磁気弾性結合効果を利用した鉄鋼材料の塑性変形の非破壊評価

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カテゴリ: 第9回
1. 緒言
強磁性材料には、磁気的な量と力学的な量との間の相 互作用が存在し、それらを総じて磁気力学結合効果と呼 ぶ。磁気力学結合効果の非破壊評価への応用例として磁 歪を利用した応力測定[1]、磁気音弾性法によるボルトの 軸力測定[2]や溶接板の残留応力測定[3]などが挙げられる。一方、塑性と磁性の相関関係は複雑で、解明されてい るとは言えず、磁化特性の変化を利用して塑性変形を評 価する手法も十分に研究されていない。一方、超音波の 音速変化などの情報を利用して材料物性を測定する方法 は様々な分野に応用され、構造部材の内部の非破壊評価 が可能となる特徴がある。弾性域の応力に対しては磁気 弾性結合効果を利用して従来の音弾性法より精密な応力 測定が可能となることがわかっている。しかしながら、 磁気力学結合効果を利用して超音波による塑性変形の評 価を行った例はこれまでなかった。そこで、本研究では代表的な鉄鋼材料である SS400 鋼 に対して、弾性引張応力下での試験片や残留塑性ひずみ を有する試験片中の超音波伝播速度の磁場による変化を 測定し、弾性引張応力や残留塑性ひずみと磁気音響効果 との関係を調べた。そして、中央部を加工した試験片に連絡先:藤井裕嗣、〒606-8501 京都府左京区吉田本町、 京都大学大学院エネルギー科学研究科、 E-mail: fujii.hiroshi.67z@st.kyoto-u.ac.jp引張応力を負荷し、塑性ひずみと残留応力を有する試験 片中央部の磁場による音速変化を測定して、塑性変形の 評価を行う。
2. 磁気音弾性法
2.1 磁気音弾性法の原理 1. 本研究では塑性変形とそれに起因する残留応力を有す る材料を想定し、磁気音響効果によりそれらの非破壊評 価を目指している。しかしながら、塑性変形下における 磁気音響効果の定式化はまだ行われていない。以下では、 塑性変形に起因する残留応力による磁気音響効果も弾性 応力によるものと同等であると見なして磁場と応力下で の超音波の伝播速度を導く。多くの構造材料は、圧延や引抜きなどの加工によりカ 学的な異方性(組織異方性)している。板面に垂直に伝播す る超音波に対しては、板面の2方向(圧延方向とそれに垂 直な方向)および板面に垂直な方向に音響異方性を有する。 この材料に応力や磁場が印加された場合、材料の非線形 性及び磁気音響効果により、それぞれの軸方向に音響異 方性が付加される。しかしながら、これらの効果はこれ らの効果が超音波の伝播に与える影響は小さいので二つ の効果を相乗した効果は無視することができる。この時、 本来の組織異方性に、微小な音弾性効果による異方性と 磁気音響効果による異方性が加わり、一般的には音響異216方性は組織異方性とは異なる方向に変化する。以下では簡単のために、応力や磁場が存在しない場合 の材料は等方性であり、応力は板面内の平面応力状態で あると仮定する。材料中の超音波の伝播を支配する方程 式は、運動方程式および、ひずみ一変位関係式Soon_ou,Paxi11 auI QUE TOXKOUL)0Ek = 2)ax;W 2dx,Oxk1 および、以下に示す応力ひずみ関係式からなってい る。本論文で想定される材料の状態は、弾性域から塑性 変形までの変形、強磁性体がほぼ飽和する程度の強磁場 を想定しなければならない。このような状態における応 カーひずみ関係式は、ひずみについて非線形力学的非線 勝で、磁気一力学的相互作用により材料中の磁化にも依 存している。すなわち、次式で表される。10== 0, CE,M)-3さらに、超音波による材料の応力状態の非破壊評価にお いては、一定の変形あるいは応力状態の材料中に超音波 が伝播する(音弾性)、あるいは非破壊評価のための磁場を 印加した状態で超音波が伝播する(磁気音弾性)。 このとき、 上記のバイアスの状態からの超音波によるひずみの変化 は微小なので、応力は次式のように近似することができる。ory = 0; (+ de,M)1.00 (E,M) , = 0,(6,M)+ -dek(4) |тд?ここで、ひずみ増分を de として、二段目の式の最初の 項はバイアスの応力、第2項は超音波による応力増分 do を表し、ひずみ増分 de とは次の線形関係で結びつ いている。 dory = Cpu (e, M)den、day = Comi(c, M)den (5) 第2式は、バイアスのひずみを応力で表したものである。 係数 Cuは接線弾性係数と呼ばれ、次式で定義される。