ガイド波を用いた大口径配管の減肉検査技術
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カテゴリ: 第6回
1. 緒言
発電プラント、産業プラントをはじめとする各種機 器を構成する配管は、エロージョンやコロージョンに 起因する減肉が発生する可能性があるため、配管肉厚 を定期的に測定し、減肉管理を行う必要がある。減肉 を検出する方法として、超音波厚さ計を用いて一定間 隔の測定点での肉厚測定が一般に実施されている。し かし、保温材の撤去、高所作業の場合の足場組立て等 の検査に係わる付帯作業が検査作業工数に占める割合 が多く、付帯作業の縮小により検査効率が向上できる。 また、構造上の要因により検査員が接近できない箇所 もあり、新たな非破壊検査手法が必要である。 - 近年、超音波厚さ計による減肉管理法の代替技術と して、ガイド波によるスクリーニング検査技術[1]の開 発が活発である。ガイド波検査は、1 箇所のセンサ設 置で長距離を一括で検査できる特徴がある。このため、 センサ設置部を除いて保温材を撤去する必要がなく付 帯作業を削減でき、検査工程短縮及びコスト低減に繋 がる手法として期待できる。特に大口径配管では、付帯作業が大掛かりになることや超音波厚さ計による測 定点が膨大になるため、ガイド波検査の適用による作 業工数の低減効果は大きい。 1. 本稿では、大口径配管に対するガイド波検査システ ムについて紹介する。本システムの特徴は、検査対象 の曲率に合わせて自在に変形できる構造のガイド波セ ンサと、ポータブルなガイド波検査装置である。この システムを用いて、大口径配管に付与した模擬減肉に 対する検出試験結果を報告する。
2. ガイド波検査技術
ガイド波を用いた配管検査の概要を Fig1に示す。配 管周方向に設置したセンサから超音波を入射し、配管 軸方向に伝播するガイド波を発生させる。配管軸方向 に伝播したガイド波は、減肉等の形状変化部があると 反射波が発生する。この反射波を受信センサで受信し、 その伝播時間から形状変化部 (反射源)位置を計算し、 反射波強度から減肉の大きさ(一般に、配管断面積欠 損率=減肉部の管周方向断面積 / 健全部の管周方向断 面積)を評価する。通常、送信センサと受信センサは 一体である。ガイド波の送受信方式として、弊社では圧電素子型 超音波探触子を採用している。送受信方式に関する特 徴を Fig.2 に示す。周方向に配置した超音波探触子を管561軸方向に前後2列並べる。ここで、前後2列に並べた 探触子群の間隔を 1/4 波長とする。この条件で、送信 波の発信タイミングを進行方向後列のみ逆位相で 1/4 周期遅延すると、後方へ進行するガイド波を打ち消す ことができ、アクティブに送信方向を制御できる。ま た、探触子の前後列間距離の波長比と遅延制御の周期 を一致させることで、前方進行波の強度を倍増するこ とができる。なお、受信波についても、送信時の逆過 程であることを考慮すると、前後列での受信波に位相 差を考慮した重ね合せ処理を行うことで、送信方向か らの反射波成分のみを識別でき、減肉の検出精度を向 上できる。Heat insulatorSensorCorrosionGuided wavePipeInspection systemFig.1 Overview of pipe inspection using guided waveAmp.TimeActive suppression of backward waveAmp.Guided waveFig.2 Feature of transmitted method3. ガイド波センサと検査システム- ガイド波検査では、配管周方向の全方位にセンサを 配置する方式が一般的である。しかし、大口径配管や 曲率が大きい検査対象の場合、検査対象の全範囲を包 括するセンサは大型構造となるため、センサ設置作業が大掛かりになり、非効率である。そこで、検査範囲 を複数範囲に分割して検査することでセンサ構造を適 正化でき、設置方法等の効率化が図れる。このような考えに基づき製作した部分設置型ガイド 波センサを Fig.3 に示す。この写真は、1100A 配管に設 置した状態である。このセンサの特徴は、周方向に対 して変形できる機構とし、500A 配管の曲率から平板ま で様々な曲率に追従できる点である。また、配管への センサの固定は、設置時の調整作業が簡便な吸盤構造 を用いた負圧方式とした。また、このセンサでは、探 触子を送信方向に対して前後 2 列に配列するため、前 述のようにアクティブな送信方向制御ができる。 - 試験に使用するガイド波検査装置を Fig.4に示す[2]。 