日本原燃株式会社 再処理本体施設 中央制御室他 監視制御装置大型リプレース(DCSリプレース)工事

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カテゴリ: 第16回
日本原燃株式会社 再処理本体施設 中央制御室他監視制御装置大型リプレース(DCS リプレース)工事 Large-scale Replacement of Monitoring and Control System (DCS Replacement), in Main Control Room etc. of Reprocessing Plant, JAPAN NUCLEAR FUEL LIMITED(JNFL) 二菱重工業(株) 石井 達也 Tatsuya ISHII Member 二菱重工業(株) 川西 史晃 Fumiaki KAWANISHI Non-Member 二菱重工業(株) 大井 鉄兵 Teppei OI Non-Member 二菱重工業(株) 南田 健吾 Kengo MINAMIDA Non-Member 二菱重工業(株) 稲山 真人 Masato INAYAMA Non-Member Abstract In large-scale plants that are used for a long period of time, the replacement work due to aging degradation, discontinuance of production of electronic components, reaching the maintenance deadline, etc. has become a very important issue. Among them, the replacement of the monitoring and control system during operation affects many facilities, so that the replacement schedule is short and it is difficult to change the schedule. This paper describes the results of a large-scale replacement of monitoring and control system in the main control room etc. of the reprocessing plant in fiscal 2018, ahead of other companies. Keywords: DCS replacement, Reprocessing Plant, Maintenance procedure 1 はじめに 高寿命化する大規模プラントにおいて、経年劣化や電子部品の製造中止、保守期限到達等によるリプレース作業は非常に重要な課題となっている。その中でも運転中設備の監視制御装置リプレース工事は、単純に設備の入替作業のみを実施すると監視制御が不可の状態となるため、工事期間中においても特定の機器や装置の監視制御機能を維持する必要があることから、影響が広範囲に及び工期要求が厳しく、且つ、工程変更が な作業となっている。 本稿では、再処理本体施設の中央制御室他において、2018 年度に他社に先駆けて監視制御装置の大規模なリプレース工事を実施したため、その実績を紹介する。 2 監視制御装置大型リプレース工事 監視制御装置の概要 監視制御装置は、図1に示すよ-に、中央制御室に据 付けた監視制御盤にてプラントの監視操作を行い、制御盤室に据付けた工程制御盤にてプラント制御を行-構 成となっている。本工事では、リプレース前後において制御装置の製作メーカが異なる。 中央制御室 監視制御盤 制御盤室 工程制御盤 連絡先:石井 達也 〒652-8585 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1 番1 号二菱重工業(株) E-mail: tatsuya_ishii@mhi.co.jp 図1 監視制御装置の概要 監視制御装置大型リプレース工事 概略実績工程を図2 に示す。事前準備を2012 年度~ 2017 年度にかけて実施し、2018 年度に現地工事を行って、 のリプレースを た。 作業フロー ①の作業概略 年 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度 2017 年度 概略工程 事前準備 年 2018年度 4 5 ~ 11 12 概略工程 仮設置工事 監視制御盤リプレース 工程制御盤リプレース 図2 概略実績工程 また、作業フローを図 に示す。