Con(e, M) - 005 (E, M)Can(e, M) --6DERここでは、超音波の伝播に伴って材料中の磁化あるいは、 do, (E,M) Cita(e, M) =д?ここでは、超音波の伝播に伴って材料中の磁化あるいは-217磁場は変化しないと仮定している。磁気弾性結合効果の ひとつである応力磁化効果は応力変化がある程度大きい 場合を想定しており、その際には磁壁の移動が起こり磁 区構造が変化する。一方で、超音波の伝播に伴う応力変 化は微小でかつ高速であるため、このような磁区構造の 変化は起こらず、磁化あるいは磁場は変化しないという 上記の仮定が成立する。接線弾性係数 City は、直交異方 性の場合に異方性の軸に座標軸をとると、次の形で表さ れる。(CuCl2 C30_0_0) * C2C230_0_0* * C,,0_0_. Cap = * * * c 0_0|*. * * Cs0 * * * * C66)4**ここで、簡単のため、2階の対称テンソルを6次元ベク トルで表現する Voigt 表記を用いている。すなわち、a、 B=1, 2, ...6は、元のテンソル成分の(1,1), (2,2), (3,3), (2,3), (1,3), (1,2)を表す。材料中を伝播する超音波が調和平面波であるとすると、 伝播方向 1=, 122, ny)の超音波に伴う変形は次の式で表される。u, (x, t) = Age/-I(ax-kner)波形が調和関数と異なる場合にも調和波の重ね合わせで 表現でき、以下の議論のように波の速度と振動方向のみ に注目する場合には調和波のみ考察すれば十分である。 また、通常の超音波探触子から送信される波は、波長よ りも探触子の径が大きいので、ほぼ平面波として伝播す ることが知られている。 (8)を超音波を支配する方程式に代入すると、(On - pv-104 = 0 | 11 (9) という固有値問題が得られる。ここで、QA = Chann :音響テンソル (10) である。ここで = wk は音速で A は偏向(振動)方向であ る。ただし、添え字の十はヒステリシスの上昇過程、一 は下降過程を指す。与えられた伝播方向に対して、音響 テンソルを接線弾性係数から求め、上の固有値問題を解 くと、その伝播方向の超音波速度と振動方向が以下のよ うに導出できる。例えば、伝播方向が in (1, 0, 0)のときという固有値問題が得られる。ここA-(1, 0, 0)、A={0, 1, 0)、A(0, 0, 1)方向の振動を持つ波 が存在して、それらの速度は以下のように与えられる。 Y = ““C““, lp, = /Cas/ p, Yis = vCss/ p (11) 伝播方向が --(0, 1, 0)のとき、A=(1, 0, 0)、A=0, 1, 0)、 A=0, 0, 1)方向の振動を持つ波に対して、 Vai = /Cool p, Van = / / p, vaa = Culp== Cas/ p,Von = /Con/ p, Vas = Culp(12) 方向が 1=(0, 0, 1)のとき、A=(1, 0, 0)、A=(0, 1, 0)、naomL + カーはいい~伝播方向が 1=0, 0, 1)のとき、A-1, 0, 0)、A+(0, 1, 0)、 A-(0, 0, 1)方向の振動を持つ波に対して、V31 = jcss/ p,V32 = Caul p, V3a = vCas/ p (13) ここで、分はi方向に伝播し、j方向に振動する超音波の 音速を指す。つまりラの時は・方向に伝播する縦波であ り、それ以外の場合は横波の音速を指す。上記の音速は、 式(6)および(10)から応力 (あるいはひずみ) および磁化の 関数となっている。弾性域における平面応力の場合は、 応力による音速変化(音弾性効果)は小さいので、上記 の応力と磁化に依存する音速を応力0でテイラー展開す ると、次の磁気弾性法則を得る。 (M) = %(M)+ a, (M)on(14) +a22(M)o 22 + 21 2(M)o12ここで、V(M)は無応力状態での音速で、印加磁場による磁化の関数となっている。さらに、応力成分の係数(磁 気音弾性係数)もまた磁化の関数となっている。2.2 消磁状態の超音波速度(音弾性法) - 材料が消磁状態(M-0)あるいは非磁性体で、平面応 力の主軸方向が座標軸(直交異方性の軸)に一致してい る場合に,軸方向に伝播する超音波を考える。すなわち、 1=(0, 0, 1)のとき、A=(1, 0, 0)、A=(0, 1, 0)、A+(0, 0, 1)方 向に振動する波の音速は次のように表される。