導管の次世代保安向上新技術調査・評価事業

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カテゴリ: 第6回
1.緒言
十分な安全確保をしつつ導管網を効率的に維 持管理していくことは、都市ガスの安全・安定供 給という社会的ニーズに応えるために重要な課 題である。そこで、国が中心となり各分野の有識者の協力 のもと、これまでとは異なる視点も含め、ガス業 界では十分に活用できていない可能性のある、他 業界の技術の急速な進展によって得られた成果 や、最先端の技術シーズなどにまで視点を広げ、 国際的かつ業界や分野横断的に客観性をもった 幅広い調査を実施し、ガス導管の保安レベル向上 に資する技術開発を一層充実させることが重要 である。
2.目的
* 本事業では、ガス導管に係る保安の向上と効
Yuji HIGUCHI Member Tetsuya KIBAYASHI Tadahito SIRATO Takahiro SHIGETA Masaaki ISHIKAWA Tsuyoshi WATANABE Takashi IMAGAWA Toshio HIRAI Motoki KUWAHARA Yuji HARA Keisuke NAGASAWA Masaru TSUNASAKI Yoshirou BIWATOMO Toshiaki FURUNO率的な維持管理に資する可能性のある技術シー ズについて、幅広い調査を実施し、保安向上の ための技術的アプローチに活用できる要素技術 の棚卸しを行う。導管網がどのような状態であ るか、常に把握しておくことにより、不具合の 発生を「予知」して、「予防」的に手を打っこ との道を拓く。3.事業概要* 表1 事業全体スケジュール調査準備 1119| |120 T調査事業 MT1122|123以降ニーズ調査ニーズ謝古ニーズの絞込みマッチング ニーズとシーズの例香範囲を抽出 シーズ技術の一欧米の ガス事業 技術調査開発中菜検討開発開発成果物推行院理施策への反映シーズ技術調査「サンブル36田口ロプロ供給 インフラ設備・他業所県葉南有望技部:サンプル578- 表1に事業全体のスケジュールを示す。平成 20 年度 から3年間の調査事業として実施する予定である。ガ ス協会では独自に欧米のガス事業者の技術調査を行う。 一方国家プロジェクトとして、ガス事業分野以外の調 査を行い、全技術分野を網羅する。調査対象イメージ を図1に示す。導管の健全 監視衛星|| 性を診断無届け他工事 の発生把握|他工事損傷に 強い導管材料管の位置を 精度良く表示水の浸入 位置を特定絞り込んだ 「ニーズ項目材料材料材料ロボットロボット通信必要とする 要素技術診断断接客監視カメラセンシングセンシングセンサーセンサーロケータロケータ??健全性診断監視センター音響センサー京ロケータ????ガス管ロボットの振動センサー新課管材料・パラシュートセンリ光ファイバー水道管、差し水サー(シャイロ)サンドブラスト図1 調査対象イメージ4. 平成 20 年度の調査結果と成果4.1 調査結果 - 調査の詰果、導管保安向上に関連する技術を約 500 件抽出した。その結果、ガス導管保安向上に 資する程度に応じて、有望技術と判断したものを その可能性の高いものから順に、サンプル評価候 補技術 (18 件)、要注視技術(48 件)と位置付 けた。調査した対象と結果は表2のとおり。表2 調査対象と結果の物量調?件数有望技術調? 対象調査 範囲ガス導管 | サンプル有望な技術 保安向上 「評価候補(要注視技術) 関連技術|技術国内135供給 インフラ欧米126国内17433異業種 他分野欧米57計4924.2 成果 - 導管の保安に資する技術を調査した結果、容易 な改良開発で、目標仕様に到達し、現場適用が可 能となるようなシーズ技術は見あたらなかった が、以下の成果を得ることができた。1現場適用技術(トータル技術)完成に寄与する と考えられる魅力的な要素技術が多数確認で きた。 2上記の要素技術は、いずれの技術も試験室や試 - 験フィールドで機能するレベルであることを確認した。 3先端技術の開発に取り組む企業・大学・団体を 訪問調査することで、先方に「ガス業界の潜在 的な技術ニーズ」を伝えることができた。 @調査の過程で得られた各技術の情報は参画ガス事業者で共有し、特定のガス事業者に高いニ ・ーズをもつ技術に関する情報も提供できた。4.3 ニーズ別有望技術 - 都市ガス事業者 10 社にヒヤリングを実施して、 導管保安に関するニーズを5つに絞り、4.2で 抽出した有望技術をニーズ毎に分類した。5つの ニーズと分類した結果は表3のとおり。5つのニ ーズ全てに対して、有望技術が得られた。特に導 管の健全性を診断する技術と他工事破損に強い 導管材料については、数多くのサンプル評価候補 技術が得られた。