ポアソン分布を用いた SCC 発生・進展の試算
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カテゴリ: 第9回
1. 緒言
- 応力腐食割れ (SCC)は古くて新しい課題であり、 SCC 発生や進展に関連するメカニズムの研究が現在で も多い。本報告では、メカニズムに立ち入らずに、SCC 発現報告を検討のベースとしてその特徴を整理し、メ カニズムごとに分類した SCC のうち IASCC について 割れ進展による破損の生起確率を算出した。
2.割れ発生時間の可能性計算
応力腐食割れ(Stress Corrosion Crack:SCC)は、そ の発生および進展過程が確率過程であることから、定 量的評価に当たっては確率論的なアプローチも必要で ある。SCC 割れ発生過程の観察例として,250°C高純度 水環境の隙間付き曲げ試験(CBB 試験)における鋭敏 化 Type304 鋼のSCC 深さ分布の最頻値の試験時間依存 性を図1に示す[1]。試験時間の比較的初期から形成さ れる深さ 50μm 以下の微小割れは非進展性であって、 近接して生じた他の微小割れと合体することで、定常 進展割れとして進展を開始する。このような挙動は同 じ環境の普通鋼、Alloy600系Ni基ステンレス合金から、 30~80°Cの中性塩化物水溶液環境あるいは湿潤大気環 境における鋭敏化 Type304 鋼まで、幅広い材料および 環境下で観察される。ポアソン確率過程に従う事象が時間間隔t の間に m 回起こる確率 p(m) は次式で与えられる。non = [(au/ap(-x) [m=01.2....... (0)100 200300 1. 5日鋭敏化Type304CBB試験データ発生進展 |愛大き裂深さ,、mmda/dt = 2.01 ×102m/s20200.5 t,Ms図1 SCC き裂深さの試験時間依存性の例[1]図1パラメータ)はこの事象の生起速度であり、ここでは 割れ発生率を表す。時間を = 1 一定とすると式(1)は[ m = 0,1,2,........ (2)p(m) = [ / exp(-) [m = 0,1,2,...]...... (2)となり、式(2)は単位時間当たりに m 個の割れが発生 する確率を表す。 ---式(2) に標本個数 n を乗ずると、m 個の割れが発生 する標本数、すなわち度数分布を表すことになる。 250°C高純度水環境の隙間付き曲げ試験(CBB 試験) における鋭敏化 Type304 鋼のSCCについて臨界深さ 50 umを超える定常進展割れの度数分布に式(2)のポアソ ン分布を当てはめた結果を図2に示す[1, 2], 200 um を 超える定常進展割れの度数分布に当てはめた結果を図 3 に示す[2]。このように割れ発生数の分布がポアソン 分布で近似できることから,割れ発生数の時間的分布 もポアソン確率過程で近似できると考えられる。964Poisson.)2.317T. Type304 CBB datal図2 ポアソン分布の当てはめ例1 (a > 50um の定常進展割れの度数分布、[1, 2]...- Poisson, 13 1:40nType 304, CBB data2m図3 ポアソン分布の当てはめ例2 * (a >200um の定常進展割れの度数分布、[2])3. 軽水炉データの分類と分布のあてはめ原子力施設公開ライブラリー (NUCIA) [3] では国 内軽水炉の事故事例をデータベース化し公開している。 NUCIA データベースから 2009 年末までに報告された 国内軽水炉の SCC のデータを抽出し、運転開始年月、 割れ発見年月、割れ発見までの運転時間 t day= 割れ 発見年月-運転開始年月、炉型式、材質、損傷部位、 損傷モード、損傷要因、損傷状況をとりまとめた。と りまとめに当たっては日本機械学会で発行している SCC の事例規格[4]を参照し,事例規格に採用されてい るケース、対象外とされた IASCC のケース、事例規格 に記載がないが同様と認められるSCCのケースを抽出 した。これらの SCC データを,事例規格および最新の SCC 研究成果を参考に以下の5種類に分類した。 - 分類1;SUSSCC(ステンレス鋼に特有な SCC環境、 加工ひずみ・残留応力、運転応力が主要因で発生した SCC)。割れの起点および進展経路とも結晶粒界でありIGSCC の形態となる。PWR の SG 細管のU ベンド曲げ 加工部に発生した事例が多い。BWR の再循環系配管の 突合せ溶接部に発生した事例も見られる。 1 分類2;SUSSCC(ステンレス鋼に特有な SCC環境、 加工ひずみ・残留応力が主要因で発生した SCC)。 加工 ひずみ・残留応力の大きい表面が割れの起点となり、 初期は結晶粒内を進展し (TGSCC)、内部に向かって進 展が進むと粒界進展型 (IGSCC) に移行する。BWR炉 心シュラウド溶接部に発生例が多い。 - 分類3;PWSCC。Ni合金に特有な SCC 環境、加工 ひずみ・残留応力が主要因で発生した割れ。 PWR の一 次冷却水環境下で、Ni 系合金 600 の SG 細管、SG 入口 管台の肉盛部および突合せ溶接部に発生例が多く、 PWSCC あるいは NiSCC と呼ばれるようになった。割 れの起点および進展経路とも結晶粒界であり IGSCC の形態となる。 -- 分類4; IASCC。SUS 系材料、SCC環境、加工ひず み・残留応力、中性子照射により誘起された割れ。割 れの起点および進展経路とも結晶粒界である IGSCC の形態となる。BWR の SUS316L 材質の制御棒駆動部 に発生例が多い。 -- 分類5; ESCC。海水付着部、ビニールテープ貼り付 け部など、塩化物による腐食環境、表面傷、表面加工 ひずみ・残留応力などの重量で割れが発生し進展する。 粒内型 TGSCC の形態となる。vel. IGSCC・TG → 16 **A- PWSCCASCC-*-ESCC総数15 |SteenパーPA1報告年度 図4 報告件数の推移図4に SCC割れ報告件数の年度別の推移を示す。報 告総数を見ると、2002-2003 年度に分類 2 (TG → IG) 及び分類1 (IGSCC)に起因する山が、2007-2008年度に 分類 3 (PWSCC)に起因する山が見受けられる。 「国内軽水炉のSCC割れ報告データをこれら5種類に 分類し、運転時間区間(5~10 年、10~15 年、15~20 年、20~25 年、25~30 年、30~35 年、35~40 年)の 報告件数を度数分布として整理した結果を表1に示す。 運転時間 5年未満のデータはなかったので、潜伏期間 を5年と仮定する。表1 国内軽水炉の SCC 割れの分類報告 発見されるまでの運転時間(year) 番号 分類1件数15|10|15|20|25|30|35|40 SUSSCO(IG) | 37 |0 |1 6 |13| 6||3|1 SUSSCC(TG,TG--IG) 23 1515112011 3 IPWSCC(IG.Ni基合金)」 2410|11|618141IASCC(IG,BWR) | 10 |0|0|1|610 | 2 ESCC(TG) |14|0 1 |0|11715|0| 合計 108 | 0 18 | 13 | 38 | 21 | 19 17単位時間区間幅5年毎の割れ発生報告件数をプロッ トした結果を図 5.1(軽水炉全体)、図 5.2(分類 2)、 図 5.3(分類 4))に示す。これらの図にはポアソン分 布式(2)を、時間区間番号 m + 1% 1, 2 ...7 内での割 れ発生確率とみなして報告件数を計算した結果を示し た。本分類整理で得た国内軽水炉の SCC割れ報告件数 のポアソン分布のパラメータ 2 を、文献[1、2]に記載さ れた CBB 試験片一個あたりの定常進展割れの度数分 布の事例と比較して表2に示す。分類 1 から分類 5 で は 2 は 1.5 ~ 3.2 の範囲であり、全体平均で 2 = 2.4 となった。これは文献[1、2]の例(2 = 2.317 および== 1.4)と同じレベルにある。