B4C型長寿命制御棒の国内適用性についての検討

公開日:
カテゴリ: 第6回
1.緒言
国内 BWR で主に使用されている制御棒は、中性子 吸収材としてボロンカーバイド (BAC) 粉末を使用してい。廃棄物量低減、制御棒取替工事期間の短縮のため、 長寿命型制御棒の導入が望まれる。海外 BWR においては、中性子吸収材に B,C 焼結ピ ンを適用した長寿命型制御棒「CR99」が出力制御用と
2.2 設計の特徴BC 粉末は、照射に伴い焼きしまりが生じる。燃焼 が進み、(n,a) 反応による He が結晶内に保持されて くると、B,C にスウェリングが発生する。中性子吸収 材充填孔やステンレス細管に BLC 粉末を充填すると、 使用初期に焼きしまりによるギャップ減少、その後の スウェリングによる BAC と孔内面あるいはステンレス 細管とのハードコンタクトが生じ、ブレードあるいは ステンレス細管の損傷の可能性がある。CR99型制御棒は、BC 粉末を焼結させてピン形状に 変更したことにより、焼きしまりによる形状変化を防 止し、適切なピンと孔とのギャップコントロールによ りハードコンタクトの問題を解決した設計である。照 射に伴う B,C のスウェリングによる寸法変化は、ピン 径増加というパラメータで管理する。照射量に対する ピン径増加割合を評価し、使用中の孔内面とピンとの ハードコンタクトを防止する。 - CR99型制御棒は、B,C ピン適用によりブレード損傷 の可能性を低下させ、且つブレード横穴に中性子吸収 材を装填したことにより充填量を増加させた長寿命型 制御棒である。A→]BladeB?C PinHoleSection A-ABladeVelocity LimiterBladeB,CPinHoleSection A-AFig.2Outline of CR990Upper AreaMain Area*: Relative value to B4C Powder Type Control RodFig.3Control Rod Worth Evaluation3. 核的特性3.1 核的寿命」 * 国内 BWR の主流である 9×9燃料集合体と CR99 の 組合せにより評価を行った。制御棒の複雑な構造を考 慮するため、汎用 MCNP コードと ORIGEN コードを組 み合わせて独自に開発した解析手法1]を適用した。核 的寿命とは、制御棒価値が 10%劣化した時点と定義さ れる。ここでは例として、S格子プラント(BWR5)の 結果を Fig.4 に示す。核的寿命は B-C 型制御棒の運用 上の取替基準と比較して3倍以上の長寿命であること を確認した[2]。-5F-----Main Area 【(Void 0%)lifetime criteriaWorth Depletion (%)Top Area (Void 70%) -- -L ---L--LL-AL--L|Top Area | (Void 50%)-2010_2468_10_12_1416Thermal Fuluence (Snvt)** : Normalized to accumulated powerFig.4Nuclear Lifetime Evaluation3.2 制御棒価値 - 核的寿命評価と同一のコードを適用して評価を行っ た。ここでは例として、S 格子プラント(BWRS)の結 果を Fig.3 に示す。未照射時の制御棒価値は BC 型制 御棒と同等であることを確認した。Top Region (2% effective length)Main Region (98% effective lengthControl Rod Reactivity Worth*Upper AreaMain Area*: Relative value to B4C Powder Type Control Rod2684.機械的特性..CR99 のスクラム性能の確認として、地震時挿入性試 験、スクラム耐久性試験を行った。ここでは例として、S格子プラント(BWR5)とN格 子プラント(ABWR)の試験結果について報告する[2]。 なお、地震時における制御棒の挿入時間に関する規定 値は定められていないため、通常時のスクラム時間を 仕様値として適用した。4.1 試験内容 (1) 地震時挿入性試験試験装置を Fig.5 に示す。実機プラント炉心の1セル を実規模大で模擬した加振試験装置であり、実機仕様 の炉内構造物、制御棒、制御棒駆動機構を使用した。 加振台により燃料集合体に 0,10,20,30,40,50mm の変位 を生じさせ、加振状態で制御棒をスクラム挿入した。 スクラムは燃料変位ごとに3回実施し、挿入時間と試 験後の健全性を確認した。Modified Fuel AssemblyTop GuideControl RodTest TankCore PlateFuel SupportShaking TableControl Rod Guide TubeHydraulic Control UnitControl Rod Drive HousingH20Control Rod Drive(2) スクラム耐久性試験 - 試験装置を Fig.6に示す。地震時挿入性試験装置と同 様に実機プラント炉心の1セルを実規模大で模擬した 試験装置であり、実機仕様の炉内構造物、制御棒、制 御棒駆動機構を使用した。プラント寿命中に想定され る 100 回の連続スクラムを実機と同等の高温高圧条件 で実施し、挿入時間と試験後の健全性を確認した。