六ヶ所サイクル施設における施設管理に関する取り組み

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カテゴリ: 第17回
六ヶ所サイクル施設における施設管理に関する取り組み The initiative about maintenance management at nuclear fuel cycle facility in Rokkasho 日本原燃㈱ 仙 和樹 Kazuki SEN Member 日本原燃㈱ 塚越 慶和 Yoshikazu TSUKAGOSHI Non Member 日本原燃㈱ 渡邉 富士雄 Fujio WATANABE Non Member 日本原燃㈱ 高坂 充 Makoto KOUSAKA Non Member 日本原燃㈱ 守屋 登康 Noriyasu MORIYA Non Member Due to amendments of Regulatory requirement in April 2020, it becomes mandatory to observe and evaluate for application design reprocessing business and approval of design and construction even a series of process for improvement. It also should include design and construction process which was defined by technical specification as to general maintenance management. This paper introduces new initiative about maintenance management at nuclear fuel cycle facility operated by Japan Nuclear Fuel LTD., in 2020. Keywords: Maintenance management, Nuclear fuel cycle facility 1.はじめに 2020 年 4 月の原子炉等規制法(以下、「法」とする。)の改正により、原子力施設に対する安全確保の責任は第一義的に事業者が有することが明確化されるとともに、従来の規制当局による直接的な検査から、事業者の保安活動の状況を規制当局が確認(監視)する監督型の検査へ移行した。 事業者の責務である保安活動を対象とし、事業の指定・設計及び工事の計画の認可後から廃止措置の終了までを通して、その実施状況、継続的改善の取り組みについて包括的に監視・評価を行うものとなった。監視・評価の対象として、保安規定等が対象とする活動に設計・工事段階を含めるものとなり、これまでの運転中・運転停止中に行う点検等の保守管理に運転開始前の設計及び工事を加えた施設管理として保安活動を実施していくこととなった。 本稿では、日本原燃の核燃料サイクル施設における 2020 年度の施設管理の取り組みについて紹介する。 連絡先:仙 和樹、〒039-3212 青森県上北郡六ヶ所村大字尾駮字沖付 4 番地 108、日本原燃㈱ 技術本部 技術管理部 技術基盤グループ E-mail:kazuki.sen@jnfl.co.jp 2.施設管理の導入 日本原燃は、再処理施設、ウラン濃縮施設、MOX 燃料加工施設、低レベル放射性廃棄物埋設施設及び高レベル放射性廃棄物貯蔵管理施設と複数の施設を有する。 法令上の区分も再処理施設、加工施設、廃棄物管理施設と異なり、それぞれに対する保安規定を制定する必要がある。 2020 年 4 月の法改正に伴い、原子力規制における検査制度の見直し及び運用の見直し等を反映した保安規定に変更する必要があることから(保安規定変更認可申請は、法令施行後、6ヶ月以内の経過措置期間が設けられている)、2020 年 9 月に再処理施設、ウラン濃縮施設、低レベル放射性廃棄物埋設施設及び高レベル放射性廃棄物貯蔵管理施設の変更の認可を受けるとともに、MOX 燃料加工施設においては新規に認可を受けた。なお、各施設の保安規定の認可申請にあたり、施設の違いによるもの以外は、記載内容を統一することを前提とし定めた。 この中で、施設管理について、これまで「原子力 発電所の保守管理規程」(JEAC4209)に従った保守管理の仕組みを構築してきたことから、JEAC4209 に基づく保守管理の仕組みを保安規定に規定した (Fig.1)。 Fig.1 施設管理の実施フロー 検査制度の見直しに対応した保安活動(新たな法令で要求されている事業者検査等)は 2020 年 4 月から開始するとともに(ただし、経過措置とされる期間(2020 年 4 月 1 日から新たな保安規定を適用するまで)は、現行保安規定で定める保安活動を実施)、社内規定については、改正された法令と齟齬が生じないように整備(部分適用、読み替えの指示文書発行など)、運用を図った。 3.施設管理の取り組み 法改正にあわせ、日本原燃の施設管理の現状や課題、施設管理を取り巻く事業環境等を踏まえ「施設管理方針」を策定するとともに、施設管理方針に従って達成すべき「施設管理目標」を策定した。施設管理目標の達成度を評価する方法の一つとして、プラントレベルの指標、施設管理の重要度が高い系統の系統レベルの指標を設定した。施設管理目標を達成するため「施設管理実施計画」を策定し、施設管理実施計画に従って施設管理を実施した。 実施した施設管理に対して継続して改善することを目的に、社長が行うマネジメントレビューの実施時期(2020 年度末)に、施設管理の有効性評価を実施した。施設管理の有効性評価では、保全の有効性評価の結果と施設管理目標の達成度から、施設管理が有効に機能していることを確認した。施設管理を導入して初めての評価となることから、施設管理の定着の観点から、施設管理方針に従って取り組みを 進めていることを主眼に確認した。評価において確認した改善事項は今後の施設管理に適切に反映していくこととした。 施設管理の有効性評価の結果を踏まえ、社長が行うマネジメントレビューにおいて 2020 年度当初に策定した施設管理方針を評価した。施設管理の有効性評価と同様、施設管理を導入して初めての評価となることから、施設管理の定着の観点から、2021 年度は各施設に共通的な方針は変更せず継続して取り組むとともに、各施設の重点的な方針は各施設のおかれている状況に応じて改正した。本方針に従って、施設管理目標、施設管理実施計画を策定し、施設管理を実施していく。 4.まとめ 2020年度は施設管理の定着の観点で施設管理活動 を実施してきたが、今後は継続的な改善につながる施設管理活動を指向し、確実で有効な施設管理を目指していく。 日本原燃は、原子力安全に対する一義的責任を負うことを強く認識しながら、プロフェッショナルとして安全への限りない追及を続けることで、「世界最高水準の安全」を目指していく所存である。 参考文献 検査制度の見直しに関する検討チーム、「検査制度の見直しに関する中間取りまとめ」、平成28年11月 原子力規制庁長官官房 制度改正審議室、「検査制度の見直しについての説明」、検査制度見直しに関する事業者説明会、平成29年5月31日 日本原燃株式会社、「原子力規制における検査制度の見直しに伴う保安規定(変更)認可申請について」、審査会合、令和2年7月27日
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