3Dレーザ計測技術の活用

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カテゴリ: 第7回
1. 緒言
当社では、3D レーザスキャナを用いて、原子力 発電所内に設置される機器、配管等のアズビルトデ ータを採取し、配管等の改造工事における配置・配 管設計、干渉・施工性の確認や工事計画に幅広く活 用している。本稿では、当社が取り組んできた3D レーザ計測結果の具体的な活用例について紹介する。 2. アズビルト計測 1当社が現地計測に用いる 3D レーザスキャナの構 成を Fig.1 に示す。アズビルトデータとして、1箇 所の計測点で2種類のデータを採取している。1つ はレーザスキャナによる3次元点群データ (Fig.2) であり、もう1つはデジタルカメラによる 360 度視 野角のパノラマ写真(Fig.3)である。計測作業は、レーザスキャン、パノラマ写真とを 合せて4名1組で行い、1日平均 30~60 箇所の計測 が可能である。レーザスキャンは、1スキャンで約 1000万点を計測し、スキャン自体の時間は約2分で ある。 パノラマ写真は、レーザスキャンとほぼ同じ 位置、高さで撮影しているため、計測した3次元点 群データとの比較、照合が容易であり、3次元点群 データの視覚的に分かりづらい部分をパノラマ写真 で補間することでバーチャル空間が構築できる。Fig.1 constitution of 3D Laser scanner 3.3Dアズビルト管理システム - 当社は、これまで現地で計測した3次元点群デー タやパノラマ写真を一元的に管理するシステムを独 自に開発し、社内で広く活用している。さらに、本 システムは一部の電力殿へも納入済みである。 * 本システムの特徴は、計測データをプラント、建 屋、EL 毎に配置図をベースとして一元管理している 点にある。システムの画面上で、「プラント」「号機」 「エリア」「EL」を順に選択すると「配置図」が表 示される。その配置図上に星印が表示されている箇 所は3次元点群データやパノラマ写真が保管されて いることを示しており、それらを閲覧することがで きる。 - 近い将来には、電力殿と当社とのアズビルトデー タ共有化のツールとして各電力殿に本システムを導入頂き、電力殿の中でもより有効にご活用頂けるも のと考える。
Fig.2 3D Laser scanning dataいにと被のし状確た備計 - D発く 4元ルス 本事 ビンFig.3 panorama photograph 4.3D-CADモデルの活用アズビルトデータ(3次元点群データ)は、特定 の範囲を取り出して3D-CADモデルに加工する ことができる。これを配管等の改造工事に適用した 坦ム車出払いたアブドルトデータをPD-アズビルトデータ (3次元点群データ)は、特定 の範囲を取り出して3D-CADモデルに加工する ことができる。これを配管等の改造工事に適用した 場合、事前に計測したアズビルトデータを3D-C ADモデル化することで、配置・配管設計、干渉・ 施工性の確認や工事計画に幅広く活用することが可 能である。これらの活用例を以下で詳しく紹介する。Fig.3 panorama photograph 4.3D-CADモデルの活用アズビルトデータ (3次元点群データ)は、特定 の範囲を取り出して3D-CADモデルに加工する ことができる。これを配管等の改造工事に適用した 場合、事前に計測したアズビルトデータを3D-C ADモデル化することで、配置・配管設計、干渉・ 施工性の確認や工事計画に幅広く活用することが可 能である。これらの活用例を以下で詳しく紹介する。 4.1 配置・配管設計への活用当社は、ここで紹介したアズビルトデータ (3次 元点群データやパノラマ写真)や3D-CADモデ ルを用いた保全システムの構築を進めている。本シ ステムは、『系統図』をキーステーションとして1基 本設計図書/配管図等の設計情報、2点検記録/工 事記録等の保全情報、3高経年化評価知見、4アズ ビルトデータを相互リンクさせることにより、プラ ントの各種情報を一元管理できるシステムを目指し ている。 5.結言当社はこれまで3D レーザ計測結果を用いて、シ ステム開発や設計、工事計画への活用を幅広く手が けてきた。今後も電力殿と協力して計測データの拡充・アズ ビルト化・共有化を図り、今後の改造工事計画に活 用することで更なる改造工事の円滑推進に努めたい。B LASEP),L lo t?---7-11-3..- 改造工事の現場調査は、既設設備のアズビルト調 査が必須であるが、巻尺等の計測器具を用いた手作 業による寸法計測は作業量が多く、安全面、被ばく 面でのリスクや負担が大きい。