%3D2.412.4110120 29 30 35 C発見されるまでの運転時間(yoar) 図 5.1 国内軽水炉 SCC 割れ発生時間のポアソン分布あてはめ(全データ)図5.1Homenson1 15U SUSSCC(TG)15 10 10:30 30春日されるまでの運転時間 10mar)10 10530ha発見されるまでの遅れ時間(year)図 5.2同(分類 2)%3D20] O JASOC(IG.BWR)10153514a20 25 30 発見されるまでの運転時間(year)図5.3(分類4)JASOC(IG.BWR)1510 152015 (303574a 発見されるまでの運転時間(year)同図 5.3(分類4)表2 ポアソン分布の当てはめ結果 分類総数 | 入備考 国内聲水炉全体 | 108 | 2.41 国内軽水炉SUS,IG 37 2.5 「潜伏期間を5年として,以後の5 国内軽水炉SUS,TG1.5 7年区間毎の割れ報告件数の度 国内軽水炉NISCC24 3.2 「数分布にポアソン分布を当ては 国内軽水炉IASCC10 2.0めた場合、 国内軽水炉ESCC3.1 鋭敏化3049CBB試験 60 12.317 |a>50μmの割れ個数 L鋭敏化3049CBB試験 | 60 | 14 >200 μmの割れ個数-2315144. 照射誘起割れの進展可能性計算軽水炉の炉内構造物は中性子照射環境にあるため、 照射条件、材質、環境に応じて、照射誘起割れの発生 および進展が生じる(IASCC)。ここでは材質 SUS316L、 板厚 T =0.1 m の部材を想定して、定常進展割れ発生 確率および割れ進展速度定数を確率分布で与えた進展 計算を行い、破損確率を算出する。IASCCにより深さa = 50 μmの定常進展割れの発 生する累積確率が、国内軽水炉の IASCC 割れ報告デー タを参考にして、潜伏期間が5年、以後5年毎の時間 区間の発生確率がポアソン分布 式(2) で 2 =2.0 と与 えられた場合とする。ここで最初の時間区間(5~10 年)を m=0 とし、以後 m=1、2、...10 とする。定常 進展割れの累積発生確率を図6に示す。本報では運転C981期間 60 年を時間幅 At =2.5 年の 24 区間に分割し(; =1, 24), 各区間の開始時間 t =32.5×(j-1)を割れ発 生時間として、以後の定常割れ進展を計算し、割れ深 さa=0.8 T に達した時点を破損とみなすこととする。 時間区間 ji(t;
- 応力腐食割れ (SCC)は古くて新しい課題であり、 SCC 発生や進展に関連するメカニズムの研究が現在で も多い。本報告では、メカニズムに立ち入らずに、SCC 発現報告を検討のベースとしてその特徴を整理し、メ カニズムごとに分類した SCC のうち IASCC について 割れ進展による破損の生起確率を算出した。
2.割れ発生時間の可能性計算
応力腐食割れ(Stress Corrosion Crack:SCC)は、そ の発生および進展過程が確率過程であることから、定 量的評価に当たっては確率論的なアプローチも必要で ある。SCC 割れ発生過程の観察例として,250°C高純度 水環境の隙間付き曲げ試験(CBB 試験)における鋭敏 化 Type304 鋼のSCC 深さ分布の最頻値の試験時間依存 性を図1に示す[1]。試験時間の比較的初期から形成さ れる深さ 50μm 以下の微小割れは非進展性であって、 近接して生じた他の微小割れと合体することで、定常 進展割れとして進展を開始する。このような挙動は同 じ環境の普通鋼、Alloy600系Ni基ステンレス合金から、 30~80°Cの中性塩化物水溶液環境あるいは湿潤大気環 境における鋭敏化 Type304 鋼まで、幅広い材料および 環境下で観察される。ポアソン確率過程に従う事象が時間間隔t の間に m 回起こる確率 p(m) は次式で与えられる。non = [(au/ap(-x) [m=01.2....... (0)100 200300 1. 5日鋭敏化Type304CBB試験データ発生進展 |愛大き裂深さ,、mmda/dt = 2.01 ×102m/s20200.5 t,Ms図1 SCC き裂深さの試験時間依存性の例[1]図1パラメータ)はこの事象の生起速度であり、ここでは 割れ発生率を表す。時間を = 1 一定とすると式(1)は[ m = 0,1,2,........ (2)p(m) = [ / exp(-) [m = 0,1,2,...]