保全テンプレートのあり方検討

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カテゴリ: 第16回
保全テンプレートのあり方検討 Discussion for Role of the Maintenance Template in Japan 中部電力掬 鈴木直浩 Naohiro SUZUKI Member 中部電力掬 森山泰之 Yasuyuki MORIYAMA Maintenance engineers are optimizing the maintenance of maintenance target equipment in the activities of Preventive Maintenance Optimization (PMO). This optimization activity needs to be reviewed on the basis of the previous operation and maintenance experience, and there is a "maintenance template" as a tool that can assist it appropriately and efficiently. We have discussed the utilization of maintenance templates in Japan as an important tool to show the optimization of maintenance, and the way of its use, and we have also been active for the purpose of providing explanations for future maintenance engineer development. Since it is possible to optimize preventive maintenance by promoting the use of the maintenance template, it is necessary to promote the understanding of the person in charge of maintenance about its merits and importance. Also, we have discussed the way based on the actual conditions of templates in Japan and abroad. In the future, we will promote efforts to deepen the understanding of maintenance personnel, based on the ideal template. Keywords: PM Template, Preventive Maintenance Optimization (PMO), Maintenance Strategy 1 予防保全最適化にかかる検討 保全技術者は、予防保全最適化(PMO)の活動の中で保全対象機器の保全の最適化を行っている。この最適化活動は、それまでの運転保守経験を踏まえて常に見直しが 要であり、それらを適 に効 的に できる ールとして、「保全テンプレート」というものがある。 本検討では、保全の最適化を図るために重要な ールとして保全テンプレートの国内での活用、そのあり方について議論するとともに、加えて今後の保全技術者育成等とした解説の提供を目的として活動してきた。 2 保全テンプレート 「保全テンプレート」と呼ばれるものは、元は米国の航空業界にて開発された信頼性重視保全(RCM)手法の検討の中で開発、利用されてきているものであり、保全 リソースの集中化、不 要な保全の排除、費用対効果の考慮等を目的として活用される。 連絡先:鈴木直浩、〒461-8680 名古屋市東区東新町1 中部電力(株) 原子力部 運営グループ、 E-mail: Suzuki.Naohiro@chuden.co.jp 通常、個々のテンプレートは機器の種類(縦型ポンプ、横型ポンプ等)別に作成される。これは、機器毎に劣化傾向が類似しており、有効な保全タスクがまとめられる範囲でのカテゴリ化がなされている。このため、保全テンプレートの作成に たっては劣化 カ の が重要であり、判明している劣化 カ に合わせた保全に注力するように保全タスクを一般化していく。 また、記載されている保全周期については重要度、使用頻度別でそれぞれ異なる値が設定される。 通常自プラント独自の保全テンプレートが作成されるが、このテンプレートは一旦作成されて終わるものではなく、機器専門家同士の議論や自プラントや他プラン トの運転保守経験を踏まえて見直しが行われる。 3 テンプレートの利用 作成された保全テンプレートはプラントの保全計画を作成する際の下敷きとなる。保全対象がどの機器分類となるか選定するとともに、その保全対象の重要度やどの ような環境で運転しているかを考慮して、テンプレートに記載されている保全タスク、頻度を適用する。 ただし、あくまでテンプレートは下敷きであるため、 保全技術者は個別の劣化傾向等がある場合などはこれに依らず柔軟に保全タスクをカスタマイ して利用する。カスタマイ された保全タスクは保全計画として正式に保全戦略化され、これに基づいて保全が実施されるこ ととなる。 その後、点検結果や運転経験等を踏まえて 要に応じて保全計画または、一般的な事項であれば保全テンプレートの見直しが行われる。 4 保全テンプレートの利点 前述のとおり、保全テンプレートは個々の機器の保全計画の1 つひとつ検討して作成するのではなく、ある一定のグループ内機器に共通の保全テンプレートを適用する。このため、個々の機器毎に保全計画を検討する 要がなくなり、保全技術者のリソース面で相 の リットが期待でき、重要案件に技術者のリソースを充てることが可能となる。 また、テンプレートを標準として保全計画を策定するので、担 する保全技術者に依存しにくく、ばらつきの少ない適 な保全計画が迅速容易に作成できる。 また、保全テンプレートはいったん作成されたら変更できないものではなく、自他プラントの運転保守経験やノウハウを随時取り入れてその内容が見直され高度化されることから、保全テンプレートはその保全組織の実力やレベルを図るバロ ーターとなりえるものでもある。5 今後の検討と理解促進 前述の通り、保全テンプレートの利用を進めることに より予防保全の最適化が図れることが期待できること、保全技術者のリソース上の リットが期待できること等から、その リット、重要性について事業者等の保全担 者の理解を促進させていくことが重要である。また、これまでの検討では国内外でのテンプレートの実態を踏まえてそのあり方について議論を進めてきた。 今後テンプレート内に記載するべき内容などの整理、テンプレートの改善のあり方等の議論を通して最適なテ ンプレートのあり方をまとめつつ、保全担 者の理解を深めるための取組を進めていく。 参考文献 [1] 平成28年度電気施設保吋制度等検討調査(信頼性重視保全によるスマートな保吋の確保に関する調査・検討)報告書 JANUS .2017 図1 保全テンプレートの利用と見直し概念図
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