リプレース工事中の運転継続を可能とする‘、工程制御盤リプレース時の監視制御状態は図4 の りとし、リプレース中においても既設監視制御盤・新設監視制御盤・仮設制御盤のいずれかにて監視制御を継続出来るよ-にした。 フェーズ 項目 内容 事前準備 工程検討 仮設検討 隔離・影響評価 工法、要領検討 盤搬入 機能改善検討 機種選定・システム構成検討 配置 現場調査 仮置場所 接続ケーブルの図面・現物の整合確認 盤搬入ルート 準備工事 金属探査(アンカー打設) ケーブル解結線札取付 光成端箱据付 ケーブル工事(部屋間・建屋間) フェーズ 項目 作業概要 現地工事 仮設置工事 新設監視制御盤/仮設制御盤 仮設置 工程制御盤リプレース ※各分散毎に繰り返し 系統隔離・電源隔離 ① 仮設切替 ケーブル解線 既設工程制御盤 撤去・搬出 新設工程制御盤 搬入・据付 ② 単体確認試験(盤復元・受電) ケーブル結線 仮設切戻 新設工程制御盤 活かし 監視制御盤リプレース 既設監視制御盤・仮設盤撤去 新設監視制御盤 仮位置→本位置移動 図3 作業フロー 作業フロー ②の作業概略 図4 工程制御盤リプレース時の監視状態遷移 監視制御装置大型リプレース工事の特殊性 監視制御装置のリプレース工事は、工程面及び制御装置面における検討課題があり、工事計画段階から現地工事段階において各種対応を実施することで工程を遵守し、設備監視制御の異常も無く 工した。 工程面 ①検討課題 全体工事工程 設備全体の運転計画、季節による設備稼働条件によ って各 のリプレース可能時期に制約があり、且つ、工程制御盤リプレース中においても末リプレース の監視を継続 る必要があるために、1 台の監視制御盤に複数の工程制御盤が繋がっている トー を途切れ ない順番とする必要がある。そのため工事の時期・期間に多くの制約が課 れ、工事工程を検討するに当たっては、これらの制約を考慮する必要がある。 仮設切替工程 仮設対象設備毎に監視制御の三止可能時間が決め られており、優先度 けを行って対応する必要がある。 工程制御盤リプレース工程 仮設対象設備の使用期間を限定的にするため、各 のリプレース工事期間が 週間と決められており、作業負荷が高い。 他社とのインターフェイス 他社所掌 且つ他社所掌設備を当社所掌設備に変更するリプレース工事であるため、客先経由で既設工程制御盤、監視制御盤及び上下流設備の他社での隔離作業や仮設処置設備等があり、所掌 担、作業順番のインターフェイスがある。 ②打ち手 【工事計画段階】 系統設計、制御装置設計、客先及び他社を巻き込んだ工程検討及び仮設検討を行-ことで、設備、 ト ー 構成上の条件及び仮設優先度の条件をリアにした工程を確定 、各作業に対する所掌を明確にした。 事前に作業可能なケーブル工事等を現場調査に合わ て実施することで、作業負荷の平準化を図った。c)仮設切替工程の客先/他社/当社の所掌作業を明確 にした時間割工程を作成し、作業間のインターフェイスの明確化を行った。 【現地工事段階】 a)客先工事担当部門に加えて、施設管理部門・運転管理部門及び他社を巻き込んだ週間工程会議を実施し、関係者間の意思疎 ・懸案解消を実施した。b)協力会社との朝礼・終礼・週間工程会議を実施し、綿密な工程・作業管理を実施した。 制御装置面 ①検討課題 他社所掌設備を当社所掌設備に変更するリプレース工事であるため、設備リプレース前後において、制御装置の製作メーカが異なり、ソフトウェアの変換及び変換による影響評価が必要となる。 ②打ち手 工事計画段階において、既設盤と新設盤の制御装置内演算素子の比較検証を行い、機能が全く同一かど -か確認するとともに異なる場合は、どのよ-にす れば同一動作を担保できるかを確認した。また、工場にて動特性確認が必要な演算素子は、複数パターンの応答変化を与えて既設設備と波形が同一となるか確認を実施した。 らに自動運転機能についても 運転手順書に記載の り動作することを確認したことで、現地工事段階での実機を用いた確認試験を不要とした。 3 まとめ 再処理本体施設にて、2012 年度~2017 年度の6 年にわたり綿密に計画し、2018 年度に の監視制御装置をリプレースし、その作業内容及び特殊性について紹介した。 図5 に示すよ-に2019 年度後半~2020 年度にかけて第二期リプレース工事を予定しており、第一期リプレースの実績を踏まえた工程立案、仮設計画、最適な人員計画等の工事計画を実施中である。本リプレースを ることで、プラントの安定的な稼働に寄与できるものと考える。 年 1999年度 ~ 2018年度 2019年度 2020年度 概略工程 ▼既設監視制御装置稼働開始 第一期第二期 リプレースリプレース 図5 概略全体工程
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