大間原子力発電所の建設中の長期保管対策について

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カテゴリ: 第16回
大間原子力発電所の建設中の長期保管対策について Ageing management of Ohma Nuclear Power Plant during delayed construction 電源開発(株)西村隆司Takashi NISHIMURAMember Construction work of Ohma NPP was suspended because of the Great East Japan Earthquake of March 2011. At that time, progress rate of construction was 37.6%. Construction work was resumed in October 2012. Since, however, the institution of new regulations (new regulatory standards), which could require equipment modifications, was under discussion, construction efforts were made within the limited scope that would not be affected by new regulations As a result, the construction work involving the Reactor Building and the Turbine Building was limited to work associated with the structures up to the floor of the 1st floor level above ground. At present, it is forced to store the equipment for a long period of time at the construction site and the vendors' factories. Under these circumstances, we’ve been addressing ageing management such as preventive actions to minimize and control ageing effects, monitoring and trending of ageing effects in cooperation with the vendors. Keywords: Ageing management, Preventive actions, Improvement of storage environment, Monitoring and trending of ageing effects, Overhaul to find the current status. 大間原子力発電所の建設状況 大間原子力発電所の建設工事は平成20 年5 月に着工し, 以後,順調に工事を進めてきたが,平成23 年3 月の東日本大震災の影響により資機材の輸送が困難になり,工事 を一時休止することとなった。この時点での工事の総合進捗率は37.6%であった。 震災当時の現場状況としては,工事が休止したことに より,建屋内に搬入を計画していた製品は屋外に仮置きされた状態であり,また,建屋内に搬入した製品についても建屋が施工途中で未完成であることから,製品にとって望ましい環境を確保できない状況であった。屋外ヤードにおいても,工期短縮のために採用した各種モジュール類の組立が並行して多数行われていた。 また,製作メーカーの工場では,原子炉圧力容器や主 タービンを含む相当数の機器類が製作中の状況にあった。 建設工事は平成24 年10 月より再開したが,既に新規制基準制定の議論が進められており,当初設計のままで工事を進めると設計変更や設備の改造が発生することも想定されたことから,新規制基準の影響を受けない範囲で工事に取り組むこととした。 搬入した製品をより望ましい環境にて保管するため, 原子炉建屋及びタービン建屋については地上1階床まで躯体構築を進め,新規制基準に対応すべく待機すること とし,現在は建設現場及びメーカー工場での設備・機器 の保管対策を実施しているところである。製作メーカー もこれまで経験したことのない保管期間となっているた め,平成26 年からは長期保管体制を構築し,経年劣化の防止を図っている。 図1 大間原子力建設所全景(平成31 年4 月) 長期保管対策 東日本大震災の影響により工事を一時休止した後,これまで以下のような保管対策を実施している。 