電磁気的手法を用いたエネルギー機器用構造材料の劣化損傷の評価

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カテゴリ: 第7回
1.緒言
近年、エネルギー機器をはじめとする多くの産業機 品において構造物の安全性、信頼性確保のため、高精 度の劣化損傷の評価手法の開発が求められてきてい る。特に、「もんじゅ」やこれに続く実用炉他、原子 コ機器においても同様に、劣化損傷の評価手法の高精 度化は喫緊の課題となっている。本研究では原子力機器の構造材料としても検討さ してきている高クロム鋼(HCM12A)の熱時効材の 平価を電磁気的な手法を用いて行った。特に、溶接部 〒傍に注目し、熱時効による溶接部近傍の磁気特性の 変化を明らかにした。また、経年劣化等において生成する表面き裂を模擬 した表面欠陥の漏洩磁束密度を、高感度磁気センサで うるフラックスゲートセンサ(FG センサ)を用いて 則定するとともに、漏洩磁束密度から欠陥形状を評価 するために Tikhonov の手法を用いて電磁逆解析を行 い、欠陥の再構成を行った。
2.高クロム鋼の熱時効の電磁気的評価 2.1 試験片および実験方法 用いた試験片は熱時効を施したHCM12A の溶接材 である。Table 1 及び Fig.1 に各々の試験片形状と熱 寺効の条件を示す。試験片はネオジム磁石(表面磁束 密度 0.38T)にて長手方向に着磁後、磁気シールドル ーム内にて、3 軸のガウスメータ(ホールセンサ)を用 いて残留磁束密度を測定した。その際のリフトオフは mm である。
・・・・・(4) ここで、[I]は単位行列であり、aは解の振動を抑制す るための正則化パラメータである。 3.2 測定データを用いた逆解析 * 実際に FG センサを用いて測定した漏洩磁束密度デ ータを用いて Tikhonoy の正則化法により逆解析を行 った。正則化パラメータaは L-curve法をもとに 0.01 とした。得られた磁荷分布[m]を Fig.6(a)、(b)に 示す。適切な正則化パラメータaを用いることにより、 解の振動が抑制されていることがわかる。また、おお よそ欠陥の位置と磁荷分布とは対応している。したがって、本手法を用いることにより、漏洩磁束密度より * 欠陥像を再構成し、欠陥サイズ等を求めることが可能 であることがわかる。謝辞 本研究で用いた熱時効試験片は日本原子力研究開発 機構 高屋茂様より提供いただいたものである。ここ に謝意を表する。また、本研究の一部は科学研究費補 助金(基盤研究(C) 20560097)において実施された 成果を含む。 参考文献 [1] T. Suzuki, A. Terasaki et al., “NondestructiveEvaluation of Ferromagnetic Structural Materials Using FG Sensor”, Electromagnetic NondestruciveEvaluation(XII), IOS Press, 2009, pp.271-278. [2]A.N.Tikhonov and V.Y.Arseine, “Solutions of Ill-PosedProblems”, Halsted Press, 1977. [3] C. Hansen, “Analysis of Discrete Ill-Posed Problemsby Means of the L-Curve““, Society for Industrial and Applied Mathematics, Vol.34, No.4, 1992, pp.561-580.
“ “電磁気的手法を用いたエネルギー機器用構造材料の劣化損傷の評価“ “鈴木 隆之,Takayuki SUZUKI,黒田 匠,Takumi KUROTA,笹本 明,Akira SASAMOTO,西村 良弘,Yoshihiro NISHIMURA,寺本 徳郎,Tokuo TERAMOTO
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