新検査制度とパブリックの関与

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カテゴリ: 第16回
新検査制度とパブリックの関与 Why is public involvement so important for inspection system to become effective? マトリクスK / 東京大学 近藤寛子Hiroko KONDOMember Abstract The role and process of external and internal stakeholder involvement in the nuclear regulatory framework would impact the outcome of the safety regulation. The public involvement in designing the new inspection system is discussed with the lessons learned from the ROP development in the US. Keywords: public, involvement, inspection system, ROP 1 開始から19 年を迎えた米国ROP 米国のROP(アールオーヒー)は2000 年に開始された制度で、今年で19 年目を迎えた。その前の制度であるSALP(サルプ)も20 年にわたり運用されたが、最後の数年 は、 業 ?社会 ら制度に対する 信が っていたことを考えると、ROPは米国において、もっと も長期にわたり信頼され続いた制度と言える。 2 米国ROPにおけるパブリックの関与 ところで、米国ROPの調査を行っていると、しばし ばパブリックという言 に 会う。ROPにおけるパブリックとは、「NRC(米国の原子力規制機関)、事業者として特定されない人」つまり規制する側でも規制される側でもない人、と、非常に広義な捉え方が可能な概念である。このパブリックが制度の信頼性において重要な役割を持つというのが本稿の考えである。 ROPの目的は、「原子力発電の利用における公衆の健康と安全を守る」であり、この目的を分解した重要な領域(コーナーストーン)を7つ設定したものである。目的とコーナーストーンを、プ ントの評価?検査の 組み化するにあたり、リスク情報の活用と、パフォーマンスベースドというメカ ズムを実装した。検査官による検査活動と、PRAのような科学的手法をインテグレートさせた、複雑な制度である。 ROPの理解者は当事者のみ、という密室規制に陥ら ないよう、NRCは、開発当初より事業者、パブリックを交えた検討を行い、また、社会に対する情報発信を続 ける。取組の背景には、前制度であるSALPにおいて、 制度の実態を理解する関係者が事業者とNRCに限られ、パブリックにとって遠い存在となってしまったことの反 がある。ROPが、開 れた制度になるた には、パブリックとの関わりやパブリックとの対話努力が 可欠であったと考えられる。 NRCはROPを定期的に検証する。検証内容は、指 摘件数のトレンド、地域での分散状況など多岐にわたり、安全パフォーマンスの劣化傾向の有無、評価の地域 格 、などチェックしている。NRCが開 する、R C (規制情報会議)と呼ばれる公開型会議ではNRC地方局長、NRC本庁職員、事業者、第三者がばパネリストとなり、ROPの運用状況をチェックし合っている。R OP開始 ら19 年経った今も、チェック行為が形骸化しないことは、ROPの健全性に寄与している。 3 まとめ 日本においても、この数年、ステークホルダーコミュ ー ンの議 が広がりつつある。し し、 検査制度の開発、運用におけるパブリックの関与についての検討はこれ らであり、今後を期待したい。 参考文献 [1]NRC, RIC 2019
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