 10、2002、pp.657-666. DJ 楊旭、笠井尚哉、関根和喜、“Far-side 漏洩磁束探傷法におけるニューラルネットワークを用い たきずの定量的評価手法”、圧力技術、Vol. 43、No.6、2005、pp.327-334. 10] 安部正高、琵琶志朗、松本英治、“ニューラルネットワークを用いた2軸 MFLT による傾斜欠 陥の形状推定 - 2 次元静磁場解析による検討 - ”、日本 AEM学会誌、Vol. 17、No. 2、2009、pp.206-210. _1] Masataka ABE、Shiro BIWA、Eiji MATSUMOTO 、“Three dimensional evaluation of parallelepiped flaw using amorphous MI sensor and neural network in biaxial MFLT” Proceedings of the 3rd International Conference on Sensing Technology,Tainan、2008、pp.238-241. 2] 青木繁、“逆解析を利用した鉄筋腐食の検出”、日本機械学会誌、Vol. 111、No. 1070、2008、p.59.264 -“ “?2次元静磁場解析における GA を用いた透磁率分布逆解析手法の検討“ “安部 正高,Masataka ABE,松本 英治,Eiji MATSUMOTO
近年、磁気的に材料の劣化や損傷を評価する手法 が注目されている。材料の透磁率や保磁力などの磁 気特性はき裂などの欠損部だけでなく、き裂発生以 前の疲労・劣化部においても変化する。このような 磁気特性の非均一な分布は材料近傍の空間磁場の分 布として測定可能であるため、磁気的手法によって き裂の検出や形状同定だけでなく、材料の疲労や材 質分布の評価を行うことができる[1]。これまでに、 数値解析や知能工学的手法に基づき、空間磁場から 材料中の欠陥形状や磁気特性分布を逆解析する手法 がいくつか提案されている。和木らは、Wexler らの 手法を基に、2 次元有限要素法(Finite Element Method)により得られる空間磁場から材料中の透磁 率分布を反復計算により求める手法を提案した[2]。 しかし、この手法では解の収束に膨大な時間を要す るという問題がある。また、高屋らは、材料中の磁 化分布をニューラルネットワーク (Neural Network) や遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm) を用いて 逆解析する手法を提案した[3][4]。この手法において は、材料の厚さ方向の磁気特性分布が考慮されてい ないため、材料表面の評価に限定される。一方、欠陥形状の逆解析に関しては、植竹、迎ら が簡単な形状の表面および表面下欠陥について欠陥 形状と漏洩磁束分布との間の相関関係を求め、逆解 析を行う手法を提案している[5][6][7]。また、関根ら は様々な開口端形状の欠陥を定量的に評価する手法 の検討を行っている[8][9]。著者らも、これまで NN を用いた溝状欠陥や傾斜欠陥の評価手法について検 討を行ってきた[10][11]。しかし、これらの手法にお いては、欠陥形状や個数をあらかじめ仮定した上で 評価を行うことがほとんどである。実際の探傷試験 においては、欠陥形状や個数は未知であり、これら の手法を用いた欠陥評価には限界がある。そこで、本研究では、2次元 FEM と GA を併用す ることで、材料中の透磁率分布を再構成し、欠陥形 状を推定する手法について検討を行った。この手法 では、欠陥形状や個数をあらかじめ仮定する必要は なく、さらに、将来的には透磁率分布から材料評価 を行う手法へと拡張することも可能である。
2. 透磁率分布の逆解析 2.1 透磁率分布逆解析手法
Fig. 1 に本研究における透磁率分布逆解析の流れ を示した。まず、材料中の透磁率分布を GA で取り 扱えるような遺伝子配列にコーディングし個体を生 成する。続いて、生成された各個体毎に2次元静磁261場解析を行う。最後に、得られた解析結果と目標値 との誤差から算出される適応度に応じて、交叉や突 然変異などの遺伝的操作を行い、次世代の個体を生 成する。これらのステップを予め設定した世代数に 達するまで繰り返し、最終世代に得られた最も適合 度の高い個体が示す透磁率分布を最良解として採用 する。2.2 解析モデルと透磁率分布のコーディングFig. 2 に2次元静磁場解析の解析モデルを示す。解 析は2次元有限要素法に基づいて行った。各領域は 三角形要素により分割されている。材料中では1辺 の長さが 0.5mm の二等辺三角形となるように設定し た。x軸正方向には地磁気と同レベルの一様磁場(5 ×105(T))を与えている。材料の比透磁率は一般的 な鉄鋼材料を想定し 3300 とし、線形解析を行った。材料中の透磁率分布のコーディングは材料中央 4mm×4mm の範囲の 128 要素について行った。これ は、逆解析領域を限定することで解の収束性を向上 させるためである。Fig. 3 には対象領域に存在する 128 要素のコーディング方法を図示した。