東海第二発電所 原子炉建屋ブローアウトパネル閉止装置の開発

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カテゴリ: 第16回
東海第二発電所 原子炉建屋ブローアウトパネル閉止装置の開発 Development of reactor building blowout panel closing device for Tokai No.2 power station 日本原子力発電 中間 昌平 Shohei NAKAMA Member 日本原子力発電 竹内 公人 Kimihito TAKEUCHI Member 日本原子力発電 林田 貴一 Kiichi HAYASIDA Member Abstract It has been newly required as a regulatory standard that the blowout panel installed in the reactor building of BWR can be closed promptly when it is opened. In Tokai No. 2 Power Plant, a blowout panel closing device was developed to meet this requirement. In this report, we describe the design of blowout panel closing device and report the result of vibration test conducted in E-Defense. Keywords: Blowout panel, Severe accident, E-Defense はじめに 原子炉建屋ブローアウトパネル(以下,「BOP」といつ。)は,主蒸気配管破断等を想定した場合の放出蒸気による圧力から,原子炉建屋や建屋内機器等を防護するため,放出蒸気を建屋外に放出することを目的に設置されている。 東海第二発電所では,原子炉建屋原子炉棟の外壁に合計\2 枚のBOP(大きさ約4mx4m,重さ約\.5t)が設置されている。 平成29 年11 月に「実用発電用原子炉及びその附属施設の位置,構造及び設備の基準に関する規則の解釈等の一部改正」において,BOPが開放した場合,速やかに閉止できることが機能要求として明確化された。 東海第二発電所では,重大事故が発生した場合においても運転員等が原子炉制御室にとどまることができるよつ,原子炉建屋ガス処理系とブローアウトパネル閉止装置(以下,「BOP閉止装置」といつ。)を重大事故対処設備として位置付けることとした。BOP閉止装置の概要及び機能要求をぞれぞれ図1 及び図2 に示す。 図1 BOP閉止装置概要図[\) 図2 BOP閉止装置要求機能[\) 開発にあたっては,一般産業で使用されている防煙扉の技術をベースに耐震性向上及び気密性能確保に向けた各種の技術開発を行い,耐震性,気密性を向上させ,原子炉建屋の 圧 できるブローアウトパネル閉止装置を短期に開発することとした。BOP閉止装置の開発体 制を図 に示す。また,BOP閉止装置の を図 に示す。 図 BOP閉止装置の開発体制[\) 図4 ブローアウトパネル閉止装置全景[2) 地震後においても, か 確実に閉止でき,また 場において人力による操作できる作動性を確保し,原子炉建屋原子炉棟を 圧に できる気密性を確保していること。 開放したBOPを復旧するまでの期間において閉止装置を使用するため,重大事故後,一定期間内に想定される地震が発生した場合においても,原子炉建屋原子炉棟を 圧に できる気密性を確保していること。 2 2 試験項目 開放状態では,基準地震動ssによる荷重が作用した 後の機能 が求められるため,設置位置(最も高所の設置位置)における基準地震動ssに対する設計用答スペクトルを上回る加振波を用いて加振を行つ。 また,閉止状態では,BOPと同等の弾性設計用地震動sdによる荷重が作用した場合の気密性確保が求めら れるが,耐震裕度を確認するために基準地震動ss加振 はを用いて加振を行つ。 具体的には以下のとおり。 閉止装置が開放状態において,加振後の作動性が確保していることを確認する。 また,加振後の気密性を確保していることを確認する。 閉止措置が閉止状態において,加振後の気密性を確保していることを確認する。 また,加振後の作動性が確保していることを確認する。 試験項目の概要を図5 に示す。 原子炉建屋ブローアウトパネル閉止装置の開発 2 1 要求される機能に いて 原子炉建屋ブローアウトパネル閉止装置は,原子炉建屋外側ブローアウトパネル(以下,「BOP」といつ。)