保守管理技術向上のための技術者育成の取り組み

公開日:
カテゴリ: 第16回
保守管理技術向上のための技術者育成の取り組み The Activities of The Human Resource Development of Personnel to Strengthen Maintenance Management Technology 青森日揮プランテック(株)神谷亮輔RyosukeKAMIYA 青森日揮プランテック(株) 中村太郎 TaroNAKAMURA 青森日揮プランテック(株) 鳥谷部和貴 KazutakaTORIYABE 青森日揮プランテック(株) 中館義彦 YoshihikoNAKADATE 青森日揮プランテック(株) 佐藤進哉 ShinyaSATO 青森日揮プランテック(株) 井上正行 MasayukiINOUEMember Aging workforce and retirement in recent years are anticipated to weaken maintenance technology ability of the industries. We carried out the human resource development of personnel to strengthen maintenance management technology. Technology education to acquire basic knowledge of maintenance were given to technical and also management staff. We fabricated and operated a training facility on the premises of the company. We also examined and proposed the ICT equipment for maintenance. This paper describes the engineering education performed, training facility fabricated, and ICT equipment introduced. Keywords: Human resources development, Operation and maintenance, Technology education, Training, Information-communication technology 1 緒言 我が国における少子高齢化の進展、生産年齢人口の減少により、様々な社会的、経済的な課題が深刻化することとなる[1]。当社は顧客の設備点検や設備運転に従事しているが、近年、熟練技術者の高齢化が進み退職が迫っ ている。加えて現場業務が優先されるため、社員教育に 時間を割くことが難しくなっている。そのため、現場の技術力低下や突発的トラブル時の機動性低下が懸念される。このような現状に対応するため、技術者育成を目的 とした3 項目の取り組みを行った。本稿は、(1)メンテナンスの基礎知識を社内で共有、(2)訓練施設の製作と運用、 (3)熟練者の技術を活かすツールの検討について報告する。 連絡先 佐藤 進哉 〒039-3212 青森県上北郡六ヶ所村尾駁弥栄平1-89 青森日揮プランテック株式会社総務部 E-mail shinya-satou@a-plantech.co.jp 2 技術者育成の取り組み メンテナンスの基礎知識を社内で共有 メンテナンスの基礎知識を社内で共有するため、自主保全士2 級の取得を試みた。自主保全士は設備に強いオペレーターを目指す資格であり、保全に関する基礎知識 を習得できる。受講対象者は管理職、現場業務に関わる営業・総務、作業員、新卒採用者とし受講対象者は114 名である。8 ヶ月で5 冊のテキストを勉強し試験を受ける通信教育型の資格のため、計画的な勉強が必要となる。受講中の社員がいるため、現在までに合格者は107 名、取得率は94%となった。このため、社内の基礎知識レベルの均一化が図られた。 訓練施設の製作と運用 現場で必要な技術力を養うため、自由に使える訓練施設の製作と運用を行った。現場で必要な技術力は機械や計装機器などの点検技術を始め多岐に亘る。訓練施設はこのような技術を習得することを狙いとした。訓練施設外観を図1 に示す。製作は訓練の一環として行い、設計・部品調達・製作・試運転までをすべて自社で実施した。そのため設計ノウハウの蓄積、技術力の向上にも繋がった。 また、訓練施設を用いた教育プログラムを立ち上げ、 運用を試みた。ここでは例として当社の電気計装部の教育プログラムについて説明する。教育プログラムは膨張 式温度スイッチの校正試験など7 種類の計装点検で構成し、講師は熟練者、受講者は若手社員や協力会社員とし た。まず講師による実技を含む講習を行う。受講者は講習後に訓練を行い、実技試験を行う。合格者は次の講習を受講し、不合格者は講師の指導を受け再度試験を受ける。全7 種類に合格した受講者は講師に認定され、社内の力量 映する。試験の は新 に作成した合否判定記録に基づいて行った。2018 年度は3 種類を実施し、2019 年度は他の4 種類を実施する予定である。教育プログラムの運用により、技術者の定量的な力量管理が可能になった。 図1 訓練施設の外観 ートグラス内蔵タッチパッドは素手のみ操作可能であり、ボタン操作は手袋装着時でも可能なことが分かった。映 像配信機能の検証では、映像を用いてスマートグラス装着者と事務所の通信を検証した。結果として映像と音声 を交えてコミュニケーションを取ることで現場状況を共有しやすくなることが分かった。 これらの検証結果を踏まえ、当社の保守運転現場に適応できるか事例を基に検討した。スマートグラスの映像配信機能を使うことで現場に ない人でも現場状況を共有できるため報告・連絡・相談を迅速に行うことが期待できる。また、事務所内の熟練者に映像を交えて相談しつつ作業することで熟練者のノウハウを活かせること、高年齢技術者の体力のサポートにも繋がることが期待される。 様々な効果は期待されるが、インターネットを利用して通信しているためセキュリティ面では検討が必要なこと、悪天候など厳しい条件でも使用できるか検証が必要なことなどの課題もでてきた。 熟練者の技術を活かすツールの検討 以上のような取り組みを行ってきたが熟練技術者の高齢化と退職という課題は残り、技術者育成という観点から更に取り組めることを検討した。そこで、熟練者の技術・知識・経験を活かせるツールの検討をした。 ツールの選定では現場作業で活用できるICT 機器を洗い出し、現場作業で重要と考えられる項目に着目し比較 した結果、スマートグラスを検討することとした。スマ ートグラスの通信イメージを図2 に示す。カメラ・マイクなどを内蔵したメガネ型デバイスをインターネットに 接続し、遠隔地に現場映像を配信する機能を備えている。 ツールの検証では、スマートグラスの各種機能を訓練施設などで検証した。写真撮影機能では、一般的な機器の外観や指示値の判断は可能であることが分かった。音声通信機能の検証では、イヤホンマイクを活用することで 音環境中でも の 通が可能なことが分かった。操作性の検証では手袋装着時の操作性を検証した。スマ 図2 スマートグラスの通信イメー` 3 結言 今回の取り組みでは社員の基礎知識習得とレベルの均一化を図ること、自社で業務に必要な技術を養う環境と仕組みを確立することができた。また、熟練者の技術を活かすツールの検証を行い、活用案の検討と課題を抽出した。 今後も技術者育成に継続的に取り組み、会社として技術力向上に励み顧客の期待に応えられる技術者集団を目指していく所存である。 参考文献 [1] 総務 、 平成30 年度 報通信 、 1 部 集 人口減少時代のICT による持続的成長、2018、pp.2-3.
著者検索
ボリューム検索
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (2)
解説記事 (0)
論文 (2)
解説記事 (0)
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (2)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)
論文 (5)
解説記事 (0)
論文 (5)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)