ウエルドオーバーレイ施工部に付与された各種人工欠陥の応答性評価
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カテゴリ: 第9回
1. はじめに
軽水型原子力発電所の配管に対する補修工法のひとつ として、ウエルドオーバーレイ(Weld Overlay: WOL)工法 がある。これはき裂が検出された配管に対して、外面側 に肉盛溶接を施工し、き裂の発生した配管(原配管)に代わ る強度部材とする補修工法である[1]。この工法は配管の 切断が不要で、交換用の部材を準備しておく必要がない などの長所があり、活用が期待されている。WOL部の検査は、強度部材である WOL溶接部の健全 性の確認と、原配管の外面側 25%厚さに相当する範囲を 監視範囲として、その部分にき裂の進展がないこと、き 裂がある場合には、その深さ(残存厚さ)および長さ(原配 管の外面側25%厚さを超える範囲を確認するものである (Fig.1)。 この WOL 部の検査は厚いステンレス鋼溶接部を 透過してき裂の先端を検出するという点において、難易 度の高い検査技術であるとされている。過去に行われた WOL 部の検査性に関する研究[2]にお いては、人工欠陥としてIGSCC を採用したが、これは一 般的なステンレス鋼突き合わせ溶接部の検査の場合に、 IGSCC のき裂先端は疲労き裂等と比べて検出が難しいとのデータがある[3]ためであり、これらのデータは WOL 部については整備されていない。このことは検査技術の 実証試験制度(Performance Demonstration:PD)[4] などで試 験体に付与する人工欠陥として何を選択すべきかとの判 断に必要である。
Length
WOLDepth25%dxCrack75%t \Crack.WOLさらさがすPipeOriginal Butt WeldFig. 1 Overview of Weld overlay Inspection339一方で、米国では WOL 部の PD 制度は既に発足してお り、EPRI(Electric Power Research Institute)は多数の WOL 試 験体を保有している。しかし、これらの試験体で欠陥に 対する超音波応答性が公表されたことはない。 1. 本研究ではこれらの課題に対して、実機模擬環境で付 与した IGSCCと、疲労き裂、および EPRI の試験体練習 用)について超音波応答性を比較、評価を行うものである [5]。2. 超音波応答性についての検討* WOL部の検査を行う場合に、き裂の検出および長さ測 定、深さ測定はそれぞれ、き裂の先端を正しく特定する ことである。超音波探傷において、き裂の先端を正しく 特定する上で重要な要素として、以下の3点が挙げられ 3(Fig.2). (1) き裂端部エコー(き裂先端からのエコー) (2) き裂面エコー(き裂の分岐や表面凹凸エコー) (3) B スコープ等の探傷画像 上記のうち(1)については、き裂端部エコーの強度が強 いほど、また SN 比が高いほど識別は容易である。(2)は き裂端部エコーと間違って認識される可能性がある強い き裂面エコーがない方がき裂端部エコーの選択が容易で あり、き裂端部エコーとき裂面エコーの比で傾向を確認 できる。 (3)はBスコープ等の画像表示で、顕著な差異が ないことが必要である。 本研究ではこれらの3点に着目して評価を行う。NAProbe(10.1/WOLPipeCrackFig.2 Ultrasonic Responses from WOL Sample3. 試験実施内容3.1 WOL 試験体の製作 1. 本研究で製作した WOL試験体の基本仕様を Table 1に 示す。これらの仕様は110万Kw級のBWR プラントの原 子炉再循環系配管の母管を想定したものである。また Table 2 に、付与した IGSCC および、IGSCC を起点とした疲労き裂などの欠陥種類および仕様を示す。 WOL部模 擬試験体の外観例を Fig.3 に示す。Fig.4 は製作した IGSCC の切断調査結果である。ここ で示すようにき裂の形状は、実機で確認されているよう なIGSCC[6][7]と類似しており、製作した IGSCC は実機 相当であると判断できる。Table 1 Specification of Test Specimen | Base Piping Outer Diameter 1609.6mm Base Piping Thickness35.0mm | Base Piping MaterialSUS 316 Base Piping Butt WeldSUS 316 (TIG) WOL Thickness22.9mm (min.) WOL length300mm WOL MaterialSUS 308 (TIG)Table 2 Crack SpecificationCrack Tip Location Crack TypeButt HAZ| WOLweld IGSCC15 IGSCC + Fatigue EDM + FatigueTotal-PipeWOLFig.3 Example of WOL Test SpecimenLitterhei_001WOLラッキーPipeIGSCC.高。しからFig.4 IGSCC Sample340,3.2 探傷方法本研究で探傷データを採取した探傷方法を Table 3 に 示す。