無応力、 消磁状態で材料は等方性であると仮定すると、V31 = 'suo + b on + b, 022-15132 = V320 + b on + bo22-10133 = ““230 + (or + 022)-17では、対称性から係数の対称性および、無応力状態- 218、の横波速度には 1310→V120 が成り立っている。これらの関係 式を音弾性法則、応力成分の各係数を音弾性係数という。2.3 音弾性法則と磁気音弾性法則による応力評価 の精度ここでは、強磁性材料に単軸応力 (140、022-0 が印加 されている場合に、縦波の音速を測定して応力を評価す ることを考える。すなわち、磁場を印加しないで音速 13 を測定して、音弾性法則から応力を求めると、次式となる。-18音速の測定にはさまざまな誤差や不確定性があり、それ を相対誤差 の程度と仮定すると、誤差を考慮した応力 の評価式は次のようになる。V33(土E) - V330 _ (1 - V「==IVE SY33 + c'33a1899/12/31-19上式から、音弾性効果による音速の相対的な変化率1-10/1(SS400 の場合は約 6000m/s に対して 10m/s程度なので、約 0.2%)より、音速の測定誤差率が小さい 場合に限って応力評価が有効であることが分かる。一方、 消磁状態および磁場を印加したときの音速差を測定する ことを考える。式(16)から V(0) = vo(0) + a, (0)cm(20) v(M) = /(M)+ a (M)oとなるので、磁気音響効果による音速変化は次のような 項の和となっている。(M) -V(0) = v%(M) -1% (0) + [a (M) - a, 0)]on上式から1-13301-20(M)-v(0) = %(M) - vo(0) + [a, (M) -a, (0)]or,(21) このとき、単軸応力は次のように評価できる。__(M) -vo(M)-[v(0) - vo(0)] 0n= 1 4 ,(M)-4(0)「中(M)-V(0)]-[v.(M) -v (0)] このとき、単軸応力は次のように評価できる。 __(M) - vo(M)-[v(0) - vo(0)]qu(M)-4,(0) _[(M)-v(0)]- [vo(M)-レ(0)]11a (M)-4,100) 音弾性効果の場合と同様に音速測定に誤差を含むと仮定 する。磁気音弾性の場合には、超音波探触子を接触させ た状態で消磁状態および磁場印加状態の音速変化を測定 することができるので、音弾性法に見られるような探触-23子の接触状態、温度、板厚などばらつきは磁場の印加前 と後では変化しないと考えてよい。したがって、音速測 定の誤差は、磁気音響効果による音速変化 MM-10)に対 する相対誤差として作用する。この相対誤差を : とする と、単軸応力の評価式は次式で表される。 __ [(M) - V(0)]- [vo(M) -v (0)]*--Q(M)-41(0) + e[V(M)-V(0)]a1(M)-, (0) = [1-(vo(M) -vo(0)/(v(M) -V(0))][(M)-v0)] ... [v(M)-(0)]an(M)-01(0) Q(M) - a (0) ここで、1-(o(^-(0)/(CM)-MO)は応力印加による相 対的な音速変化で、SS400 の場合には以降に示すように、 磁気音響効果による音速変化が数 m/s であるが、それが 応力によって変化する程度は 30%-50%である。一方、 音速計測装置はこの音速変化の応力による相対変化を計 測するのに十分な精度を有している。結局、強磁性材料 の場合には磁気音弾性効果を用いた応力測定の方が、定 量的な評価に対しては精度が高いということがいえる。 ただし、あらかじめ求めた磁気音弾性法則を適用するた めには、磁場の大きさや方向を一定にすることが必要で ある。3. 超音波伝播速度の測定 3.1 試験片 * 本研究の対象は一般構造用炭素鋼の SS400 鋼である。 そこで弾性域測定用、塑性域測定用、応力集中型と3種 類の寸法および形状の試験片を作成した。まず弾性域測 定法は Fig.1 に示すように JIZ22001 規格に準拠した形状 および寸法とした。なお、試験片は3本作成し、それぞ れの試験片名称を E8-20-1、E8-20-2、E8-20-3 と定めた。 次に、塑性域測定用試験片として Fig.2 に示す試験片 (P8-20 型試験片)を作成した。P8-20 型試験片では各試 験片において最大ひずみが 1.25%、2.50%、3.75%、5.00% となるように引張荷重を与えた後に除荷し、それぞれ 0.0111、0.0232、0.0353、0.0476 の残留ひずみを生じさせ た。