AIを活用した圧力容器鋼中性子照射脆化予測の高度化
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カテゴリ: 第16回
AI を活用した圧力容器鋼中性子照射脆化予測の高度化
Modeling for Prediction of Irradiation Embrittlement of RPV steels using AI
京都大学
中筋 俊樹
Toshiki NAKASUJI
Student Member
京都大学
森下 和功
Kazunori MORISHITA
Member
Abstract
In order to keep nuclear safety, management of irradiation embrittlement of LWR pressure vessel steels is the one of important issues. In this study, we focus on the prediction of irradiation embrittlement. Conventionally, irradiation embrittlement prediction is performed by a numerical model based on the mechanism. In recent years, research in fields such as AI and Bayesian statistics has rapidly progressed. Therefore, in this study, in order to advance the irradiation embrittlement prediction, the irradiation embrittlement was predicted using AI. The development of a new irradiation embrittlement prediction method using AI was discussed in comparison with the current embrittlement prediction method.
Keywords: Irradiation Embrittlement, RPV steels, Multiscale Modeling, AI
1 はじめに
原子力発電所の構造物や機器は時間経過とともに劣化
。発電所の健全性を維持 ために劣化 た部品の修復や交換とい た保全活動が必要とな い 。一方で、圧力容器や格納容器などとい た修復や交換ができない機器もあ 、 れらの機器の劣化が発電所そのものの を 定 要 の とな い 。発電所の 全を 保 には、 られない機器の劣化価が重要とな 。
重要な経年劣化現象の に圧力容器鋼の中性子照射
化が られ 。中性子の照射を と、圧力容器鋼は 化 。 化の と 性 性 度 DBTT) が いられ 、 化 と DBTT は 。照射 化の管理は、照射 化予測式に DBTT 変化量の予測と圧力容器内に装荷された監視試験片の衝撃試験に
DBTT の に われ い [1][2]。衝撃試験は JEAC4201-2007 の保全規定で定められた間隔で実施され、得られた DBTT データは 化予測式の妥当性のやさらに精度の高い予測式の構築に いられ 。
照射 化に DBTT 変化のデータ △DBTT)は原子
炉の運転を開始 た40 年ほど前から得られ い 。そのデータ数は、国内商業軽水炉 び材料試験炉で得られたものを合わせ と 400 点程度存在 。日本の規制で使われ い 照射 化予測式は、 化のメカニズムに基づいたモデル式に れらの DBTT データをフィッティング 構築されたものであ 。
近年は、人工知能 AI)やベイズ等のデータサイエンスの が に われ 、め い が られ
。そ では には、 ッ データを活 の動向調査などが われ い 。照射 化のデータは400 点程度であ 、 ッ データと言う では無いが、AI 等を
い とができ ほどのデータ数ではあ 。そ で、本
では、データサイエンスの を に データの高度 を 。データの に 照射 化予測の高度化を うため、AI に 照射 化の予測法の構築を試 た。現 の 化予測法と比較 、AI を活た い照射 化予測法の構築を た。
2 方法
AI は、SONY が い Neural Network Console を
いた。照射 化の実測データ △DBTT)は、 べ 公開され いないため、現 規制の 化予測式[1][2]に 得られ DBTT の照射に 変化量 △DBTT)を実測と た。 量は、 の 化予測法を に
表1 学習させたデータの照射条件および材料条件
Neutron flux [n/cm2/s]
108, 109, 1010, 1011, 1012
Neutron fluence [n/cm2]
0 ? 7.5X1019
Cu [wt%]
0.04, 0.1, 0.15, 0.20
Ni [wt%]
0.5, 0.6, 0.7
140
120
ΔDBTT(AI計算値) [oC]
100
80
60
40
20
0
-20
-20 0 20 40 60 80 100 120 140
ΔDBTT(実測値) [oC]
図1 △DBTT の実測値とAI による計算値
、中性子 、中性子照射量、Cu 度、Ni 度と た。学習に いたデータセットの照射条件 び材料条件を表 に示 。学習 データ総数は1980 であ 、学習 データを再現でき ニューラルネットワー 構造を AI に
得 。
3 結果および考察
AI で得られ 最適なニューラルネットワー 構造に
計算された△DBTT と実測データの を に示 。
中の1:1 に ットがあ と、実測 とAI に計算 が一 とを示 。実測 が0 とな とでAI 計算 と一 ない 所が られ が、 化が
△DBTT が高くな た条件ではAI 計算 が比較 く実測 を再現 い 。 のときのAI 計算 と実測 の差は、平均-0.1[ ]、 準偏差3.2[ ]に う。
には、中性子 、Ni 度を 定 、Cu 度[wt%] が 0.1, 0.07, 0.04 のときの△DBTT の照射量 存性をそれ
ぞれ示 。な 、Cu: 0.1, 0.04[wt%]の条件は学習 データか 価 データと AI に せ い 条件であ 。 た、学習 データの間の 化計算 を ため、現 規制の 化予測法[1][2]で得られ 化計算 も中に示 。 から、Cu: 0.1, 0.04[wt%]の条件では、学習させた点は勿 、学習させた点の間に い も再現でき
100
80
ΔDBTT [oC]
60
40
20
0
0.00.20.40.60.81.0
Neutron fluence [1019 n/cm2]
図2 △DBTT の照射量依存性
い とが か 。 た、学習させたデータの照射量の最大 は 7.5X1019[n/cm2]であ が、それ 高い照射量でも AI に 計算 と現 規制の 化予測法に 計算 は一 い とが でき 。学習 び 価に い いないCu: 0.07 [wt%]の条件に い は、現 規制の 化予測法に 計算 と AI 計算 の差の 準偏差は1.8[ ]程度であ 、 の でAI に 照射 化量の予測が可能であ とが示された。
4 まとめ
照射 化予測の高度化を目 に、AI に 照射 化予測の を た。実測データがないため、現 規制でいられ い 化予測式に 得られたデータを実測
と い、AI に学習させた。その結果、学習させたデータとAI に 計算 は、 準偏差3.2[ ]で一
た。 た、学習や 価に い いない条件では、△DBTT が 準偏差 1.8[ ]の で AI に 計算 と現 規制の 化予測法に 計算 が一 とが か た。
の程度の 内で AI に 照射 化予測が と
とができ 。
考
)日本電 , 原子炉構造材の監視試験方法’, JEAC 4201-2007, 2007.
)日本電 , 原子炉構造材の監視試験方法’, JEAC 4201-2007 [2013 年追補版], 2013.