探傷はフェーズドアレイ技術を用いて行い、当所 およびEPRI の手法でデータ採取を行った。Table 3 UT TechniqueTechnique1 | Technique2 |Phased Array UT | Phased Array UT Technique(Sector Scan) | (Sector Scan) Refracted-5°~50° 0°,45°,60°,70° Angle Frequency 2.0 MHz1.5MHz Matrix Array Matrix Array Probe(pitch/ catch) (pitch/catch) Focal Depth40mm/20mm 30mm/20mm (from OD) Performed by CRIEPIEPRI Note| 2Cracks only3.3 エコー高さの比較 (1) IGSCC の端部エコー強度今回製作した IGSCC について、各々上流側と下流 側の両方向から探傷を実施し、各々の端部エコー強度 についてまとめたものを Fig.5 に示す。ここで示すよ うに 5 つの IGSCC について探傷を行ったところ端部 エコー高さにかなり幅があることがわかる。また、同 じき裂でも探傷方向によって、端部エコー高さが大き く変化することが確認された。 これはき裂先端の形状 や向きに識別性が大きく依存していることを示している。(2) 各種き裂の端部エコーの比較各種き裂の端部エコーの平均値の比較を Fig.6 に示 す。ここで、き裂端部エコーのエコー高さが高い場合 は、き裂端部エコーの識別性は良好で、実証試験等を 行う場合には容易な試験体と考えられ、逆にき裂端部 エコーのエコー高さが低くノイズレベルに近い場合 は、識別性が低く、難度が高いと考えることができる。 Fig.6に示すようにIGSCCのき裂端部エコーに比べて、 IGSCCから進展させた疲労き裂き裂先端は疲労き裂) やEPRI の PDI 用試験体のき裂端部エコーは低く、ノ イズレベルと比較しても明瞭であるとは言えず、 IGSCC よりも比較的難度が高いと言える。 (3) 各種き裂のき裂面エコーの評価各種き裂のき裂面エコー高さに対する端部エコー 高さの平均値の比較を Fig.7 に示す。この比が小さいLooking DownLooking UpDepthのWOLPipeCrackLooking UP O Looking Down11Tip Echo height(%CRT)Average~TP1-3TP1-4TP1-5P1-6TP1-7IGSCC Crack No.Fig.5 IGSCC Tip echo heightTechnique 2 with correction rate (Adjusted Technique 1)Technique 1110)Crack Tip echo height (%CRT)Noise levelIGSCCEPRI BlockIGSCC +FatigueCrack Type(n):Number of data Fig.6 Average Tip echo height341場合には、同程度のエコー高さの端部エコーとき裂面 エコーを識別する技量が必要であり、難度が高いこと を示す。Fig.7 に示す通りに、IGSCC に比べて、他の 試験体は、この比が小さく、IGSCC よりも難度の高い 試験体であると言える。Technique 2............ -Technique 1-........Tip/Crack Face echo1899/12/20Technique 2....A . . .. - Techniquel..........1899/12/20IGSCCEPRI BlockIGSCC +FatigueCrack Type(n):Number of data Fig. 7 Tip / Face echo(4) B スコープの比較 各種き裂の B スコープの比較を Fig.8 に示す。ここで 示されるように、EPRI 試験体や疲労き裂試験体は IGSCC と比較して端部エコーの識別性は低く、試験体としての 難易度が高いことが確認できた。試験体であると言える。Technique 2A.... - Technique 1 . ......-10“??? ??? ??.p/dL ?.?IGSCCEPRI BlockIGSCC +Fatigue参考文献 [1] 経済産業省 原子力安全・保安院 :発電用原子力設備に関する技術基準を定める省令の解釈について(別記-13 ウェルド オーバーレイ工法の適用にあたって) 平成 23・09・09原院第 2号, 平成23年10月7日 [2] H. Chikahata, et al : Weld Overlay (WOL) UT Joint Study Result,Proceeding of 7th International Conference on NDE in Relation to Structural Integrity for Nuclear and Pressurized Components, 2009,p383-389 [3]独立行政法人 原子力安全基盤機構 :平成16年度 原子力施設検査技術実証事業に関する報告書(超音波探傷試験における 欠陥検出性及びサイジング精度の確認に関するもの) [総括版]平成17年4月, 05基材報-0001 [4] 社団法人 日本非破壊検査協会 : 日本非破壊検査協会規格「超音波探傷試験システムの性能実証における技術者の資格および認証NDIS 0603 : 2005),平成17年5月18日 [5] H. Shohji, et al : Comparison of Ultrasonic Responses fromIntergranular Stress Corrosion cracking (IGSCC) and Man-made Flaws in Weld Overlay (WOL) Samples , Proceeding of 9th International Conference on NDE in Relation to Structural Integrityfor Nuclear and Pressurized Components, 2012 [6] Jan Wale : Crack Characterization for In-service InspectionPlannning - An Updated, SKI Report 2006 : 24, May 2006 [7] 経済産業省 総合資源エネルギー調査会 原子力安全・保安部会 :再循環系配管の材料サンプル調査結果について,原子力 発電設備の健全性評価等に関する小委員会(第5回) 資料 参 考5-9(平成23年6月15 日)Crack Type(n):Number of data Fig. 7 Tip / Face echo(4) B スコープの比較 各種き裂の B スコープの比較を Fig.8 に示す。ここで 示されるように、EPRI 試験体や疲労き裂試験体は IGSCC と比較して端部エコーの識別性は低く、試験体としての 難易度が高いことが確認できた。4. まとめ今回製作した疲労き裂試験体および EPRI で製作した WOL 試験体は、今回製作した IGSCC 試験体と比較し て、超音波応答性は同程度か若干難易度が高く、PD試 験等で使用することは妥当であると評価できる。また、Crack TipコールですCrack TipCrack TipCrack SurfaceCrack SurfaceCrack SurfaceCrack rootCrack rootCrack root(a) EPRI Block(b) IGSCC+Fatigue(C) IGSCCFig.8 Sample of B-scan data謝辞1. 本研究は、EPRI NDE センターの多大なる協力によ 達説したものであり、ここに謝意を表する。342“ “ウエルドオーバーレイ施工部に付与された各種人工欠陥の応答性評価“ “東海林 一,Hajime SHOHJI,秀 耕一郎,Koichiro HIDE,渡辺 恵司,Keiji WATANABE
軽水型原子力発電所の配管に対する補修工法のひとつ として、ウエルドオーバーレイ(Weld Overlay: WOL)工法 がある。これはき裂が検出された配管に対して、外面側 に肉盛溶接を施工し、き裂の発生した配管(原配管)に代わ る強度部材とする補修工法である[1]。この工法は配管の 切断が不要で、交換用の部材を準備しておく必要がない などの長所があり、活用が期待されている。WOL部の検査は、強度部材である WOL溶接部の健全 性の確認と、原配管の外面側 25%厚さに相当する範囲を 監視範囲として、その部分にき裂の進展がないこと、き 裂がある場合には、その深さ(残存厚さ)および長さ(原配 管の外面側25%厚さを超える範囲を確認するものである (Fig.1)。 この WOL 部の検査は厚いステンレス鋼溶接部を 透過してき裂の先端を検出するという点において、難易 度の高い検査技術であるとされている。過去に行われた WOL 部の検査性に関する研究[2]にお いては、人工欠陥としてIGSCC を採用したが、これは一 般的なステンレス鋼突き合わせ溶接部の検査の場合に、 IGSCC のき裂先端は疲労き裂等と比べて検出が難しいとのデータがある[3]ためであり、これらのデータは WOL 部については整備されていない。このことは検査技術の 実証試験制度(Performance Demonstration:PD)[4] などで試 験体に付与する人工欠陥として何を選択すべきかとの判 断に必要である。
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WOLDepth25%dxCrack75%t \Crack.WOLさらさがすPipeOriginal Butt WeldFig. 1 Overview of Weld overlay Inspection339一方で、米国では WOL 部の PD 制度は既に発足してお り、EPRI(Electric Power Research Institute)は多数の WOL 試 験体を保有している。しかし、これらの試験体で欠陥に 対する超音波応答性が公表されたことはない。 1. 本研究ではこれらの課題に対して、実機模擬環境で付 与した IGSCCと、疲労き裂、および EPRI の試験体練習 用)について超音波応答性を比較、評価を行うものである [5]。2. 超音波応答性についての検討* WOL部の検査を行う場合に、き裂の検出および長さ測 定、深さ測定はそれぞれ、き裂の先端を正しく特定する ことである。