が開放状態で炉心損傷が発生した場合に,運転員等の中央制御室での居住性確保のため,BOPの開放部を速やかに閉止し,原子炉建屋の気密性を することが求めら 2 加振試験 2 1 試験装置 図5 試験項目概要図 れる。具体的には下記の機能が求められる。 加振試験は,兵庫耐震工学研究センター(E- )において実施した。加振試験においては,原子炉建屋に設置した状況を模擬できるよつ,剛性をもたせた架台(約90t)にBOP閉止装置(約2t)を取り付 け,加振台に設置した。加振試験の状況を図6 に示す。 図6 E-Deffence での加振試験状況 2 2 加振波 加振試験用の模擬地震波は以下のとおり。 ・閉止装置の設置高さより上方の原子炉建屋EL 6 65m ・基準地震動ss 8 波及び建屋影響評価で考慮するばら きケースを包絡 ・加振目標の包絡スペクトルは減衰定数1 0%で設定図 に, 数の基準地震動ssの 答スペクトルを 包絡する模擬地震波の時刻歴波形, 答スペクトルを示す。 図7 加振試験用模擬地震波 2 加振試験項目及び内 加振試験ケースの項目,概要は以下の通りである。 振動台 加振 目標とする入力波を精度よく振動台で再 するための 振動台 加振を行つ。本試験は,試験体を振動台に 載しない条件で行つ。 センサ確認試験 センサの取付方向,感度確認を行つために,各方向単独で正弦波加振を行つ。 ( ) 振動特性把握試験 試験体の振動特性を把握するため,0 1Hz""" 0Hz 程度の振動数成分を有する広帯域ランダム波による加振試験を行つ。加振方向は各方向単独とし,扉の開状態及び閉状態の振動特性を確認する。なお,試験体の固有振動数が高い場合は,入力波の主要な振動数成分の範囲に固有振動数がないことを確認する。 ( ) 地震波加振試験 加振レベルは 段階に分けて振動台の加振性能限界まで漸増させていく。加振方向は 方向同時とし,閉止装置の開状態,閉状態のそれぞれで実施する。 なお,基準地震動ssを超える加振試験として,振動 台の性能限界である基準地震動ssの1 1 倍相当をレベル4として実施し,閉止装置の耐震裕度を確認する。 2 気密性能試験に いて 気密性能試験 AsTM E283-4(Standard Test Method for Determining Rate of Air eakage Through E terior Windows, Curtain Walls, and Doors Under Specified Pressure Differences Across the Specimen)に準じた装置を用いて実施する。排風機により試験 器内の空気を排出することにより試験体前後に圧力差を生じさせ,試験体のシール部から試験 器へ流入する通気量を測定する。 図8 に気密性能試験装置図を示す。 試験により得られた試験体を通過した空気量Q(m3 /h)を,標準状態(20℃,\,0\3 hPa)に換算し,扉の内のり面積(m2)で除すことにより,単位面積当た り,1 時間当たりの通気量(m3/h?m2)として算出する。圧力差に じた通気量の推移を確認する。 q=Q'/A ここで, q 通気量(m3/h?m2) A 試験体の内のり面積(m2) Q' 通過した空気量(20℃,\,0\3hPa 換算値)(m3 /h) P 試験 器内の気圧(hPa) T 試験時の空気温度(℃) 図8 気密試験装置の概要 判定基準 閉止装置単体の判定基準(設計目標)としては,J Is A 1516 で示されるA 等級以上とし,以下のとおりとする 通気量 \2.6 m3/h?m2以下(差圧63Pa 時) なお,原子炉建屋原子炉棟 体としての気密性能は確保できることを確認する。試験体は,実機に取り付ける ての閉止装置を考慮し,各々の縦・横寸法を包絡する大きさで製作することにより試験の保守性を考慮する。 試験結果 加振試験 閉止時の加振試験において,駆動用チェーンの破損が確認されたため,閉止 を確実にするための改良を加え再度試験を行った。 その結果,加振試験後の各部の状態に異常はなく,設計に問題ないことが確認された。 気密試験 加振試験後の気密試験の結果,漏えい量は基準値を下回り,地震後においても気密性能が できることが確認された。 まとめ 東海第二発電所に設置するBOP閉止装置を開発した。加振試験において,各部に異常がなく地震時の健 性 が確認された。 気密試験の結果,加振試験の気密性は保たれており,地震後においても,気密性が確保できることが確認できた。 参考文献 [\) 日本原子力発電株式会社 東海第二発電所の発電用原子炉設置変更許可申請書(発電用原子炉施設の変更)に関する審査書(案) [2) 株式会社 関東技検ホームペー‘
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