今回は簡 単のため8つの三角形要素を組にした1辺が 1mm の 正方形領域をコーディング単位とし、各正方形領域 に含まれる各要素には要素番号として材料部に対応Initialization: produce initial generation randomly(gene coding of permeability distribution)Fitness calculation calculate fitness of each individual based on result of 2D FEM analysisSelection: select individual stochasticallyaccording to its fitnessReproduction: produce next generation by | performing genetic operation on selected individualnoGeneration number reachspecified number?yesEnd: adopt individual which has the highest fitness as optimum solutionFig. 1Flow of inverse analysis of permeabilitydistribution.-262する1または空気部に対応する 0 を割り振り、その ・数値配列を各個体の遺伝子配列とした。本論文では 遺伝子が 0または1をとる2値解析による欠損部形 状の逆解析を行う。2.3 適合度計算方法および GA パラメータ予め、目標とする欠陥形状について静磁場解析を 行い、材料表面から 1mm 離れた空気中での磁束密度 分布を計算した。続いて、各個体について同様に計 算される磁束密度分布の各方向成分 BR、B, と目標値 B2、B““から、以下の式を用いて適合度を算出した。10-100fitness =10mm + 2B.P + (eg, - B,上式において、適合度は最大で1をとる。 - 解析における各 GA パラメータは、各世代の個体 数 50、世代ギャップ 0.94、突然変異率 0.1、交叉率 0.9、最大世代数 50 で選択にはルーレット選択を採 用した。またエリート戦略を採用し、エリート率は 0.6 とした。1900/05/29Vacuum area1900/03/301900/01/19SpecimenCoding area(4mm×4mm) Analysis model.Fig. 21900/04/19| 1001 1001 1011 1111Fig. 3Gene coding of permeability distribution.Table 1 Results of inverse analysis.No.1DefectGene codeAnalyzedAchievementNo.1DefectGene codeAnalyzedAchievementshaperesultgenerationshaperesultgeneration[1001 1001 1111 1111][1111 1001 1111 1111]1900/01/13[11111111[1111 1111 1001 1001]1001 1111][11111101[1001 10011001 1111]11111111][1111 1111[1111 1001 1001 1001]1011 11111[1101 1101 1111 1111][1101 10011011 1111][11111111[1111 1011 1001 1101]1011 1011][1101 1111 1111 1111][1011 10111010 1110]「11111111[1100 1001 1111 1011]1111 1011][0000 1111 1111 1111][0101 1101 1111 1110][1111 11111111 0000][1100 0111 0101 0101]2.4 逆解析結果Table 1 に逆解析の実行結果を示した。今回は 20 種類の欠陥形状について逆解析を行った。Table 1 の 欠陥形状の図では、黒い部分が材料部を、白い部分 が空気部を表す。単純な溝状の表面欠陥や背面欠陥 だけでなく、内部欠陥や屈曲した形状の欠陥、複数 欠陥についても正しく逆解析を行えていることがわかる。最適解に到達した世代数を見ると、一番早く 収束したのが番号18の欠陥の第2世代であり、また、 一番収束が遅かったのが番号 20 の欠陥で、第 45 世 代となっている。全体の平均では第 13.7 世代で最適 解に到達している。最適解に到達した世代数をそれ ぞれ比較すると、欠陥の種類や形状との相関はほと んど見られない。 - 263 -ついて検討を行った。 本手法により、単純な溝状の表面欠陥や背面欠陥 だけでなく、内部欠陥や屈曲した形状の欠陥、そ れらの組み合わさった複合欠陥についても正し く逆解析を行うことができた。 欠陥の種類や形状の複雑さと、収束までに要する 世代数には相関は見られなかった。今回の解析においては、コーディング単位が 1mm 四方と大きかったため、全ての解析において最適解 三真の欠陥形状が一致した。今後、より小さいコー ディング単位でより細かく複雑な欠陥形状について 逆解析を行う場合には、最適解と真の欠陥形状は異 なってくることが予想される。そのため、より効率 3.結言1)2 次元 FEM と GA を併用することで、材料中の透 磁率分布を再構成し、欠陥形状を推定する手法について検討を行った。 2) 本手法により、単純な溝状の表面欠陥や背面欠陥 だけでなく、内部欠陥や屈曲した形状の欠陥、そ れらの組み合わさった複合欠陥についても正し く逆解析を行うことができた。 3) 欠陥の種類や形状の複雑さと、収束までに要する世代数には相関は見られなかった。