大間原子力発電所の建設段階における運転訓練シミュレータ導入とSA改造について

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カテゴリ: 第16回
大間原子力発電所の建設段階における 運転訓練シミュレータ導入とSA改造について Status of Operator training simulator of Ohma Nuclear Power Plant during construction and modification for severe accidents 電源開発株式会社小松滋 ShigeruKOMATSU 会員 市川健児 KenjiICHIKAWA 非会員 The Ohma Nuclear Power Station, currently under construction, is an ABWR, and is designed to be capable of using MOX fuel in the entire core. Construction commenced in May 2008 and progress has been made, but the overall progress rate of the construction after the Great East Japan Earthquake has been 37.6%. The operation training simulator was installed ahead of other facilities to implement design change information under the new regulatory requirements, and the simulator is being used to conduct training for operators. The simulator underwent modification in September 2018, and now has the capability to conduct training to respond to severe accidents. The other hand, various drills (such as drills for handling hoses to supply water from external sources) are also conducted to train personnel responsible for performing emergency response activities in the field. Keywords: Ohma Nuclear Power Station, Under Construction, Operation Training Simulator, Severe Accidents 1 大間原子力発電所プロジェクトと建設工事状況 大間原子力発電所の建設工事は2008 年5月に着工し、以後、順調に工事を進めてきたが、2011 年3月の東日本大震災の影響によるインフラの制約などがあり、工事を一時休止することとなった。この時点での工事の総合進捗率は37.6%であった。 建設工事は2012 年10 月より再開したが、既に新規制 基準制定の議論が進められていたことから、新規制基準 の影響を受けない範囲で工事に取り組むこととした。 搬入した製品をより望ましい環境にて保管するため、2014 年からは長期保管体制を構築し、経年劣化の防止を図っている。 2 運転訓練シミュレータ 東日本大震災前の計画では、運転員養成のため、原子 図1 大間原子力建設所全景(2019 年4月) 連絡先 小松 滋、〒104-8165 東京都中央区銀座6-15-1 電源開発掬原子力事業本部 原子力業務部 E-mail: Shigeru_Komatsu@jpower.co.jp 炉へ燃料を装荷する1年前に運転訓練シミュレータ(サイトシミュレータ)を設置し、訓練を開始する予定であ った。 しかし、東日本大震災以降、新規制基準対応の設計変更が想定されたことなどから、設計・製作を一時休止し、 その後、2014 年4月に設計・製作を再開、2016 年4月から供用を開始している。 運転訓練シミュレータは、発電所に隣接する建屋に設置し、ABWR の中央制御室における主盤や大型表示盤などをフルスコープで模擬しており、大間原子力発電所の特徴であるフルMOX炉心までの炉心特性を再現できる。また、冷却材喪失事故等の過渡事象から主要事故事象までのプラント挙動も幅広く再現できる仕様(マルファンクション200 項目)としている。 運転訓練シミュレータを用いた運転員の訓練では、当 直体制を想定したチーム訓練、当直の職位に応じた階層 訓練、プラント 動 止訓練などを行っている。なお、運転員の養成訓練としては、この他に、BWR 運転訓練センターにおける訓練を組み合わせて実施している。 その他、サイトの運転訓練シミュレータでは、運転員 以外の社員に対する教育・訓練の一環でも活用し、稼働 率を上げている。 図2 運転訓練サイトシミュレータ1の訓練風景 SA対応 従来の訓練事象に加え、SA(シビアアクシデント) 事象の訓練ができるよう、2018 年9月に運転訓練シミュレータの改造を行っている。 運転訓練シミュレータ用に開発された過酷事故モデル を採用し、過渡事象から過酷事象まで連続的に模擬する ことが可能となっている。 新規制基準対応として発電所に追加される安全強化対 策設備については、現状設計段階であるが、可能な限り 運転訓練シミュレータにおいてこれらを模擬し、更に今 後の設計変更にも対応できるよう、ソフトによる模擬を 採用し、大型FDパネルにて確認、操作できるように工夫した。 運転訓練シミュレータによるSA対応訓練の取り組み については、訓練シナリオを作成しながら段階的に実施 していく予定である。 図 事 図4 大型FD また、SA対応については、これら運転訓練シミュレータによる訓練以外にも、緊急時対応訓練として、サイ トにおける給水ホース取扱訓練、ユニック荷役、シルト フェンス取扱等の訓練も行っており、緊急時対応力の向 上を図っていく予定である。 4 おわりに 大間原子力発電所は、新規制基準への適合性審査を受 けている状況にあり、当面は、設計、建設の段階が継続 すると想定される。その間においても、今後の発電所運 転をはじめ、事故対応に必要な能力を持つ人材を確保し ていくよう最善を尽くしていく。 (2019 年6月10 日)
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