さらに、格納容器内 は運転中の立入が困難なため、定検中に作業が集中 し調査期間も限られる。そこで、予め事前に3次元点群データを採取して おくことで、必要な範囲を3D-CADモデルに変 換し、新設配管やサポートのCADモデルと重ね合 わせることにより干渉有無や施工性の確認が可能で ある。特に、耐震バックチェック工事のような膨大 な既設の配管ルート、サポート形状や位置を事前の改造工事の現場調査は、既設設備のアズビルト調 査が必須であるが、巻尺等の計測器具を用いた手作 業による寸法計測は作業量が多く、安全面、被ばく 面でのリスクや負担が大きい。さらに、格納容器内 は運転中の立入が困難なため、定検中に作業が集中 し調査期間も限られる。そこで、予め事前に3次元点群データを採取して おくことで、必要な範囲を3D-CADモデルに変 換し、新設配管やサポートのCADモデルと重ね合 わせることにより干渉有無や施工性の確認が可能で ある。特に、耐震バックチェック工事のような膨大 な既設の配管ルート、サポート形状や位置を事前の 現場調査により特定することが不可欠でかつ、その アズビルトデータを入力条件として耐震評価を行っ た結果を基に、新設サポートの形状や位置を決定し、 再度現場調査により工事成立性を確認する必要があ る場合には、作業効率化、被ばく低減の観点から非 常に有効な手段である。 る場合には、作業効率化、被ばく低減の観点から非 常に有効な手段である。 4.2 工事計画への活用工事計画の初期段階から3D-CADモデルを用 いることで実際に現場に行かなくても、誰でも簡単 にパソコン上でバーチャルに現場状況を確認するこ とができ、工事担当者が行う現場調査の負担軽減や 被ばく低減、工事計画(工法、手順、人員山積等) の精度向上が図れる。また、ループ室等の通常接近一本一本に呼旦4. 中1の* 工事計画の初期段階から3D-CADモデルを用 いることで実際に現場に行かなくても、誰でも簡単 にパソコン上でバーチャルに現場状況を確認するこ とができ、工事担当者が行う現場調査の負担軽減や 被ばく低減、工事計画(工法、手順、人員山積等) の精度向上が図れる。また、ループ室等の通常接近 し難い場所での工事に対して、作業員が対象周辺の 状況を事前に確認することにも利用できる。アズビルトデータの最大の特徴として、図面では 確認し難い電気系の設備等も忠実にモデル化される ため、配管改造工事や機器取替工事における周辺設 備との干渉確認、仮設遮へい計画、架設揚重・足場 計画、工法検討、大型機器搬出入時の干渉確認やル ート計画等に幅広く活用することが可能である。さらには、事前にアズビルトデータや3D-CA Dモデルが準備されていれば、不測のトラブル等で 発生した突発工事に対しても、現場に立入ることな く設計や工事計画を進めることも可能である。 確認し難い電気系の設備等も忠実にモデル化される ため、配管改造工事や機器取替工事における周辺設 備との干渉確認、仮設遮へい計画、架設揚重・足場 計画、工法検討、大型機器搬出入時の干渉確認やル ート計画等に幅広く活用することが可能である。さらには、事前にアズビルトデータや3D-CA Dモデルが準備されていれば、不測のトラブル等で 発生した突発工事に対しても、現場に立入ることな く設計や工事計画を進めることも可能である。 4.3 保全システムへの活用当社は、ここで紹介したアズビルトデータ (3次 元点群データやパノラマ写真)や3D-CADモデ当社は、ここで紹介したアズビルトデータ (3次 元点群データやパノラマ写真)や3D-CADモデ ルを用いた保全システムの構築を進めている。本シ ステムは、『系統図』をキーステーションとして1基 本設計図書/配管図等の設計情報、2点検記録/工 事記録等の保全情報、3高経年化評価知見、@アズ ビルトデータを相互リンクさせることにより、プラ ントの各種情報を一元管理できるシステムを目指し ている。当社はこれまで3D レーザ計測結果を用いて、シ ステム開発や設計、工事計画への活用を幅広く手が| けてきた。 * 今後も電力殿と協力して計測データの拡充・アズ ビルト化・共有化を図り、今後の改造工事計画に活 用することで更なる改造工事の円滑推進に努めたい。 - 395 -“ “3Dレーザ計測技術の活用“ “西谷 順一,Junichi NISHITANI,山上 真広,Mahiro YAMAGAMI,田中 俊二,Syunji TANAKA,岩田 知和,Tomokazu IWATA,中尾 文俊,Fumitoshi NAKAO,中島 和人,Kazuhito NAKASHIMA
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