原子力規制検査の試運用に向けた準備状況

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カテゴリ: 第15回
原子力規制検査の試運用に向けた準備状況 Preparation Status of Trial Use for Nuclear Regulation Inspection 東京電力 HD 株式会社 村野 兼司 Kenji MURANO 東京電力 HD 株式会社 星川 茂則 Shigenori HOSHIKAWA 東京電力 HD 株式会社 藤曲 久元 Hisamoto FUJIMAGARI 東京電力 HD 株式会社 梶川 允 Makoto KAJIKAWA New nuclear regulation inspections will begin in April 2020. For the preparation of them, Trial use will begin on October this year, and we have assigned Kashiwazaki-Kariwa Nuclear Power Station as a pilot plant for it. This report describes the status about Corrective Action Program (CAP) improvement and Configuration Management (CM) development for the trial use and implementation of a new nuclear regulation inspection, cooperating with NRA study of it. Keywords: Kashiwazaki-Kariwa Nuclear Power Station, New nuclear regulation inspection 1 緒言 2020 年4 月に施行される原子力規制検査は、事業者はリスク情報を活用しつつ自らの主体性により継続的に安全性を向上させ、規制機関はリスク情報を活用しそれら事業者の活動を監視・評価することを基本理念としている。[1] 施行に先立ち、2018 年10 月から全国の原子力発電所で試運用が行われることになっており、当社柏崎刈羽原子力発電所はパイロットプラントとして、試運用の中心的存在となる予定であり、各種取組を進めているところである。 本論文では、原子力規制検査の試運用に向けて、事業 者の責務である自主的な安全性向上の各種取組について 実施・改善状況及び今後の展望を紹介する。 2 事業者の自主的な安全性向上の活動 原子力発電所においては、運転、保全、放射線管理等の様々な活動を行っており、それら活動は是正措置プログラム、系統監視、構成管理、パフォーマンス指標測定、 リスク評価などを通じて自主的に改善することで、より一層の安全性の向上に継続的に努めている。 連絡先 村野 兼司、 100-8560 目 、 電力 ー ディングス( )原子力運 管理 、 E-mail murano.kenji@tepco.co.jp 3 当社の各種取組 是正措置プログラム 以前より是正措置プログラムを導入し、改善に活用しているが、従来の事象発生後の不適合情報をもとづく是正中心の活動から、事象発生前の劣化兆候や品質未達事項を特定し原因分析・是正する、予防・検知に重点をおいた活動に改善することで、より一層の安全性の向上の 実現を目指している。 図1 是正措置プログラムの改善 そのため、現場観察、原子炉主任技術者の気付き、検査官や外 機関の指摘等のプログラムヘのインプットを開始しており、2018 年7 月以降、ニアミスや協力企業の気付きもインプットする予定である。 また、インプットの拡充と併せて、分析・評価の強化として、2016 年10 月、パフォーマンス向上コーディネー ーを発電所各 に 置し、 の ア を通じて、重 定、原因分析、 向管理等を ートしている。 系統監視 設備に 通したシステム ン ニアが、系統監視プログラムに基づき、主 系統の監視に着手している。 今後、システム ン ニアの育成を進め、各プラント において重 な約40 系統を監視することを目指している。 構成管理 設計 件、実機器、設備図書の 素の整合を維持・管理することで、各種安全性評価、保全計画立案、改造 等を適切に実施することを目指している。 現在、管理すべき設計・設備情報を抽出し、残留熱除 去系、高圧 替注水系をモデ ケースとして、設計基準文書を作成中であり、更なる整備計画も検討中である。 また、変更時の管理を行う関連図書支援システムを開 発しており、今後試運用を行う予定である。 図2 設計基準文書作成のイメージ パフォーマンス指標の測定とレビュー 各種分野においてパフォーマンス指標を設定・採取し、 月、所長、所 幹 、本社幹 が参加するレビュー において、目標値と結果を比較し、あるべき姿に到達するための改善の 論を行い、パフォーマンスの向上を目指している。 今後、原子力規制検査に対応した規制 求項目を採取するとともに、自主的な設定項目も拡充する予定。 図3 福島第ニパフォーマンスレビュー会議 リスク情報活用 2018 年2 月、原子力発電事業者11 社で リスク情報活用の実現に向けた戦略プラン及びアクションプラン」を取りまとめている。[2] 図4 リスク情報活用の実現に向けた戦略プラン及びアクションプラン 当社では、フェーズ の取組として、工事等のリスクを評価した週間リスク予報をとりまとめて工事工程策定 やバックアップ対策検討に利用する等、 々実践することで社員ヘの意識定着に努めている。 更に、設計管理や停止時安全管理等のプロセスヘのリ スク情報活用の適用を検討中であり、原子力規制検査で の活用を視野に入れ、PRA高 化モデ の整備も進めている。 4 結論 原子力規制検査の基本理念に従い、自主的な安全性向 上の取組の拡充を進めている。 現在、原子力規制庁が原子力規制検査の制 検討を続けており、2018 年10 月には試運用が開始される中で、当社は安全性向上の実績を着実に積み上げるとともに、原子力規制庁の制 検討および試運用に協力していく。 制 検討および試運用を経て、原子力規制検査が効率的でパフォーマンスベースの、より規範的でない、リス ク情報を活用したものとなり、事業者の自主的安全性向 上の取組をより活性化させることにつながることを期待 している。 参考文献 原子力規制庁検査制 の見直しに関する検討チーム、“検査制 の見直しに関する中間とりまとめ”、2016、p.15. 原子力発電事業者11 社、“リスク情報活用の実現に向けた戦略プラン及びアクションプラン”、2018.
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