...... (2)となり、式(2)は単位時間当たりに m 個の割れが発生 する確率を表す。 ---式(2) に標本個数 n を乗ずると、m 個の割れが発生 する標本数、すなわち度数分布を表すことになる。 250°C高純度水環境の隙間付き曲げ試験(CBB 試験) における鋭敏化 Type304 鋼のSCCについて臨界深さ 50 umを超える定常進展割れの度数分布に式(2)のポアソ ン分布を当てはめた結果を図2に示す[1, 2], 200 um を 超える定常進展割れの度数分布に当てはめた結果を図 3 に示す[2]。このように割れ発生数の分布がポアソン 分布で近似できることから,割れ発生数の時間的分布 もポアソン確率過程で近似できると考えられる。964Poisson.)2.317T. Type304 CBB datal図2 ポアソン分布の当てはめ例1 (a > 50um の定常進展割れの度数分布、[1, 2]...- Poisson, 13 1:40nType 304, CBB data2m図3 ポアソン分布の当てはめ例2 * (a >200um の定常進展割れの度数分布、[2])3. 軽水炉データの分類と分布のあてはめ原子力施設公開ライブラリー (NUCIA) [3] では国 内軽水炉の事故事例をデータベース化し公開している。 NUCIA データベースから 2009 年末までに報告された 国内軽水炉の SCC のデータを抽出し、運転開始年月、 割れ発見年月、割れ発見までの運転時間 t day= 割れ 発見年月-運転開始年月、炉型式、材質、損傷部位、 損傷モード、損傷要因、損傷状況をとりまとめた。と りまとめに当たっては日本機械学会で発行している SCC の事例規格[4]を参照し,事例規格に採用されてい るケース、対象外とされた IASCC のケース、事例規格 に記載がないが同様と認められるSCCのケースを抽出 した。これらの SCC データを,事例規格および最新の SCC 研究成果を参考に以下の5種類に分類した。 - 分類1;SUSSCC(ステンレス鋼に特有な SCC環境、 加工ひずみ・残留応力、運転応力が主要因で発生した SCC)。割れの起点および進展経路とも結晶粒界でありIGSCC の形態となる。PWR の SG 細管のU ベンド曲げ 加工部に発生した事例が多い。BWR の再循環系配管の 突合せ溶接部に発生した事例も見られる。 1 分類2;SUSSCC(ステンレス鋼に特有な SCC環境、 加工ひずみ・残留応力が主要因で発生した SCC)。 加工 ひずみ・残留応力の大きい表面が割れの起点となり、 初期は結晶粒内を進展し (TGSCC)、内部に向かって進 展が進むと粒界進展型 (IGSCC) に移行する。BWR炉 心シュラウド溶接部に発生例が多い。 - 分類3;PWSCC。Ni合金に特有な SCC 環境、加工 ひずみ・残留応力が主要因で発生した割れ。 PWR の一 次冷却水環境下で、Ni 系合金 600 の SG 細管、SG 入口 管台の肉盛部および突合せ溶接部に発生例が多く、 PWSCC あるいは NiSCC と呼ばれるようになった。割 れの起点および進展経路とも結晶粒界であり IGSCC の形態となる。 -- 分類4; IASCC。SUS 系材料、SCC環境、加工ひず み・残留応力、中性子照射により誘起された割れ。割 れの起点および進展経路とも結晶粒界である IGSCC の形態となる。BWR の SUS316L 材質の制御棒駆動部 に発生例が多い。 -- 分類5; ESCC。海水付着部、ビニールテープ貼り付 け部など、塩化物による腐食環境、表面傷、表面加工 ひずみ・残留応力などの重量で割れが発生し進展する。 粒内型 TGSCC の形態となる。vel. IGSCC・TG → 16 **A- PWSCCASCC-*-ESCC総数15 |SteenパーPA1報告年度 図4 報告件数の推移図4に SCC割れ報告件数の年度別の推移を示す。報 告総数を見ると、2002-2003 年度に分類 2 (TG → IG) 及び分類1 (IGSCC)に起因する山が、2007-2008年度に 分類 3 (PWSCC)に起因する山が見受けられる。 