Test VesselChannel BoxControl Rod Guide TubeControl RodControl Rod DriveHydraulic Control UnitControl Rod Drive HousingFig.6Test Facility of Scram Test4.2 試験結果 (1)地震時挿入性試験 s格子プラントの試験結果を Fig.7 に、N 格子プラン トの試験結果を Fig.8 に示す。燃料集合体相対変位が 50mm においても、スクラム時間は通常時の仕様値を 満足した。また、試験後の外観点検の結果、CR99 に有 意な変形はなく、健全であることを確認した。 (2) スクラム耐久性試験 S格子プラントの試験結果を Table 1 に、N 格子プラ ントの試験結果を Table 2 に示す。スクラム時間は仕様 値を満足するとともに、100 回の連続スクラム時間は 安定していた。また、試験後の外観点検の結果、CR99 に有意な変形はなく、健全であることを確認した。-26921899/12/31 19:12:002Test Result (Average)Specification1.15 1.621.875% Stroke Scram Time Specification : 1.62s1.61.41.2Table 2 Test Result of Scam Test for N-lattice (ABWR)60% Stroke | 100% StrokeScram Time (s) | Scram Time (s) Test Result1.11 (Average) Specification1.442.80.7375% Stroke Scram Time (s)1000.40.2001899/12/31_10506020: 30 40 Fuel Amplitude (mm)Fig. 7Test Result of Seismic Scrammability Test for S-lattice (BWR5)5.結言CR99の寿命は現行B,C型制御棒の3倍以上であり、 制御棒価値は現行 BAC型制御棒と同等であることを確 認した。また、燃料に 50mm 程度の変位が生じる地震時にお いても、CR99 は仕様値以内でスクラム挿入することが 可能であり、健全性への影響がないことを確認した。 さらに、スクラム耐久性上の問題もないことを確認し た。以上より、CR99 は国内 BWR へ適用可能であり、廃 棄物量低減、制御棒取替工事期間短縮が図られる。以上より、CR99 は国内 BV 棄物量低減、制御棒取替工事3100% Stroke Scram Time Specification 2.80s2.82603100% Stroke Scram Time Specification 2.80s2.82.62.42.20-60%Stroke --100%Stroke参考文献2Scram Time (s)60% Stroke Scram Time Specification:1.44s[1] 吉岡、安藤、三橋、桜田コードの開発」 日本原子力 [2] 田嶋、林、Bjorn 他「B44適用性についての検討(1 2008 秋の大会 C39~4・901.210.60.40.20.00 10_10203040 5060Fuel Amplitude (mm)Fig.8 Test Result of Seismic Scrammability Testfor N-lattice (ABWR) Table 1 Test Result of Scam Test for S-lattice (BWR5)75% Stroke Scram Time (s) Test Result (Average)1.15 Specification1.62Table 2 Test Result of Scam Test for N-lattice (ABWR)60% Stroke 100% StrokeScram Time (s) || Scram Time (s) Test Result0.731.11 (Average) Specification1.442.8CR99の寿命は現行BC型制御棒の3倍以上であり 制御棒価値は現行 B,C型制御棒と同等であることを 認した。また、燃料に 50mm 程度の変位が生じる地震時に 吉岡、安藤、三橋、桜田「モンテカルロ燃焼計算/ コードの開発」 日本原子力学会 2002年春の年会G58 田嶋、林、Bjorn 他「B4C型長寿命制御棒の国内 適用性についての検討(1)~(3)」 日本原子力学会 2008 秋の大会 C39~C41 1 - 270 -“ “?BAC型長寿命制御棒の国内適用性についての検討“ “田嶋 智子,Satoko TAJIMA,林 大和,Yamato HAYASHI
著者検索
ボリューム検索
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (2)
解説記事 (0)
論文 (2)
解説記事 (0)
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (2)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)
論文 (5)
解説記事 (0)
論文 (5)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)