表3 ニニーズ表3 ニーズ別有望技術件数有望技術ニーズサンプル |要注視 評価技術」 |候補技術導管の健全性を診断する技術35無届け他工事の発生を把握する 技術 ガス管の位置を精度良く表示する 技術 他工事破損に強い導管材料水の浸入箇所を特定する技術579表4 ニーズと要素技術の関連関連する ニーズ要素技 要素技術の分類術導管の健全性を診断すの管内走行性0036 る技術|2|健全性診断 無届け他工事の発生を 把握する技術13 広域漏洩検知の他工事監視システ ガス管の位置を精度良0500 大表示する技術|e位置検知センサー(ジャイロ) 他工事破損に強い導16ロケータ(GPR) 管材料の材料性能 水の浸入箇所を特定す(耐衝撃性) る技術183水分検知センサー4.4 要素技術別有望技術と次年度以降の 予定 1次に 4.3で得られたニーズ毎の有望技術を要 素技術別に分類した。分類表は表4のとおり。各 ニーズは複数の要素技術で構成されていること が多い。た。広域漏洩検知とロケータについての要注視技 術は得られたが、サンプル評価候補技術は得られ なかった。 * 上記状況を踏まえ、現場適用技術実現に対する 要求技術の寄与度及び現場導入難易度を考慮し て、次年度以降の実施計画案を表5のとおり提案 した。サンプル評価技術として、管内走行性・位 置検知センサー・材料性能の3技術を実施するこ とを提案する。また、継続調査技術として、広域 漏洩検知・他工事監視システム・ロケータを実施 することを提案する。表4 ニーズと要素技術の関連関連する ニーズ要素技 要素技術の分類術 導管の健全性を診断すの管内走行性 る技術2健全性診断 無届け他工事の発生を 把握する技術(3広域漏洩検知」の他工事監視システ ガス管の位置を精度良D567 く表示する技術の位置検知センサー(ジャイロ) 他工事破損に強い導16 ロケータ(GPR) 管材料の材料性能 水の浸入箇所を特定す(耐衝撃性)08 る技術18 水分検知センサー」4.5 最終成果イメージ * 4.4で提案した調査を継続することにより、 事業終了時には、以下の3事項を記した調査報告 書の完成を予定している。 1着目すべき既存技術 2その技術をガス事業に適用させる際に必要な 課題(技術開発要素の場合は、開発スペックと そのプロポーサル) 3新技術の普及を将来的に想定した活用備考この要素技術分類に従い、次年度のサンプル評 価を実施する技術を抽出した。要素技術別のサン プル評価候補技術は表5のとおり。本事業は平成 20 年度経済産業省原子力安全・ 保安院地方都市ガス事業天然ガス化促進対策調 査(次世代保安向上技術調査(保安技術調査)) の一部である。表5 要素技術別サンプル評価候補技術調査結果 | 次年度以降の (有望技術)計画 要素技術の分類 | サンプル評価候補技)要注視|サンプル調査 | 技術 | 評価 継続参考文献平成 20 年度経済産業省原子力安全・保安院地 方都市ガス事業天然ガス化促進対策調査 (次世代 保安向上技術調査(保安技術調査))調査報告書、 日本ガス協会、2009年3月。6-5-9-6-0-5-4管内走行性 健全性診断 広域漏洩検知09| 他工事監視システム 位置検知センサー (ジャイロ)100 ロケータ(GPR) 表5 要素技術別サンプル評価候補技術調?結果 | 次年度以降の(有望技術) | 計 要素技術の分類サンプル評要注視|サンプル」調査 価候補技 術攻| 技術 | 評価 | 継続 管内走行性17 16| 健全性診断115 広域漏洩検知。 10 9 10 他工事監視システム | 位置検知センサー (シャイロ) ロケータ(GPR) 材料性能(耐衝撃性) 6 40 | 水分検知センサー 11121 * *重複技術を含む◎は実施予定 要素技術別では、管内走行性と材料性能 撃性)で、サンプル評価候補技術が数多く 技術別では、管内走行性と材料性能(耐衝 で、サンプル評価候補技術が数多く得られ上記状況を踏まえ、現場適用技術実現に対する 要求技術の寄与度及び現場導入難易度を考慮し て、次年度以降の実施計画案を表5のとおり提案 した。サンプル評価技術として、管内走行性・位 置検知センサー・材料性能の3技術を実施するこ とを提案する。また、継続調査技術として、広域 漏洩検知・他工事監視システム・ロケータを実施 することを提案する。 - 平成 20 年度経済産業省原子力安全・保安院地 方都市ガス事業天然ガス化促進対策調査 (次世代 保安向上技術調査(保安技術調査))調査報告書、 - 580 --2“ “導管の次世代保安向上新技術調査・評価事業“ “樋口 裕思,Yuji HIGUCHI,木林 哲也,Tetsuya KIBAYASHI,白土 忠人,Tadahito SIRATO,一重田 隆弘,Takahiro SHIGETA,石川 雅章,Masaaki ISHIKAWA,渡辺 剛史,Tsuyoshi WATANABE,今川 隆,Takashi IMAGAWA,平井 稔雄,Toshio HIRAI,桑原 元希,Motoki KUWAHARA,原 裕司,Yuji HARA,長沢 圭介,Keisuke NAGASAWA,綱崎 勝,Masaru TSUNASAKI,枇杷友 啓郎,Yoshirou BIWATOMO,古野 俊秋,Toshiaki FURUNO
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