超音波探傷において、き裂の先端を正しく 特定する上で重要な要素として、以下の3点が挙げられ 3(Fig.2). (1) き裂端部エコー(き裂先端からのエコー) (2) き裂面エコー(き裂の分岐や表面凹凸エコー) (3) B スコープ等の探傷画像 上記のうち(1)については、き裂端部エコーの強度が強 いほど、また SN 比が高いほど識別は容易である。(2)は き裂端部エコーと間違って認識される可能性がある強い き裂面エコーがない方がき裂端部エコーの選択が容易で あり、き裂端部エコーとき裂面エコーの比で傾向を確認 できる。 (3)はBスコープ等の画像表示で、顕著な差異が ないことが必要である。 本研究ではこれらの3点に着目して評価を行う。NAProbe(10.1/WOLPipeCrackFig.2 Ultrasonic Responses from WOL Sample3. 試験実施内容3.1 WOL 試験体の製作 1. 本研究で製作した WOL試験体の基本仕様を Table 1に 示す。これらの仕様は110万Kw級のBWR プラントの原 子炉再循環系配管の母管を想定したものである。また Table 2 に、付与した IGSCC および、IGSCC を起点とした疲労き裂などの欠陥種類および仕様を示す。 WOL部模 擬試験体の外観例を Fig.3 に示す。Fig.4 は製作した IGSCC の切断調査結果である。ここ で示すようにき裂の形状は、実機で確認されているよう なIGSCC[6][7]と類似しており、製作した IGSCC は実機 相当であると判断できる。Table 1 Specification of Test Specimen | Base Piping Outer Diameter 1609.6mm Base Piping Thickness35.0mm | Base Piping MaterialSUS 316 Base Piping Butt WeldSUS 316 (TIG) WOL Thickness22.9mm (min.) WOL length300mm WOL MaterialSUS 308 (TIG)Table 2 Crack SpecificationCrack Tip Location Crack TypeButt HAZ| WOLweld IGSCC15 IGSCC + Fatigue EDM + FatigueTotal-PipeWOLFig.3 Example of WOL Test SpecimenLitterhei_001WOLラッキーPipeIGSCC.高。しからFig.4 IGSCC Sample340,3.2 探傷方法本研究で探傷データを採取した探傷方法を Table 3 に 示す。探傷はフェーズドアレイ技術を用いて行い、当所 およびEPRI の手法でデータ採取を行った。Table 3 UT TechniqueTechnique1 | Technique2 |Phased Array UT | Phased Array UT Technique(Sector Scan) | (Sector Scan) Refracted-5°~50° 0°,45°,60°,70° Angle Frequency 2.0 MHz1.5MHz Matrix Array Matrix Array Probe(pitch/ catch) (pitch/catch) Focal Depth40mm/20mm 30mm/20mm (from OD) Performed by CRIEPIEPRI Note| 2Cracks only3.3 エコー高さの比較 (1) IGSCC の端部エコー強度今回製作した IGSCC について、各々上流側と下流 側の両方向から探傷を実施し、各々の端部エコー強度 についてまとめたものを Fig.5 に示す。ここで示すよ うに 5 つの IGSCC について探傷を行ったところ端部 エコー高さにかなり幅があることがわかる。また、同 じき裂でも探傷方向によって、端部エコー高さが大き く変化することが確認された。 これはき裂先端の形状 や向きに識別性が大きく依存していることを示している。(2) 各種き裂の端部エコーの比較各種き裂の端部エコーの平均値の比較を Fig.6 に示 す。ここで、き裂端部エコーのエコー高さが高い場合 は、き裂端部エコーの識別性は良好で、実証試験等を 行う場合には容易な試験体と考えられ、逆にき裂端部 エコーのエコー高さが低くノイズレベルに近い場合 は、識別性が低く、難度が高いと考えることができる。 Fig.6に示すようにIGSCCのき裂端部エコーに比べて、 IGSCCから進展させた疲労き裂き裂先端は疲労き裂) やEPRI の PDI 用試験体のき裂端部エコーは低く、ノ イズレベルと比較しても明瞭であるとは言えず、 IGSCC よりも比較的難度が高いと言える。 (3) 各種き裂のき裂面エコーの評価各種き裂のき裂面エコー高さに対する端部エコー 高さの平均値の比較を Fig.7 に示す。この比が小さいLooking DownLooking UpDepthのWOLPipeCrackLooking UP O Looking Down11Tip Echo height(%CRT)Average~TP1-3TP1-4TP1-5P1-6TP1-7IGSCC Crack No.Fig.5 IGSCC Tip echo heightTechnique 2 with correction rate (Adjusted Technique 1)Technique 1110)Crack Tip echo height (%CRT)Noise levelIGSCCEPRI BlockIGSCC +FatigueCrack Type(n):Number of data Fig.6 Average Tip echo height341場合には、同程度のエコー高さの端部エコーとき裂面 エコーを識別する技量が必要であり、難度が高いこと を示す。