最後に応力集中型試験片として、Fig.3 に示すように 測定範囲上において弾性域から塑性域に至るまでの傾斜 荷重を与えられるように、試験片中央部に応力集中部と なるU字ノッチを設けた D-3 型試験片を作成した。この試験片では、応力集中部中央における最大ひずみが 3.00%となるように引張荷重を与えた後に除荷し、2.84% の残留ひずみが生じている。30Fig.1 Test piece for elastic range measurement20さFig.2 Test piece for plastic range measurementFig.3 Test piece for stress concentration measurement3.2 超音波伝播速測定実験周期的磁場を印加した状態における試験片中の超音波 伝播速度をシングアラウンド式音速測定装置を用いて測 定した。なお弾性域測定の際の応力負荷方向は磁場印加 方向と同じ方向とした。実験装置の概略図をFig.4に示す。Tensile stressSpecimenPCUltrasonic transducerSing around unitTensile stressくあたたまれないおElectro magnet Fig.4 Experimental set-up for measuring of ultrasonicvelocity また縦波、振動方向が磁場印加方向に平行な横波、振動 方向が磁場印加方向に垂直な横波の3種類の超音波につ いて測定を行い、それぞれの速度を 33、V」、V32 とした。2194. 実験結果及び考察-- 前章で述べた実験方法によって、予め指定した弾性応 力下及び塑性変形下での磁気音響効果を測定し、その相 関を利用して中央部に塑性変形及び残留応力を有する試 験片の塑性変形の評価を試みる。ここで周期的磁場にお ける超音波伝播速度の最大値と最小値の差を磁気音響効 果による音速変化とし、負荷応力、残留ひずみ、測定位 置について整理したものを以下のFig.5、Fig.6、Fig.7、Fig.8、 Fig.9、Fig.10、Fig.11 に示す。応力集中型試験片での測定 の測定位置とは 0 を試験片中心とし、磁場印加方向に 13mm 間隔の位置での測定値である。4.1 弾性応力下での磁気音響効果 - Fig.5、Fig.6、Fig.7 より弾性域では負荷応力が大きくな るにつれて3種類の超音波すべてについて磁気音響効果 による音速変化が小さくなることがわかる。変化の割合 については2種類の横波は同程度で縦波よりも大きいこ とがわかる。また負荷応力ごとの超音波速度の変化の大 きさは 」、 132、 3の順であることがわかる。これらの 結果より、磁気音響効果による音速変化に対して、本実 験で採用した音速測定装置の精度は十分にあるので、応 力の非破壊評価に対して磁気音弾性法を適用することが 可能であると考えられる。4.2 塑性変形下での磁気音響効果 - Fig.8、Fig.9、Fig.10 より残留ひずみが大きくなると磁 気音響効果による音速変化は減少することが分かる。ま た弾性域での負荷応力 0MPa の値を残留ひずみが 0 の時 の音速変化とした場合、塑性変形を生じるといずれも磁 気音響効果による音速変化が減少することが分かる。4.3 応力集中型試験片の測定 1. 次にD-3型の試験片についてはFig.11 より 」に対して、 試験片中央部の測定ができなかった。これは塑性変形に 伴うすべり線が集中して、超音波の拡散や吸収が生じていることが原因のひとつとして考えられる。 1. 縦波の磁気音響効果による音速変化は、中央部周辺で 0.6m/s程度である。この値をFig.5 から応力に換算すると、 約 430MPa 程度の引張残留応力に相当し、これは SS400 の降伏応力を大きく上回っている。そこで塑性変形が生 じていると考えられる。塑性変形が生じた場合、Fg.8 か ら縦波の音速変化は 0.6m/s 程度減少することがわかる。この場合音速変化は0.9m/s程度となり、測定値とは0.3m/s 程度の差がある。そこでこの差は、この部分の引張の残 留応力による効果が残留ひずみの効果に相乗されている と考えると、結局中央部周辺では塑性変形が生じ、約 100MPa 程度の引張残留応力が生じていると考えられる。 また試験片中央部では試験片中央部周辺とは逆に音速変 化が 0.85m/s程度と上昇している。中央部でも塑性変形が 生じていると考えると Fig.8 の結果から 0.02 から 0.05 程 度の残留ひずみが生じていることが考えられる。次に2種類の横波の磁気音響効果による音速変化に注 目する。」