する検討 - ““、非破壊pp.930-936. [8] 笠井尚哉、関根和喜磁束探傷法による見価”、非破壊検査、Vo [9] 楊旭、笠井尚哉、関探傷法におけるニー たきずの定量的評価No.6、2005、pp.321 [10] 安部正高、琵琶志ネットワークを用い 陥の形状推定 - 2 次日本 AEM学会誌、V [11] Masataka ABE、Shird““Three dimensional flaw using amorphous in biaxial MFLT” International ConfereTainan、2008、pp.23 [12] 青木繁、“逆解析る日本機械学会誌、Vo今回の解析においては、コーディング単位が 1mm 四方と大きかったため、全ての解析において最適解 と真の欠陥形状が一致した。今後、より小さいコー ディング単位でより細かく複雑な欠陥形状について 逆解析を行う場合には、最適解と真の欠陥形状は異 なってくることが予想される。そのため、より効率 的に真の欠陥形状に近い最適解を得られるような GA 設計に関する検討が必要になってくると考えら れる。さらに、今回用いた解析手法を、遺伝子が 2 直ではなく、段階的な値を取るように改良すること で、欠損部形状だけでなく、材料の疲労や材質分布 の評価等にも応用できるようになると考えている。参考文献1] 高橋正氣、“磁性と塑性 - 非破壊検査への応用”、日本 AEM学会誌、Vol.9、No.2、2001、pp.131-139. 2] 和木浩、五十嵐一、本間利久、“構造物内部の透磁率分布の逆解析”、日本 AEM学会誌、Vol. 11、No. 2、 2003、pp.82-87. 3] 高屋茂、鈴木隆之、内一哲哉、宮健三、“マルチスケール磁気測定による材料劣化診断”、日本AEM学会誌、Vol.9、No.2、2001、pp.157-165. 4] Ovidu Mihalache、陳振茂、宮健三、“先進漏洩磁束探傷法に関する最近の研究動向”、日本 AEM学会誌、Vol.9、No.1、2001、pp.72-77. 51 植竹一蔵、伊藤秀之、斉藤鉄哉、“漏洩磁束探傷試験における表面きずの定量的評価システムに ついて”、非破壊検査、Vol. 41、No. 11、1992、pp.657-664. 5] 迎静雄、加藤光昭、西尾一政、“漏洩磁束探傷法における欠陥の定量化と漏洩磁束密度に及ぼす 因子の影響の検討”、非破壊検査、Vol. 37、No. 11、1988、pp.885-894. 7) 迎静雄、西尾、河野“表面下の欠陥の検出に関 高橋正氣、“磁性と塑性 - 非破壊検査への応用”、 日本 AEM 学会誌、Vol.9、No. 2、2001、pp.131-139. 和木浩、五十嵐一、本間利久、“構造物内部の透 該率分布の逆解析”、日本 AEM学会誌、Vol. 11、 Jo. 2、 2003、pp.82-87. 高屋茂、鈴木隆之、内一哲哉、宮健三、“マルチ スケール磁気測定による材料劣化診断”、日本 HEM FERE Vol. 9, No. 2, 2001, pp.157-165. vidu Mihalache、陳振茂、宮健三、“先進漏洩磁 束探傷法に関する最近の研究動向”、日本 AEM 学会誌、Vol.9、No.1、2001、pp.72-77. 直竹一蔵、伊藤秀之、斉藤鉄哉、“漏洩磁束探傷 式験における表面きずの定量的評価システムに ついて”、非破壊検査、Vol. 41、No. 11、1992、 pp.657-664. 型静雄、加藤光昭、西尾一政、“漏洩磁束探傷法 こおける欠陥の定量化と漏洩磁束密度に及ぼす 因子の影響の検討”、非破壊検査、Vol.37、No. 11、 988、pp.885-894. 1静雄、西尾、河野“表面下の欠陥の検出に関する基礎的検討(第1報) - 磁気探傷試験に関する検討 - ““、非破壊検査、Vol. 39、No. 11、1990、 - pp.930-936. 3] 笠井尚哉、関根和喜、丸山裕章、“Far-side 漏洩磁束探傷法による開口端に角度のあるきずの評価”、非破壊検査、Vol. 51、No. 10、2002、pp.657-666. DJ 楊旭、笠井尚哉、関根和喜、“Far-side 漏洩磁束探傷法におけるニューラルネットワークを用い たきずの定量的評価手法”、圧力技術、Vol. 43、No.6、2005、pp.327-334. 10] 安部正高、琵琶志朗、松本英治、“ニューラルネットワークを用いた2軸 MFLT による傾斜欠 陥の形状推定 - 2 次元静磁場解析による検討 - ”、日本 AEM学会誌、Vol. 17、No. 2、2009、pp.206-210. _1] Masataka ABE、Shiro BIWA、Eiji MATSUMOTO 、“Three dimensional evaluation of parallelepiped flaw using amorphous MI sensor and neural network in biaxial MFLT” Proceedings of the 3rd International Conference on Sensing Technology,Tainan、2008、pp.238-241. 2] 青木繁、“逆解析を利用した鉄筋腐食の検出”、日本機械学会誌、Vol. 111、No. 1070、2008、p.59.264 -“ “?2次元静磁場解析における GA を用いた透磁率分布逆解析手法の検討“ “安部 正高,Masataka ABE,松本 英治,Eiji MATSUMOTO