「国内軽水炉のSCC割れ報告データをこれら5種類に 分類し、運転時間区間(5~10 年、10~15 年、15~20 年、20~25 年、25~30 年、30~35 年、35~40 年)の 報告件数を度数分布として整理した結果を表1に示す。 運転時間 5年未満のデータはなかったので、潜伏期間 を5年と仮定する。表1 国内軽水炉の SCC 割れの分類報告 発見されるまでの運転時間(year) 番号 分類1件数15|10|15|20|25|30|35|40 SUSSCO(IG) | 37 |0 |1 6 |13| 6||3|1 SUSSCC(TG,TG--IG) 23 1515112011 3 IPWSCC(IG.Ni基合金)」 2410|11|618141IASCC(IG,BWR) | 10 |0|0|1|610 | 2 ESCC(TG) |14|0 1 |0|11715|0| 合計 108 | 0 18 | 13 | 38 | 21 | 19 17単位時間区間幅5年毎の割れ発生報告件数をプロッ トした結果を図 5.1(軽水炉全体)、図 5.2(分類 2)、 図 5.3(分類 4))に示す。これらの図にはポアソン分 布式(2)を、時間区間番号 m + 1% 1, 2 ...7 内での割 れ発生確率とみなして報告件数を計算した結果を示し た。本分類整理で得た国内軽水炉の SCC割れ報告件数 のポアソン分布のパラメータ 2 を、文献[1、2]に記載さ れた CBB 試験片一個あたりの定常進展割れの度数分 布の事例と比較して表2に示す。分類 1 から分類 5 で は 2 は 1.5 ~ 3.2 の範囲であり、全体平均で 2 = 2.4 となった。これは文献[1、2]の例(2 = 2.317 および== 1.4)と同じレベルにある。%3D2.412.4110120 29 30 35 C発見されるまでの運転時間(yoar) 図 5.1 国内軽水炉 SCC 割れ発生時間のポアソン分布あてはめ(全データ)図5.1Homenson1 15U SUSSCC(TG)15 10 10:30 30春日されるまでの運転時間 10mar)10 10530ha発見されるまでの遅れ時間(year)図 5.2同(分類 2)%3D20] O JASOC(IG.BWR)10153514a20 25 30 発見されるまでの運転時間(year)図5.3(分類4)JASOC(IG.BWR)1510 152015 (303574a 発見されるまでの運転時間(year)同図 5.3(分類4)表2 ポアソン分布の当てはめ結果 分類総数 | 入備考 国内聲水炉全体 | 108 | 2.41 国内軽水炉SUS,IG 37 2.5 「潜伏期間を5年として,以後の5 国内軽水炉SUS,TG1.5 7年区間毎の割れ報告件数の度 国内軽水炉NISCC24 3.2 「数分布にポアソン分布を当ては 国内軽水炉IASCC10 2.0めた場合、 国内軽水炉ESCC3.1 鋭敏化3049CBB試験 60 12.317 |a>50μmの割れ個数 L鋭敏化3049CBB試験 | 60 | 14 >200 μmの割れ個数-2315144. 照射誘起割れの進展可能性計算軽水炉の炉内構造物は中性子照射環境にあるため、 照射条件、材質、環境に応じて、照射誘起割れの発生 および進展が生じる(IASCC)。ここでは材質 SUS316L、 板厚 T =0.1 m の部材を想定して、定常進展割れ発生 確率および割れ進展速度定数を確率分布で与えた進展 計算を行い、破損確率を算出する。IASCCにより深さa = 50 μmの定常進展割れの発 生する累積確率が、国内軽水炉の IASCC 割れ報告デー タを参考にして、潜伏期間が5年、以後5年毎の時間 区間の発生確率がポアソン分布 式(2) で 2 =2.0 と与 えられた場合とする。ここで最初の時間区間(5~10 年)を m=0 とし、以後 m=1、2、...10 とする。定常 進展割れの累積発生確率を図6に示す。本報では運転C981期間 60 年を時間幅 At =2.5 年の 24 区間に分割し(; =1, 24), 各区間の開始時間 t =32.5×(j-1)を割れ発 生時間として、以後の定常割れ進展を計算し、割れ深 さa=0.8 T に達した時点を破損とみなすこととする。 時間区間 ji(t;