波形発生器、パワーアンプ、A/D 変換器等を内蔵する 装置本体とコンピュータで構成される。本検査装置は、 上述の大口径配管向け部分設置型センサでも、中口径 配管向けリング状ガイド波センサでも対応できる。セ ンサを構成する探触子は、すべり振動の超音波振動子 を有し、水を包含する配管でもほとんど減衰がない非 分散性のねじり振動 T(0, 1) モードのガイド波を送受 信する。ションFig.3 Partial set guided wave sensorFig.4 Guided wave inspection system5624. 試験結果前章で説明した部分設置型センサの減肉検出性能に 関する試験結果を以下に記す。はじめに、500A 配管に対する試験について記す。試 験体を Fig.5 に示す。口径 500A、板厚 9.5mm、管長 6m の炭素鋼配管で、内面にポリエチレンライニングを施 工している。模擬減肉は2箇所で、配管内面へ局所的 にグラインダで加工した。減肉 A は 180°方位に付与 し、大きさは配管断面積欠損率 3%相当である。減肉B は 270°方位に付与し、大きさは配管断面積欠損率 5% 相当である。試験結果を Fig.6 に示す。センサは管端から 1.5m 位 置に設置し、3 つの波形は周方向方位 0°、180°、240° の位置で測定した。センサを 180° 方位に設置した場 合、センサ中心が減肉 A の方位と一致するが、減肉 A はもちろん減肉 B も検出できる。しかし、240°方位 にセンサを設置した場合、センサ中心が減肉 A の方位 とずれるため、減肉 A の反射信号強度が低下する。し かし、減肉 B の位置がセンサ中心に近づくため、減肉 Bの反射信号強度が増加する。また、0° 方位にセンサ を設置した場合、減肉 A はセンサの真裏となるため検 出できない。この試験結果から、部分設置型センサを用いたガイ ド波検査で減肉を検出できることを確認した。また、 センサ位置に応じて検査波形が異なることを利用して、 センサを周方向に移動することにより減肉の周方向方 位の推定が可能であることが示された。次に、1100A 配管に対する試験について記す。試験 体を Fig.7 に示す。口径 1100A、板厚 9.5mm、管長 6m の炭素鋼配管で、内面にポリエチレンライニングを施 工している。減肉は3つ(C、D、E)付与した。減肉 Dおよび Eは孔食等のピット状減肉を模擬したドリル 穴であり、減肉 D の形状を Fig.7 中に記す。なお、減 肉Eは減肉 D と同形状のものを周方向へ並列に配置し、 減肉 Dの2倍の大きさの減肉を模した。また、管端部 * にはフランジが接合されている。1100A 配管に付与した減肉 C (配管断面積欠損率 1% 相当)の検出波形を Fig.8 に示す。この波形はセンサを 減肉 C と正対して測定したが、センサから 2m 位置の 減肉 C を検出できた。なお、センサから 4.2m 位置に 出現した信号は、減肉の反射信号ではなく、フランジ 端からの反射波が曲げ振動 F(1,2) モードに変換した成分である。これより、500A および 1100A の曲率が異な る配管においても、減肉を検出できることを示した。Inside : Polyethylene lining360円Corrosion-0.05Circumferential position []------------22 Corrosion A-0.03Sensor (At 180°)11.525k1.2kk6Axial distance [m]Fig.5 500A pipe specimen180°Pipe edgeAmp. [V]Corro -sionA (3%)、Corro -sionB (5%)240°Amp. [V]Corro -sionA (3%)Corro -sionB (5%)Amp. [V]Corro (5%)-sionBDistance from sensor [m]Fig.6 Experimental result for 500A pipeInside : Polyethylene lining360Sensor (At Fig.8)Sensor (At Fig. 9)Corro -sionDCorro -sionECircumferential position []Corto -siohC(1%)Unit:mm2<1.5 5251.56.0 Axial distance [m]VVFig. 7 1100A pipe specimen5639果を示す。