特集記事「原子燃料サイクル」(1)「原子燃料サイクルの特集にあたって」

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特集記事「原子燃料サイクル」(1)「原子燃料サイクルの特集にあたって」

日本保全学会第 16回学術講演会は、 2019年7月24日(水) ~26日(金)の 3日間、青森市にて開催されました。開催報告の詳細は、「保全学」 2019年 9月号に掲載されておりますが、今回の学術講演会を成功裡に開催できましたことにつきまして、現地実行委員長として、講演された皆様、参加された
皆様、後援頂きました多くの皆様に深く感謝申しあげます。今回の学術講演会が青森県および我が国の原子力施設の前進に寄与することを願ってやみません。さて、原子燃料サイクルは言うまでもなく、わが国の将来のエネルギーの確保と資源の有効利用および地球温暖化対策を担う極めて重要な存在であります。原子燃料サイクルの中核である六ヶ所再処理施設については、現在、新規制基準適合性審査の大詰めを迎えており、しゅん工に向けて様々
な取組みが行われていることから、この取組みについて本稿で紹介します。
(1)六ヶ所再処理施設の現状について
原子燃料サイクルの要となる六ヶ所再処理工場は、新規制基準に係る安全審査の終盤を迎えており、操業開始を目指して、安全性向上対策工事等に取り組んでいます。本稿では、現在の再処理事業等をとりまく状況について紹介します。

(2)世界の再処理工場
2019年現在、原子力発電所で発生した使用済燃料の再処理を自国内で実施している国は、日本(六ヶ所再処理建設中)、フランス、英国(2020年までマグノック燃料処理)、ロシア、インド、中国の 6カ国です。本稿では、現在の海外再処理の現状について紹介します。
(3)日本原燃における是正処置プログラム(CAP)の現状について
当社では、安全性を向上させるための活動として、是正処置プログラム( CAP)の導入を 2018年度より進めており、本稿では、新検査制度に基づく活動の柱の一つでもある CAPシステムへの取組みについて紹介します。

(4)六ヶ所再処理施設の新規制基準に係る適合性審査の概要
六ヶ所再処理施設では、新規制基準に係る適合性審査において、施設の安全性向上を目的に、火災、竜巻、火山、溢水等への対策を追加するとともに、重大事故に対して発生防止、拡大防止および放出防止対策を追加しています。本稿では、これらの対策の概要を紹介します。
(5)蒸発乾固進展時の挙動及び重大事故等対処設備の設計条件
蒸発乾固は、放射性物質を大量に含む溶液の崩壊熱を除去する冷却機能の喪失により発生する再処理施設特有の重大事故事象の一つです。本稿では、蒸発乾固現象を整理し、対策の概要を紹介します。

(6) 
埋込金物に対する AEセンサを用いた打音検査の効率化
に向けた取組み
2015年に確認された埋込金物の施工不良への対応として、健全性確認手法の開発を進めている AEによる打音検査の有効性について紹介します。

(7) 
水中のステンレス製構造物に対する高信頼度の水中レー
ザ溶接保全工法の開発
使用済燃料貯蔵プールの内面に施工されたステンレス鋼製内張り(ライニングプレート)に対して、恒久的な保全工法の開発を進めている高信頼度の水中レーザ溶接保全工法について紹介します。

(8)電磁誘導法による肉厚測定技術の開発
厳しい腐食環境下にある二重缶構造容器への電磁誘導法を活用した遠隔による容器内部の肉厚測定技術の研究開発の取組みについて紹介します。
(2019年 11月 26日)
著者紹介 

著者:石原 準一所属:日本原燃株式会社専門分野:原子力安全、
原子力燃料サイクル、地域共生
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