浜岡原子力発電所1、2号機 廃止措置の現状
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カテゴリ: 第17回
浜岡原子力発電所1,2号機 廃止措置の現状
(株)中部プラントサービス
疇地
勇喜
Yuki
AZECHI
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(株)中部プラントサービス
荒川
章
Akira
ARAKAWA
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(株)中部プラントサービス
八木
寿和
Toshikazu YAGI
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(株)中部プラントサービス
瀬戸脇
浩友
Hirotomo SETOWAKI
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(株)中部プラントサービス
市川
義浩
Yoshihiro ICHIKAWA
Member
(株)中部プラントサービス
梶川
祐亮
Yusuke KAJIKAWA
Member
弊社が中部電力㈱の浜岡原子力発電所1,2号機の廃止措置に着手し、5年の月日が経ち設備の解体が進み、 解体撤去物のクリアランス制度を活用した建屋外への搬出も始まりました。浜岡の廃止措置の現状と原子炉 領域の解体に向けた課題などをご紹介します。
浜岡、廃止措置、原子力発電所、解体撤去、BWR
1.緒言
浜岡原子力発電所では1976 年3 月に営業運転を開始した1 号機および1978 年11 月に営業運転を開始した2 号機について、廃止措置に移行するための原子炉廃止措 置計画認可申請を2009 年6 月に行い、同年11 月に認可を受け廃止措置へ移行した。
浜岡原子力発電所1,2 号機の廃止措置は図1 に示すように第1 段階の「解体工事準備」から第4 段階の「建屋等解体撤去」までの4 段階に区分しており、現在は第2 段階の「原子炉領域周辺設備撤去」中であり、2023 年度に開始予定の第3 段階の「原子炉領域解体撤去」の準備として解体に干渉する諸設備の解体や、原子炉圧力容 器や炉内構造物の化学除染が実施中である。
図1 廃止措置概略工程
連絡先:疇地 勇喜
〒437-1695 静岡県御前崎市佐倉5561
原子力本部 浜岡総括事業所 廃止措置部
E-mail: y2-azechi@chubuplant.co,jp
2.第 2 段階中の解体状況について
設備の解体状況
原子力発電所の廃止措置ではすべての機器を同時に解 体ができるわけではなく、機能要求がなくなった設備か ら段階的に解体をしていく必要がある。現在は放射能レ ベルがNR もしくはクリアランス推定設備の解体を主に進めている。これまでにクリアランス推定の大型設備と しては2 号の発電機本体やタービン本体の遮へい体、タービン系設備の冷却器等の解体が完了している。
これらの解体は火気切断が使用できないため、大型バ ンドソーによる機械式切断を実施した。特に発電機固定 子鉄心のケイ素鋼板への刃の?みこみに苦慮したが、試 行錯誤を繰り返し、解体を完了することができた。
図2 浜岡2 号機発電機の解体前後の状況
図3 浜岡1 号機のタービン冷却設備の解体前後の状況
また、屋外設置の放射性物質を含む復水を貯蔵してい たタンクの解体も実施した。タンク解体時に放射性物質 が大気に放出しないよう、事前に除染及び解体工法を検 討の上、関係者で情報共有を図り実施した。
放射線管理区域内の解体撤去物はクリアランス測定容 器に収納するまでは一時的な建屋内保管を原則としてい るが、屋外設置タンク解体で発生した解体撤去物はその 場でクリアランス測定容器に収納することにより、建屋 内への一時保管が必要なくなり、効率化を図ることがで きた。
図4 浜岡1 号機の復水タンクの解体状況
クリアランス制度について
現在解体撤去が完了した放射性の解体撤去物は主に建 屋内で保管している。建屋内で保管できるスペースは限 られているため、廃止措置をスムーズに進めるためには 保管スペースを確保するとともに合理的な処理により、 停滞することなく建屋外へ搬出する処理が必要不可欠と なる。
2019 年3 月に浜岡原子力発電所1,2号機の金属約7,700tに対する測定・評価方法が認可された。現在、この内容に 沿って多種多様な形状の解体撤去物のクリアランス化作 業の効率向上を目指している。
例えば、クリアランス測定容器への解体撤去物収納方法の最適化のために、模擬容器を製作して試行錯誤を繰り返すなどの他に、これから大量に発生する細管(伝熱管) の縦割り装置や、除染用機材等、作業の進捗に合わせ弊社で開発を行っている。これまでの実績から解体物の大量処理のためにはルールを含め大幅な効率化が必要であると認識している。
図5 解体撤去物の処理フロー
図6 クリアランス収納作業
図7 細管内面除染装置の開発(細管の縦割り、平滑、除染)
3.原子炉領域の解体に向けて
2023 年より開始予定の「原子炉領域解体撤去」では放射能レベルの比較的高い、炉内構造物、原子炉圧力容 器、放射線遮へい体等が解体撤去の対象となっており、 現在の第2段階「原子炉領域周辺設備撤去」においてこ れらを円滑に実施できるよう整備しておく必要がある。
そのため、現在は、原子炉圧力容器等の解体で発生す る放射能レベルの比較的高い解体撤去物を保管するため のエリアやそれらを運搬する経路の確保に向けた工事を 計画・実施している。
4.結言
弊社は今後増加していく日本での廃止措置における指 標としていただけるよう、浜岡1,2 号機の廃止措置に関係者が一丸となって取り組んでいる。工事の実績を積み 重ねるとともに、他社とのコラボも模索して技術力の蓄 積を図り施工領域の拡大を目指したいと考えている。
また長期に亘り実施される廃止措置において、お客様 に「安全」で「効率的」な工事を提供できるよう、常に カイゼンを図るとともに息の長い廃止措置工事を安定的 に実施していくためにも廃止措置のノウハウを確実に受 け継げる人材の育成を図っていく所存である。