Fig.9 に示す 3 つの波形は、管端から 2.5m の位置にセンサを設置したときの結果であるが、セン サと減肉の周方向相対位置がそれぞれ異なる。 * Fig.9 (a)は減肉 D および E に正対した位置にセンサ を設置した場合の結果であるが、減肉 D およびEを検 出できた。Fig.9 (b)は減肉 D および E に対してセンサ 幅の 1/4 ずれた位置での結果である。センサが減肉に 対して偏心した状態であるが、センサが正対した場合 出できた。Fig.9 (c)はセンサ端に減肉 D および E が位 置する場合の結果であり、センサが減肉に対して大き く偏心した状態である。この場合、減肉からの反射強 度が低下し、減肉からの信号と減肉以外からの信号(ノ イズ)との振幅比(SN 比)が小さくなり、減肉識別性これらの結果から、部分設置型センサを用いたガイ ド波検査では、センサを周方向に検出したい減肉に応 じた適切なピッチで移動して検査することで、高精度 で効率よい減肉検査が可能である。 1次に、ドリル穴(減肉 D および E)に対する試験結 果を示す。 Fig.9 に示す 3 つの波形は、管端から 2.5m の位置にセンサを設置したときの結果であるが、セン サと減肉の周方向相対位置がそれぞれ異なる。 - Fig.9 (a)は減肉 D およびEに正対した位置にセンサ を設置した場合の結果であるが、減肉 D および E を検 出できた。Fig.9 (b)は減肉 D および E に対してセンサ 幅の 1/4 ずれた位置での結果である。センサが減肉に 対して偏心した状態であるが、センサが正対した場合 より振幅は小さくなったものの、減肉 D およびEを検 出できた。Fig.9 (c)はセンサ端に減肉 D および E が位 置する場合の結果であり、センサが減肉に対して大き く偏心した状態である。この場合、減肉からの反射強 度が低下し、減肉からの信号と減肉以外からの信号(ノ イズ)との振幅比(SN 比)が小さくなり、減肉識別性 が低下する。これらの結果から、部分設置型センサを用いたガイ ド波検査では、センサを周方向に検出したい減肉に応 じた適切なピッチで移動して検査することで、高精度 で効率よい減肉検査が可能である。Pipe. Il edgeAmp. [V]- Corrosionc,-0.012011234 Distance from sensor [m]1516Fig.8 Experimental result of corrosion C (Sensor at 180°)10 || (a)]SensorAmp. [V]Pipeedge Corro -sionECorro -sionD72 2.0mAnd theMoonLowbowSensorAmp. [V]T2.0mMinmand harmondSensor1005.結言--:-DEAmp. [V]大口径配管に対するガイド波検査システムを開発し、 大口径配管を用いた減肉検出試験を実施した。1) 検査対象の曲率に合わせて自在に変形できる構 造の部分設置型ガイド波センサと、可搬性のガイド 波検査装置からなる検査システムを開発した。 2)このシステムを用いて、500A 配管および 1100A 配管の減肉を検出できることを確認した。7z 2.0m ST | on the insummanh an lawan rad _123456Distance from sensor [m] Fig.9 Experimental result of corrosion D,E for 1100A pipe参考文献「LIN ALへんなーーいいっせいに入へ[1] 池田隆 他4名、“プラント配管の検査実務におけるガイド波技術の展開”、非破壊検査、Vol54、No.11、2005、 pp.595-599. [2] 小平小治郎 他3名、“ガイド波による配管減肉検大口径配管に対するガイド波検査システムを開発 大口径配管を用いた減肉検出試験を実施した。 11) 検査対象の曲率に合わせて自在に変形できる
PipeSensor edge...DE Corro Corro----- -sionD: -sionE22.0m www mwanam10 | (a)]Amp. [V]SensorAmp. [V]-..28 2.0m -1-EwodneSensorAmp. [V]--- DE 2.0m1 1 2 3 4 5Distance from sensor [m] Fig.9 Experimental result of corrosion D,E for 1100A pipe- 564 -“ “?ガイド波を用いた大口径配管の減肉検査技術“ “三木 将裕,Masahiro MIKI,永島 良昭,Yoshiaki NAGASHIMA,遠藤 正男,Masao ENDOU,小平 小治郎,Kojiro KODAIRA