Fig.7 に示す通りに、IGSCC に比べて、他の 試験体は、この比が小さく、IGSCC よりも難度の高い 試験体であると言える。Technique 2............ -Technique 1-........Tip/Crack Face echo1899/12/20Technique 2....A . . .. - Techniquel..........1899/12/20IGSCCEPRI BlockIGSCC +FatigueCrack Type(n):Number of data Fig. 7 Tip / Face echo(4) B スコープの比較 各種き裂の B スコープの比較を Fig.8 に示す。ここで 示されるように、EPRI 試験体や疲労き裂試験体は IGSCC と比較して端部エコーの識別性は低く、試験体としての 難易度が高いことが確認できた。試験体であると言える。Technique 2A.... - Technique 1 . ......-10“??? ??? ??.p/dL ?.?IGSCCEPRI BlockIGSCC +Fatigue参考文献 [1] 経済産業省 原子力安全・保安院 :発電用原子力設備に関する技術基準を定める省令の解釈について(別記-13 ウェルド オーバーレイ工法の適用にあたって) 平成 23・09・09原院第 2号, 平成23年10月7日 [2] H. Chikahata, et al : Weld Overlay (WOL) UT Joint Study Result,Proceeding of 7th International Conference on NDE in Relation to Structural Integrity for Nuclear and Pressurized Components, 2009,p383-389 [3]独立行政法人 原子力安全基盤機構 :平成16年度 原子力施設検査技術実証事業に関する報告書(超音波探傷試験における 欠陥検出性及びサイジング精度の確認に関するもの) [総括版]平成17年4月, 05基材報-0001 [4] 社団法人 日本非破壊検査協会 : 日本非破壊検査協会規格「超音波探傷試験システムの性能実証における技術者の資格および認証NDIS 0603 : 2005),平成17年5月18日 [5] H. Shohji, et al : Comparison of Ultrasonic Responses fromIntergranular Stress Corrosion cracking (IGSCC) and Man-made Flaws in Weld Overlay (WOL) Samples , Proceeding of 9th International Conference on NDE in Relation to Structural Integrityfor Nuclear and Pressurized Components, 2012 [6] Jan Wale : Crack Characterization for In-service InspectionPlannning - An Updated, SKI Report 2006 : 24, May 2006 [7] 経済産業省 総合資源エネルギー調査会 原子力安全・保安部会 :再循環系配管の材料サンプル調査結果について,原子力 発電設備の健全性評価等に関する小委員会(第5回) 資料 参 考5-9(平成23年6月15 日)Crack Type(n):Number of data Fig. 7 Tip / Face echo(4) B スコープの比較 各種き裂の B スコープの比較を Fig.8 に示す。ここで 示されるように、EPRI 試験体や疲労き裂試験体は IGSCC と比較して端部エコーの識別性は低く、試験体としての 難易度が高いことが確認できた。4. まとめ今回製作した疲労き裂試験体および EPRI で製作した WOL 試験体は、今回製作した IGSCC 試験体と比較し て、超音波応答性は同程度か若干難易度が高く、PD試 験等で使用することは妥当であると評価できる。また、Crack TipコールですCrack TipCrack TipCrack SurfaceCrack SurfaceCrack SurfaceCrack rootCrack rootCrack root(a) EPRI Block(b) IGSCC+Fatigue(C) IGSCCFig.8 Sample of B-scan data謝辞1. 本研究は、EPRI NDE センターの多大なる協力によ 達説したものであり、ここに謝意を表する。342“ “ウエルドオーバーレイ施工部に付与された各種人工欠陥の応答性評価“ “東海林 一,Hajime SHOHJI,秀 耕一郎,Koichiro HIDE,渡辺 恵司,Keiji WATANABE