、 の磁気音響効果による音速変化は、中央 部周辺でそれぞれ 1.95m/s、1.45m/s 程度である。この値 をFig.6、Fig.7 から応力に換算すると、共に約 180MPa程 度の引張残留応力に相当する。また vs の試験片中央部で の音速変化は中央部周辺とは逆に 1.9m/s と上昇している。 塑性変形が生じていると想定すると、Fig.10 から残留ひず みの大きさに応じて約 1.95~2.6m/s 程度の音速変化が生 じているはずである。この差は、この部分の圧縮の残留 応力による効果が残留ひずみの効果に相乗されていると 考えることができる。◆E8-20-1 DE8-20-2 AE8-20-3ultrasonic velocity change(m/s)109 -1 0 _ 20406080 100120140 160180 200stress(MPa)ultrasonic velocity change(m/s)91020406080 100120stress(MPa)1900/05/19Fig.5 V333.3OE8-20-1 0E8-20-2 AE8-20-3ultrasonic velocity change(m/s)10_20406080 100 120stress(MPa)14016018020020406080 100 120140stress(MPa)Fig.6 V31220OE8-20-1OV33DE8-20-2TEA -中32AE8-20-3-----100mmロンultrasonic velocity change(m/s)ultrasonic velocity change(m/s)10_20406016018020080 100 120140stress(MPa)-2.5-21.5-1-0. 50 _ position12:00:0011x2.5Fig.7 V32Fig.11 D-3ultrasonic velocity change(m/s)0.010.02 10.03residual strain0.040.05Fig.8 V33ustrasonic velocity change(m/s)2.60.010.020.031 residual strain00.040.050.05Fig.9 V31ziltrasonic velocity change(m/s)0.010.020.0450.03 residual strainFig. 10 V321899/05/235. 結言 - 塑性変形とそれに起因する残留応力を有する SS400 鋼 の磁気音響効果を測定し、以下の結論を得た。 1) 磁場による超音波伝播速度の変化(磁気音響効果)を用いることにより残留応力の非破壊評価が可能であることがわかった。 2) 塑性変形の増大により、2種類の横波の磁気音響効果は減少することが分かった。また縦波の磁気音響 効果は塑性変形を生じると大きく減少し、残留ひずみが大きくなるにつれて減少することが分かった。 3) 応力集中部を有する試験片での測定より、中央部に塑性変形が生じていることが推定できた。また中央 部では残留ひずみによる圧縮応力も加わっているこ とが分かった。 また今後の課題としては未知の塑性変形を評価するた めに、横波の音速変化の振動方向の依存性を利用して音 響異方性あるいは残留ひずみの主軸方向を決定し、多軸 応力による塑性変形や残留応力を評価することである。参考文献 [1] 山崎友裕、山本真史、平尾雅彦、“磁歪特性を利用した軟鋼の非破壊残留応力測定”、日本機会学会論文集、A編63(611)、1997、pp.1489-1494 [2] 戸田、瓜生、福岡、“音弾性によるボルト残留軸力評価”、日本機械学会材料力学部門講演会講演論文集、No.1992、1992、pp.666-667 [3] M.Namkung, D. Utrat, S.GAllison and J.S.Heyman,““Solid Mechanics Research for Quantitative Nondestructive Evaluation““, the ONR Symposium on Solid Mechanics Research for QNDE, 1985, pp.301-318(平成24年6月21日)“ “磁気弾性結合効果を利用した鉄鋼材料の塑性変形の非破壊評価“ “藤井 裕嗣,Hiroshi FUJII,木下 勝之,Katsuyuki KINOSHITA,安部 正高,Masataka ABE,松本 英治,Eiji MATSUMOTO
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