発電プラント、産業プラントをはじめとする各種機 器を構成する配管は、エロージョンやコロージョンに 起因する減肉が発生する可能性があるため、配管肉厚 を定期的に測定し、減肉管理を行う必要がある。減肉 を検出する方法として、超音波厚さ計を用いて一定間 隔の測定点での肉厚測定が一般に実施されている。し かし、保温材の撤去、高所作業の場合の足場組立て等 の検査に係わる付帯作業が検査作業工数に占める割合 が多く、付帯作業の縮小により検査効率が向上できる。 また、構造上の要因により検査員が接近できない箇所 もあり、新たな非破壊検査手法が必要である。 - 近年、超音波厚さ計による減肉管理法の代替技術と して、ガイド波によるスクリーニング検査技術[1]の開 発が活発である。ガイド波検査は、1 箇所のセンサ設 置で長距離を一括で検査できる特徴がある。このため、 センサ設置部を除いて保温材を撤去する必要がなく付 帯作業を削減でき、検査工程短縮及びコスト低減に繋 がる手法として期待できる。特に大口径配管では、付帯作業が大掛かりになることや超音波厚さ計による測 定点が膨大になるため、ガイド波検査の適用による作 業工数の低減効果は大きい。 1. 本稿では、大口径配管に対するガイド波検査システ ムについて紹介する。本システムの特徴は、検査対象 の曲率に合わせて自在に変形できる構造のガイド波セ ンサと、ポータブルなガイド波検査装置である。この システムを用いて、大口径配管に付与した模擬減肉に 対する検出試験結果を報告する。
2. ガイド波検査技術
ガイド波を用いた配管検査の概要を Fig1に示す。配 管周方向に設置したセンサから超音波を入射し、配管 軸方向に伝播するガイド波を発生させる。配管軸方向 に伝播したガイド波は、減肉等の形状変化部があると 反射波が発生する。この反射波を受信センサで受信し、 その伝播時間から形状変化部 (反射源)位置を計算し、 反射波強度から減肉の大きさ(一般に、配管断面積欠 損率=減肉部の管周方向断面積 / 健全部の管周方向断 面積)を評価する。通常、送信センサと受信センサは 一体である。ガイド波の送受信方式として、弊社では圧電素子型 超音波探触子を採用している。送受信方式に関する特 徴を Fig.2 に示す。周方向に配置した超音波探触子を管561軸方向に前後2列並べる。ここで、前後2列に並べた 探触子群の間隔を 1/4 波長とする。この条件で、送信 波の発信タイミングを進行方向後列のみ逆位相で 1/4 周期遅延すると、後方へ進行するガイド波を打ち消す ことができ、アクティブに送信方向を制御できる。ま た、探触子の前後列間距離の波長比と遅延制御の周期 を一致させることで、前方進行波の強度を倍増するこ とができる。なお、受信波についても、送信時の逆過 程であることを考慮すると、前後列での受信波に位相 差を考慮した重ね合せ処理を行うことで、送信方向か らの反射波成分のみを識別でき、減肉の検出精度を向 上できる。Heat insulatorSensorCorrosionGuided wavePipeInspection systemFig.1 Overview of pipe inspection using guided waveAmp.TimeActive suppression of backward waveAmp.Guided waveFig.2 Feature of transmitted method3. ガイド波センサと検査システム- ガイド波検査では、配管周方向の全方位にセンサを 配置する方式が一般的である。しかし、大口径配管や 曲率が大きい検査対象の場合、検査対象の全範囲を包 括するセンサは大型構造となるため、センサ設置作業が大掛かりになり、非効率である。そこで、検査範囲 を複数範囲に分割して検査することでセンサ構造を適 正化でき、設置方法等の効率化が図れる。このような考えに基づき製作した部分設置型ガイド 波センサを Fig.3 に示す。この写真は、1100A 配管に設 置した状態である。このセンサの特徴は、周方向に対 して変形できる機構とし、500A 配管の曲率から平板ま で様々な曲率に追従できる点である。また、配管への センサの固定は、設置時の調整作業が簡便な吸盤構造 を用いた負圧方式とした。また、このセンサでは、探 触子を送信方向に対して前後 2 列に配列するため、前 述のようにアクティブな送信方向制御ができる。 - 試験に使用するガイド波検査装置を Fig.4に示す[2]。 波形発生器、パワーアンプ、A/D 変換器等を内蔵する 装置本体とコンピュータで構成される。