工事休止期間(平成23 年3 月~平成24 年9 月) 主に工事エリアの除湿と製品の保護養生の強化に取り組んだ。 工事再開後(平成24 年10 月~平成25 年) 機器保管環境を改善するため,建屋内へ雨水,湿分, 塩分が継続的に流入することを防止・抑制する対策として,各エリア・各機器の工事進捗状況を踏まえた以下の対策を行った。 ・保管エリアの天井躯体の構築を優先して施工 ⇒原子炉建屋及びタービン建屋は地上1階床まで施工を進め,躯体施工済のエリアは,内部仕上げを部分的に実施 ・建屋を覆う大型仮設屋根の設置 ⇒製品保管エリアのうち天井躯体が施工されていない エリアについては大型仮設屋根の設置を実施 ・専用保管庫の設置及び養生強化 ⇒屋外ヤードにおけるモジュール類のうち上部ドライ ウェルについては専用保管庫を設置し,保管庫を設けないモジュールについては養生強化を実施 長期保管対策(平成26 年~) 保管期間の長期化を見据え,以下の考え方にもとづき経年劣化の防止を図っている。 【機械・電気設備】 機器が保管されているエリアの状況(工事進捗状況) に応じ,劣化管理の対象となる機器を分類し,各機器の要素毎に建設段階で発生すると予想される劣化要因を分析の上,劣化要因を排除するための対策を個々に策定, 実行する。 機器の主たる劣化要因は湿分や塵埃の付着であることから,それらを排除する方策として,以下の対策を実施している。 ・工事エリアをコンパクトに区画化 ⇒エリア内に仮設壁を設置 ・エリア内の除湿対策 ⇒除湿器の設置,乾燥剤の封入, スペースヒータの早期通電 ・エリア内の塵埃除去 ⇒空気清浄器の設置 ・機器毎の専用養生(図2) 工場保管品についても,養生の強化を実施しており, 特に,原子炉圧力容器や主タービンローターについては, 専用養生を構築し,窒素ガス雰囲気で保管している(図3,図4)。 図2 工事エリア内の保管状況 (制御棒駆動水圧制御ユニット) 図3 工場における保管状況(原子炉圧力容器) 図4 工場における保管状況(主タービンローター) 【建物・構造物】 建物・構造物を構成する部材等について,以下の養生を実施している。 (鉄筋) ・鉄筋が露出した状態となることから,1本毎に袋状のカバーを被せ養生を実施 ・更に,袋状のカバーを破損させないために周囲を合板で囲う養生を実施(図5) 伝熱管等の内部部品は金属光沢が保たれた良好な状態が維持されていることを確認した。 全体として,出荷時の養生や防錆塗装に経年劣化が見 られるものはあったが,保管の長期化に伴う機器の腐食や劣化等の問題は生じておらず,現在の保管対策の有効 性を確認することができた。 これらの結果より,現行の保管対策を継続していくこ とで適切な品質維持管理が図られるものと評価している。 (鉄骨) 図5 鉄筋の養生(原子炉建屋) ・建方済鉄骨は必要な防錆措置を実施 品質維持に向けた対応 長期保管中における製品の品質維持を図るため,以下 の対応を行っている。 ① 定期的な確認 工事エリア及び製作メーカーでの保管対策が,計画どおり適切に維持されているか,また劣化の がないか, 以下のとおり日々確認と対応を行っている。 ・巡視点検 ⇒外観点検,保管雰囲気(温度,湿度,塩分濃度)の確認,絶縁抵抗測定 など ・消耗品の交換 ⇒乾燥剤,防錆剤の交換,清掃・養生の更新 など ・劣化 が見られた場合の処置 ⇒錆除去,再塗装 など ② 機器分解点検(平成28 年~平成29 年) これまでに実施してきた保管対策が適切であるか,代 表機器を対象に分解点検を行って確認を実施した(図6)。分解点検の対象は,ポンプ,電動機,弁,容器,特殊 容器,配管,配管支持装置の各々から万遍なく選定した。点検の結果,機器外表面等の一部に軽微な錆が発生し ている機器が見られたものの,腐食や減肉等,形状に影 響を及ぼすものはなく,また,すべり軸受や転がり軸受, 図6 分解点検による保管対策の有効性確認 (原子炉隔離時冷却ポンプ駆動用蒸気駆動タービン) 今後の対応 保管中の製品の健全性については,将来,建設工事が 本格的に再開した後,工事の進捗に合わせて実施する種々の 験・検 を通じて,所定の機 ・性 が発 されることを確認・検証していく予定である。 おわりに 大間原子力発電所は新規制基準への適合性審 を受けている状況にあり,当面は製品の維持管理に注力する状況が継続すると想定される。わが国において,建設工事 の途中でこれほど長期間にわたって製品保管対応が行われた前例はなく,当社は受注者の協力も得ながら最善を尽くし,対策の検討,実施,管理,改善に当たっていく。 連絡先 西村 隆司,〒039-4602 青森県下北郡大間町大字奥戸字小奥戸281 電源開発掬大間現地本部大間原子力建設所 E-mail: takashi_nishimura@jpower.co.jp
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