アンカーボルトの腐食量定量評価に関する技術開発

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カテゴリ: 第6回
1. 緒言
国内原子力プラントの高経年化に伴い、プラントに おける構造物の劣化を非破壊で検出できる手法及びそ の高度化は、プラントの健全性維持に欠かせない重要 なテーマとなっている。プラント構造材を固定するアンカーボルトは、プラ ント高経年化にあたり健全性を確認すべき部位の一つ として認識されている12]が、万一埋設部に腐食が発生 し、ボルト径が減少した場合でも、その減少量を非破 壊で定量することは困難であるのが現状である。そこ で、腐食による径減少を検出し、精度良く定量できる 非破壊的な検査手法の開発が望まれている。弊社では腐食等により生じる可能性のあるアンカー ボルトの径の減少を、超音波により非破壊で定量評価 できる手法の開発を進めている。また径減少の定量の みならず、腐食位置、腐食領域の長さの推定を行える 評価手法の高度化にも取り組んでいる。ここではその技術開発について、様々な腐食形態を 模擬した試験体に対する評価結果を基に報告する。
2. 評価手法の概要2.1 腐食量定量方法の概要開発した腐食量定量手法は、円柱内部に超音波を入 射した際に、底面波以降の時間に観察される、いわゆ る「遅れエコー」がボルトの径変化に感度を持つこと を利用している。その上で、腐食部の位置、長さにつ いて、ある程度の推定を行えるよう、弊社が独自に改 良を加えている。 * 「遅れエコー」の発生に関する模式図を Fig. 1 に示 す。超音波探触子から発信された超音波は、ボルト内 面で反射しながら Fig. 1 のような経路を通過してボル ト底面に達し、その後底面エコーとして受信される (Fig.1 の1~3)。ボルト内面での反射の際には、一 定の条件で縦波から横波へのモード変換が発生し(Fig. 1 の4)、超音波の速度は変化することから、経路の 違いによって底面エコーには一定間隔の時間遅れが発 生する。この時間遅れをAt とすれば、以下のような式 で書き表される。st_dK? -V3At =ここでV、Vは、それぞれ鉄鋼中の縦波と横波の 速度、dはボルトの直径である。式(1) から、時間遅れ Atはボルト径dに依存することがわかる。-1- 313 -減少した模擬腐食が存在する試験体である。以降、No.2 | 2には、ボルトの腐食前、腐食後について、遅れ。 →3 の模擬腐食形態を片側腐食と呼び、No.4~6の模擬 ーの違いによる検出の模式図を示した。腐食形態を周方向腐食試験体と呼ぶ。 Fig. 2 には、ボルトの腐食前、腐食後について、遅れ エコーの違いによる検出の模式図を示した。ProbeNo.1No.2No.3No.4No.5No.6...6060...130」TOPIT OST500TOPIT OST5001500300130ONEOREFig. 1Schematic of “delayed” echoesFig. 3Geometry of anchor bolt mockups with simulated corrosionAmpAtNo.1No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 面面を面一面八面Bottom EchoDelayed EchoAmpAt '-Fig. 4Appearance of anchor bolt mockupsAmp -At't(at'“ “?アンカーボルトの腐食量定量評価に関する技術開発“ “礒部 仁博,Yoshihiro ISOBE,鵜飼 康史,Yasufumi UKAI,佐久 太郎,Taro SAKU
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