福島第一原子力発電所廃炉に向けた主要作業プロセス

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カテゴリ: 第17回
福島第一原子力発電所廃炉に向けた主要作業プロセス 東京電力 入野 隆之 Takayuki IRINO Non-member Abstract In order to achieve the goal of the Mid-and-Long-Term Road-map for Decommissioning, the Mid-and-Long- Term Decommissioning Plan was formulated with the aim of presenting " The main work processes of the entire decommissioning process by 2031". We would like to convey the future prospects of decommissioning work with an easy-to-understand manner in order to proceed the understanding of local communities and the people of Japan under the basic principle of "simultaneous pursuit of reconstruction and decommissioning". Keywords: decommissioning, the Mid-and-Long-Term Road-map, the main work processes, the Mid-and-Long-Term Decommissioning Plan 1.廃炉中長期実行プラン策定の目的 廃炉中長期実行プランは、政府の廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議にて決定された中長期ロードマップ(以 下、中長期RM という)や原子力規制委員会のリスクマップに掲げられた目標を達成するための廃炉全体の主要な作業プロセスついて、関連性を含めて示したものです。 作成にあたっては、東京電力ホールディングス自らが責任をもって廃炉を安全・着実に進めるためには、中長 期的な見通しが必要であること、今後の具体的な見通し を広く皆さまにわかりやすくお知らせすることを考えま した。 また、廃炉事業の今後の見通しをわかりやすくお知らせすることは、地元企業の皆さまによる廃炉産業への積 極的かつ計画的な参画や、「先の仕事が見えない」という作業員の不安の解消に資するものでもあり、地域の皆 さまと共に廃炉を進めるために重要と考えております。 2.今後の主要な作業プロセス 「廃炉中長期実行プラン2021」の策定のポイント 2020 年3月に、中長期RM や原子力規制委員会のリスクマップに掲げられた目標を達成するための廃炉全体の 連絡先:入野隆之、〒100-8560 東京都千代田区内幸町1-1-3、東京電力ホールディングス株式会社 福島第一廃炉推進カンパニー プロジェクトマネジメント室、E-mail:Irino.takayuki@tepco.co.jp 主要な作業プロセスを示すものとして、初の廃炉中長期計画となる「廃炉中長期実行プラン2020」を策定しまし た。 その後、「廃炉中長期実行プラン2020」に基づき、廃炉を安全・着実かつ計画的に進め、汚染水発生量の抑制や、建屋内滞留水の処理、3号機使用済燃料プールからの燃料取り出し、1・2号機排気筒上部解体などの2020 年度におけるこれらの実績の反映や、その後新たに得られた課題などをふまえ、「廃炉中長期実行プラン2021」として改訂しました。 図1 2020 年度に完了した主要作業 図2 廃炉中長期実行プラン2021 のポイント 今後の主要な作業プロセス 福島第一原子力発電所の「廃炉」は(放射性物質によ るリスクから人と環境を守るための)継続的なリスク低 減を進めることであり、主な課題として、汚染水対策、 プール燃料取り出し、燃料デブリ取り出し、廃棄物対策 があります。 廃炉完了までの遠い将来の姿を現時点で見通すことは 難しいため、リスク低減の当面の目標として、以下の目 標を設定し、達成に向け取り組んでいます。 汚染水対策:汚染水発生量を最小限にとどめ、安 定的にこれを維持する。 プール燃料取り出し:1~6 号機すべてにおいて使用済燃料プールからの燃料取り出し完了を目指 す。 燃料デブリ取り出し:試験的取り出しに着手し、 段階的に取り出し規模の拡大を進める。 廃棄物対策:ガレキ等の一時保管を解消し、リス クの低減を進める。 なお、福島第一原子力発電所の「廃炉」の(最終的 な)姿について、いつまでに、どこまで、どのような状 態にしていくか、ということについては、地元の方々を はじめとする関係者の皆さまや国、関係機関等と相談さ せていただきながら、検討を進めていくことになると考 えています。 3.まとめ 図4 プール燃料取り出し 図5 燃料デブリ取り出し 図6 廃棄物対策 図3 汚染水対策 「復興と廃炉の両立」の大原則の下、地域及び国民の 皆さまの御理解をいただきながら進めるべく、廃炉作業 の今後の見通しについて、より丁寧にわかりやすくお伝 えしていくことを目指していきます。 また、福島第一原子力発電所の廃炉作業は世界でも前 例のない取り組みが続くため、本プランも進捗や課題に 応じて定期的に見直しながら、廃炉を安全・着実かつ計画的に進めていきます。
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