本検査装置は、 上述の大口径配管向け部分設置型センサでも、中口径 配管向けリング状ガイド波センサでも対応できる。セ ンサを構成する探触子は、すべり振動の超音波振動子 を有し、水を包含する配管でもほとんど減衰がない非 分散性のねじり振動 T(0, 1) モードのガイド波を送受 信する。ションFig.3 Partial set guided wave sensorFig.4 Guided wave inspection system5624. 試験結果前章で説明した部分設置型センサの減肉検出性能に 関する試験結果を以下に記す。はじめに、500A 配管に対する試験について記す。試 験体を Fig.5 に示す。口径 500A、板厚 9.5mm、管長 6m の炭素鋼配管で、内面にポリエチレンライニングを施 工している。模擬減肉は2箇所で、配管内面へ局所的 にグラインダで加工した。減肉 A は 180°方位に付与 し、大きさは配管断面積欠損率 3%相当である。減肉B は 270°方位に付与し、大きさは配管断面積欠損率 5% 相当である。試験結果を Fig.6 に示す。センサは管端から 1.5m 位 置に設置し、3 つの波形は周方向方位 0°、180°、240° の位置で測定した。センサを 180° 方位に設置した場 合、センサ中心が減肉 A の方位と一致するが、減肉 A はもちろん減肉 B も検出できる。しかし、240°方位 にセンサを設置した場合、センサ中心が減肉 A の方位 とずれるため、減肉 A の反射信号強度が低下する。し かし、減肉 B の位置がセンサ中心に近づくため、減肉 Bの反射信号強度が増加する。また、0° 方位にセンサ を設置した場合、減肉 A はセンサの真裏となるため検 出できない。この試験結果から、部分設置型センサを用いたガイ ド波検査で減肉を検出できることを確認した。また、 センサ位置に応じて検査波形が異なることを利用して、 センサを周方向に移動することにより減肉の周方向方 位の推定が可能であることが示された。次に、1100A 配管に対する試験について記す。試験 体を Fig.7 に示す。口径 1100A、板厚 9.5mm、管長 6m の炭素鋼配管で、内面にポリエチレンライニングを施 工している。減肉は3つ(C、D、E)付与した。減肉 Dおよび Eは孔食等のピット状減肉を模擬したドリル 穴であり、減肉 D の形状を Fig.7 中に記す。なお、減 肉Eは減肉 D と同形状のものを周方向へ並列に配置し、 減肉 Dの2倍の大きさの減肉を模した。また、管端部 * にはフランジが接合されている。1100A 配管に付与した減肉 C (配管断面積欠損率 1% 相当)の検出波形を Fig.8 に示す。この波形はセンサを 減肉 C と正対して測定したが、センサから 2m 位置の 減肉 C を検出できた。なお、センサから 4.2m 位置に 出現した信号は、減肉の反射信号ではなく、フランジ 端からの反射波が曲げ振動 F(1,2) モードに変換した成分である。これより、500A および 1100A の曲率が異な る配管においても、減肉を検出できることを示した。Inside : Polyethylene lining360円Corrosion-0.05Circumferential position []------------22 Corrosion A-0.03Sensor (At 180°)11.525k1.2kk6Axial distance [m]Fig.5 500A pipe specimen180°Pipe edgeAmp. [V]Corro -sionA (3%)、Corro -sionB (5%)240°Amp. [V]Corro -sionA (3%)Corro -sionB (5%)Amp. [V]Corro (5%)-sionBDistance from sensor [m]Fig.6 Experimental result for 500A pipeInside : Polyethylene lining360Sensor (At Fig.8)Sensor (At Fig. 9)Corro -sionDCorro -sionECircumferential position []Corto -siohC(1%)Unit:mm2<1.5 5251.56.0 Axial distance [m]VVFig. 7 1100A pipe specimen5639果を示す。Fig.9 に示す 3 つの波形は、管端から 2.5m の位置にセンサを設置したときの結果であるが、セン サと減肉の周方向相対位置がそれぞれ異なる。 * Fig.9 (a)は減肉 D および E に正対した位置にセンサ を設置した場合の結果であるが、減肉 D およびEを検 出できた。Fig.9 (b)は減肉 D および E に対してセンサ 幅の 1/4 ずれた位置での結果である。センサが減肉に 対して偏心した状態であるが、センサが正対した場合 出できた。Fig.9 (c)はセンサ端に減肉 D および E が位 置する場合の結果であり、センサが減肉に対して大き く偏心した状態である。この場合、減肉からの反射強 度が低下し、減肉からの信号と減肉以外からの信号(ノ イズ)との振幅比(SN 比)が小さくなり、減肉識別性これらの結果から、部分設置型センサを用いたガイ ド波検査では、センサを周方向に検出したい減肉に応 じた適切なピッチで移動して検査することで、高精度 で効率よい減肉検査が可能である。 1次に、ドリル穴(減肉 D および E)に対する試験結 果を示す。 Fig.9 に示す 3 つの波形は、管端から 2.5m の位置にセンサを設置したときの結果であるが、セン サと減肉の周方向相対位置がそれぞれ異なる。 - Fig.9 (a)は減肉 D およびEに正対した位置にセンサ を設置した場合の結果であるが、減肉 D および E を検 出できた。Fig.9 (b)は減肉 D および E に対してセンサ 幅の 1/4 ずれた位置での結果である。センサが減肉に 対して偏心した状態であるが、センサが正対した場合 より振幅は小さくなったものの、減肉 D およびEを検 出できた。Fig.9 (c)はセンサ端に減肉 D および E が位 置する場合の結果であり、センサが減肉に対して大き く偏心した状態である。この場合、減肉からの反射強 度が低下し、減肉からの信号と減肉以外からの信号(ノ イズ)との振幅比(SN 比)が小さくなり、減肉識別性 が低下する。これらの結果から、部分設置型センサを用いたガイ ド波検査では、センサを周方向に検出したい減肉に応 じた適切なピッチで移動して検査することで、高精度 で効率よい減肉検査が可能である。Pipe. Il edgeAmp. [V]- Corrosionc,-0.012011234 Distance from sensor [m]1516Fig.8 Experimental result of corrosion C (Sensor at 180°)10 || (a)]SensorAmp. [V]Pipeedge Corro -sionECorro -sionD72 2.0mAnd theMoonLowbowSensorAmp. [V]T2.0mMinmand harmondSensor1005.結言--:-DEAmp. [V]大口径配管に対するガイド波検査システムを開発し、 大口径配管を用いた減肉検出試験を実施した。1) 検査対象の曲率に合わせて自在に変形できる構 造の部分設置型ガイド波センサと、可搬性のガイド 波検査装置からなる検査システムを開発した。 2)このシステムを用いて、500A 配管および 1100A 配管の減肉を検出できることを確認した。7z 2.0m ST | on the insummanh an lawan rad _123456Distance from sensor [m] Fig.9 Experimental result of corrosion D,E for 1100A pipe参考文献「LIN ALへんなーーいいっせいに入へ[1] 池田隆 他4名、“プラント配管の検査実務におけるガイド波技術の展開”、非破壊検査、Vol54、No.11、2005、 pp.595-599. [2] 小平小治郎 他3名、“ガイド波による配管減肉検大口径配管に対するガイド波検査システムを開発 大口径配管を用いた減肉検出試験を実施した。 11) 検査対象の曲率に合わせて自在に変形できる
PipeSensor edge...DE Corro Corro----- -sionD: -sionE22.0m www mwanam10 | (a)]Amp. [V]SensorAmp. [V]-..28 2.0m -1-EwodneSensorAmp. [V]--- DE 2.0m1 1 2 3 4 5Distance from sensor [m] Fig.9 Experimental result of corrosion D,E for 1100A pipe- 564 -“ “?ガイド波を用いた大口径配管の減肉検査技術“ “三木 将裕,Masahiro MIKI,永島 良昭,Yoshiaki NAGASHIMA,遠藤 正男,Masao ENDOU,小平 小治郎,Kojiro KODAIRA