東海第二発電所 原子炉圧力容器鋼材監視試験結果(第4回)の報告
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カテゴリ: 第16回
東海第二発電所 原子炉圧力容器鋼材監視試験結果(第4回) の報告
Report of the reactor pressure vessel steel material surveillance test results (the 4th) at Tokai No. 2 Power Station
日本原子力発電
中間
昌平
Shohei NAKAMA
Member
日本原子力発電
竹内
公人
Kimihito TAKEUCHI
Member
日本原子力発電
林田
貴一
Kiichi HAYASIDA
Member
Abstract
At Tokai No. 2 Power Plant, the fourth monitoring test is conducted to confirm the tendency of reactor pressure vessel steels to become brittle due to neutron irradiation. From the results of the Charpy impact test, the amount of transition of the upper shelf absorbed energy and the related temperature was evaluated, and it was confirmed that there was no significant tendency to embrittlement. We report the results of the 4th monitoring test and discuss the results.
Keywords: Reactor pressure vessel, Surveillance test, Charpy impact test
1 はじめに
原子炉圧力に使用されている炭素鋼,低合金鋼等のフェライト系材料は,中性子照射による材質変 として,照射による不純物元素(銅等)の拡散に伴う析出物や結晶格子中の原子のはじき出しによる格子欠陥などにより,変位の際の転移を妨げることで強度,硬さが増加し,延性, 靭性が低下することが知 れている。
2 評価
評価手法
刷用する規程及び評価手法を以下に示す。
・日本電気協会 原子力発電所用機器に対する破壊靭性の確認試験方法(JEAC4206-2007)[1](以下,
「JEAC4206」という。)
・日本電気協会 原子炉構造材の監視試験方法
そのた ,重要機器である原子炉圧力容器内には監視
(JEAC4201-2007)[2(]
以下,「JEAC4201」という。)
試験 を し, に 出し監視試験を て程度を把握するとともに,原子炉圧力容器の耐圧機能が
を しても確 されることが れている。東海第二発電所においては,2017 年に第4回目となる
監視試験 の 出しを い,関連 度の移 及び上部棚吸収エネルギーを評価している。本報告では,第4回監視試験結果を報告するとともに,運転開始後60 年時点の関連 度の移 並びに上部棚吸収エネルギーの推移について報告する。
〒110-0005 東京都台東区上野五丁目2 番1 号日本原子力発電株式会社 発電管理室
E-mail: shouhei-nakama@japc.co.jp
中性子照射 の 評価は して,JEAC4206 FB-4000 並びに附属書A 及び附属書 F で規定される応力拡 と運転 にお る材料の 度より れる関連 度を用いて評価する方法,及びJEAC4201 SA-3440 で規定される 時にお る 性を示す上部棚吸収エネルギーの減少率を予測し,プラント運転開始後60 年時点にお る上部棚吸収エネルギーを評価する方法に区分される。
シャルピー衝撃試験結果
図1に,母材部の試験 に対するシャルピー衝撃試験結果(第4回)を,過去の試験結果(初期条件試験,第1 回,第2回,第3回)と共に示す。
各試験の 性遷移曲線は一定の範囲に収ま ており,
な は れない。また,上部棚吸収エネルギーについても, な低下 は れない。
図1 シャルピー衝撃試験結果(母材)
関連温度移行量及び上部棚吸収エネルギー
JEAC4201 等の規程に従い,これまで 4回の監視試験を実施している。
監視試験 プ ルは, 時に「発電用原子力 に関する構造等の ( 45 年 月3 日 告示501 号)」に き,3 プ ル(この ,加 照射
試験 1 プ ル)を炉内に しており,試験 についても規定 を している。
JEAC4201 並びに JEAC4206 に き た,各時期
(照射前~第4 回監視試験時点,2016 年11 月時点及び運転開始後60 年時点)にお る監視試験 の関連 度の移
及び上部棚吸収エネルギーをそれぞれ表1及び表2
に示す。
*2 KIC = 36.48 + 22.78 exp[0.036(T-RTNDT)] より,T-RTNDT = 1 / 0.036Xln((KIC - 36.48)
/ 22.78)
*3 時にRTNDT を 測していないた ,JEAC4206 E-5000 に き推定した母材,溶接金属及び熱影響部の関連 度初期値(RTNDT推定値)の中での最 値を刷用
表2 上部棚吸収エネルギー
初期値
(J)
2016 年 11 月
時点(J)
運転開始後
60 年時点(J)
許容値
(J)
母材
202
111
111
68
溶接
金属
188
152
151
熱影
響部
205
113*
112*
3 まとめ
シャルピー衝撃試験の結果 ,関連 度の移 を評価した結果, な は れ ,運転開始後60 年時点の の最低使用 度も37℃と評価され,運転に のない範囲であることが確認できた。
上部棚吸収エネルギーについては,運転開始後60 年時点においてもJEAC4206 で要 されている68 を上回 ており,十分な上部棚吸収エネルギーがあることを確認した。
表1 関連温度移行量
評価時期
部位
関連
度初期値
(℃)
関連
度移 *1
(℃)
関連
度
(℃
)
T- RTNDT
*2
(℃)
の最低使用
度
(℃)
2016 年
11 月時点
母材
-25*3
30
5
26
31
溶接金
属
-25*3
27
2
熱影響部
-25*3
30
5
運転開始後 60 年時点
母材
-25*3
36
11
37
溶接金
属
-25*3
31
6
熱影響部
-25*3
36
11
*1 原子炉圧力容器内表面 板厚t の1/4 深さ位置での予測値
参考文献
日本電気協会 原子力発電所用機器に対する破壊靭性の確認試験方法(JEAC4206-2007)
日本電気協会 原子炉構造材の監視試験方法
(JEAC4201-2007)