屋外環境下におけるフラップゲートの劣化特性把握について

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カテゴリ: 第15回
屋外環境下におけるフラップゲートの劣化特性把握について Degradation characteristics of flap gate under outdoor environment 中部電力(株) 寺井 啓祐 Keisuke TERAI 中部電力(株) 川井 貴弘 Takahiro KAWAI 中部電力(株) 安田 光博 Mitsuhiro YASUDA 中部電力(株) 木村 浩樹 Hiroki KIMURA 日立造船(株) 木村 雄一郎 Yuichiro KIMURA In order to improve the operational reliability of automatic closure system(hereinafter referred to as "flap gates") used at air conditioning openings of buildings as a measure to protect Hamaoka NPP against tsunami, outdoor exposure test of actual equipment and components , And grasped the deterioration tendency. By making use of the exposure test results in maintenance, we were able to set up a reasonable and appropriate maintenance cycle and to enhance the safety of the Hamaoka NPP. Keywords: Hamaoka NPP, tsunami protection, prevention measures of flooding, deterioration, flap gates 1 はじめに 浜岡原子力発電所では,防波壁を越流する津波が襲来し 場合でも,安全上重要な設備が設置される建屋内への浸水を防止できるよ 対策を ている。 では, の対策の一 として を実施し 動 止 置 , 「フラップゲート」とい 。)の建屋開口部への 用について紹介する。 2 浜岡原子力発電所の津波対策 浜岡原子力発電所の基準津波については,敷地への影響が最も大きい「南海トラフのプレート間地震による津波」を選定し, の基準津波による敷地前面での最大上昇水位を T.P.+21.1m 防波壁前面の位置)と評価している。 浜岡原子力発電所の津波対策は,基準津波に対しては 防波壁の設置等により津波が発電所敷地内に 浸 する とを防ぎ,さらに,基準津波を超える津波が防波壁を越流し敷地内に浸水し 場合においても,建屋内浸水防止対策を施す とにより,重要設備を津波の影響から防 するものとしている。 建屋内浸水防止対策は,建屋内への浸水経路となる扉, 配管等貫通部や空調開口部を対象とし,扉に対しては水密扉等の設置,ま ,配管等貫通部に対しては止水処理を実施している。 浜岡原子力発電所では,建屋 所の空調開口部に対する浸水防止対策として,津波が襲来し に に 止して建屋内への浸水を防止するフラップゲート※を設置している。フラップゲートは,駆動力や人為操作が不要で 水に対する浮力により作動するものである。 ※一般的には,河川や港湾の水門等で使われている。最近では,津波や 潮時に浮力により起立するフラップゲート式の防潮堤が開発されている。 3 フラップゲートの作動原理 用するフラップゲートの基本原理は,水流の強さによら 水に対する浮力を 用し,開口部に設ける浮造の扉を水位の上昇・ 降に追従させて開 させるものである。フラップゲートは,原理的に開口部からの浸水を 全く無くす とはできないが,津波による海水の浸 を大 に する とができる。浸 し 一部の水については,建屋空調開口部付近のダクトに排水用のドレン受けを設ける等の対応により,津波の浸水に対して建屋内の安全上重要な設備の機能確保に十分に寄与できるものと考えている。 Fig.1 Automatic closure system 4 フラップゲートの劣化特性把握 フラップゲートは建屋外壁に設置される とから,屋外 境 においても確実に作動する必要がある。 の ,実機大のモックアップ試験 および 成部材の曝露および曝露後の測定を行 とで劣化傾向を把握し,保全の最 化を図る とで作動信頼性の向上を図っ 。 モックアップ試験 モックアップ試験 の 造をFig.2 に示す。 Fig.3 に示す通り,水密試験で得られ 単位漏水量は, 曝露2年後で 0.001[l/m/s]であっ 。 れは水門施設の設計で準用している許容値 ダム・堰施設技術基準)を大きく 回っており,フラップゲートの水密性が確保される とを確認し 。 ま ,Fig.4 には作動試験における水位 化と扉 天端 さとの関係を示す。水密試験と同様,曝露2年後の扉の挙動は曝露試験前と同等であっ 。劣化により水位の増加に対する扉 の追従が緩慢となる とはなく,フラップゲートの作動上問題がない とを確認し 。 構成部材要素試験 Fig.2 に示す通り,フラップゲートは様々な部材で 成 されている。 の ち,今後の保全周期を定 るにあ り, 交換部品であるクロロプレンゴム,ナイロン,ポリエチレンの 成部材について,それぞれ機能別に硬度測定,摩擦係数測定,腐食特性等を評価し 。 代表してクロロプレンゴムの曝露試験後の硬度試験結 果をFig.5 に示す。クロロプレンゴムはフラップゲートの止水部である戸当 り部および扉 に使用されている。 Fig.2 Structure of flap gate モックアップ試験 については,浜岡原子力発電所にて2年間の曝露試験を行い,1年間隔で水密試験および作動試験を実施し 。試験結果をFig.3,4 に示す。なお, 60 55 50 硬 度 45 40 35 30 06121824303642 曝露期間 [months] 1.4 1.2 扉 天端[m] 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0 実機については建屋外壁に設置されている とから,モックアップ試験 を屋外へ設置し 状態での曝露試験を実施し 。 0.04 0.03 単位漏水量 [l/m/s] 0.02 0.01 0 036912 15 18 21 24 27 30 曝露期間 [months] Fig.3 Evaluation of water leakage Fig.5 Hardness measurement results (Chloroprene) Fig.5 より曝露期間の増加に伴い硬度が上昇しており, 破線のとおり線形近似を行っ と ろ,37.2 ヶ月後には許容値を超える結果が得られ 。今回様々な材料に対して要素試験を行っ が,許容値へ達し 期間についてはクロロプレンゴムが最短であっ ,フラップゲートの標準点検期間としては3 年(36 ヶ月)として設定し 。5 まとめ 実機大のモックアップ試験 および 成部材について, 屋外曝露試験を行 とで,フラップゲートの劣化傾向を把握し, な保全周期の設定に 。ま , れにより本 置の作動信頼性を向上させる とができ 。 本試験で得られ 知 は 期設定である ,今後の 保全結果を まえて定期的に していく とにより, 浜岡原子力発電所の安全性を ていく。 .4 4 扉 天端[m] 扉 天端[m] (a) Before exposure(b) 1year later(c) 2years later Fig.4 Result of the operation test
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