点検の難しい土木建築構造物に対する画像を用いた点検手法の検討

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カテゴリ: 第15回
点検の難しい土木建築構造物に対する画像を用いた点検手法の検討 Inspection methods using images of structures that cannot be easily inspected 中部電力掬 原子力安全技術研究所 豊田 淳史 Atsushi Toyoda Member At Hamaoka Nuclear Power Station, facilities for the safety improvement are increased, and efficient inspection methods are required. In particular, these are urgently needed for the tsunami protection wall and the exhaust stacks, which are difficult to inspect due to heights. In this report, we describe the verification results of the feasibility of the inspection using the drone and the high magnification camera, and propose efficient inspection methods. Keywords: Drone, High magnification camera, Image check 1 はじめに 浜岡原子力発電所では,安全性向上対策による設備が しており, に,高所で点検が しい防波壁排気筒については,効率的な点検手法の導入が望まれている。 本報告では,ドローン 高 率カメラを用いた点検について,適用性の検討結果および効率的な点検方法の提案について述べる。 2 背景 防波壁の点検 防波壁は地上から 16m(海抜 22m)の高さがあり, 海側の高所部を目視で点検するには足場等が必要となる。また,海側には樹木(保安林)があり,狭監かつ 方からの視認性が悪い。防波壁は,本体部(表面のPC パネル)と嵩上部(重防食塗装された鋼材 上部4m)からなり,点検の観点が異なっている。 こで,防波壁の効率的な外観点検として,ドローンおよびロボットカメラを用いた画像による点検の適用性を検討した。 排気筒の点検 排気筒の地上高さは 100m であり,点検ではゴンド ラを用いて行っている。 こで,ゴンドラを , 方から高 率で撮影する送電線点検用の地上 VTR および市販カメラを用いた,地上からの点検の適用性について検討した。3 現地試験 防波壁の点検 嵩上部の撮影では,樹木の影響が少ないことからド ローンの飛行が可能である。本体部は森林と近接しており,ドローンの飛行が しいことから,嵩上部はドローン,本体部はロボットカメラを用いた点検を検討した。 嵩上部 本体部 図 2防波壁の点検方法 図 1防波壁 の の ( )ドローンによる嵩上部の点検 )目標 連絡先: 豊田 淳史, 〒437-1695 静岡県御前崎市佐倉 5561, 中部電力掬原子力安全技術研究所, 電話: 0537- 85-2353, E-mail:Toyoda.Atsushi@chuden.co.jp サビの影響が考えられる5cm 角以上の変状を確認することとし,撮影時にヒントズレを起こさ ,写している状況をリアルタイムで確実に確認する。また,操縦電波が乱れても規定ルート を飛行するよう,自動航行機能の精度を確認する。 撮影と飛行方法の検討 撮影と飛行方法について,以下の具体的な項目について検討した。 自動航行用ウェイポイント(GPS によりドローンが通る位置)の設定方法 カメラの被写界深度,防波壁による風の乱流範囲,樹木に衝突する高さ,点検対象物を撮 影する際の歪具合を考慮した最適飛行位置 飛行距離と飛行速度によるハッテリ残量の把握,これと機影を確認できる現地操縦ポイントの把握による飛行ルートの最適分割方法 現地試験の結果 ドローンの撮影では,防波壁嵩上部からの水 平距離 15m,垂直上方距離 5m の飛行位置とすることにより,最適な画像が得られた。操作については,機体操縦と撮影の役割を2人で分担す ることにより確実に被写体を撮影できた。 ドローンの飛行では,ウェイポイント間隔に ついて,直線部は数百 m 間隔,曲線部は数 m 間隔にすることで円滑に飛行できた。約 1.5 kmの全長を安全に飛行させるため,ハッテリ能力 通信電波強度から,飛行ルートを 3 分割した。 (2)ロボットカメラによる本体部の点検 )目標 防波壁の本体部の表面には PC パネルを設置しており, の健全性確認としてコンクリートのひび割れを確認することとした。ひび割れ幅 0.2 図 3 ロボットカメラ m以上を計測でき,本体部の上端である地上 12m まで撮影する。 2)現地試験の結果 ロボットカメラにはクラックスケール(図 3) が内蔵されており,撮影した画像上に表示され, 0.2 mのクラックを確認できた。 ロボットカメラは伸縮ポールにより高さ11m まで延伸可能であり,地上 12m までの本体部の撮影が可能であることを確認した。 排気筒の点検 ( )高 率カメラの仕様 地上からの点検の検証に用いた高 率カメラを図 4 に示す。 図 4 検証した高 率カメラ (2)高 率カメラによる点検 )目標 サビの影響が考えられる 5cm 角以上の変状を確認することとした。筒身の周囲には支持鉄塔 があり, の他にも,階段,歩廊により約 3 割の範囲が写らない死角が存在する。地上から上向 きの仰角のある撮影をするため,円筒形の筒身 とも合 せ,高さと幅に歪のある画像の撮影となる。これらの制約から以下の目標を設定した。 ①高さ方向の歪に対しては,現状の点検基準を踏襲し撮影仰角を 30°以上とする ②横方向の歪については,撮影間隔を水平 90° 内とし,中心に歪の少ない画像を撮影 ③歪を許容し,階段,歩廊から筒身を近接撮影することで,死角を極限まで無くした画 像を撮影 撮影方法の検討 上記①②の目標により,排気筒の立地状況を踏まえた撮影方法が必要であり,以下のように検討した。 撮影位置は,排気筒を円心として 50m 程度離 し,東西南北の方位を基本に設置 サビ等の変状が判別できる 率で全体を把握 (全景 3 分割以上のパノラマ写真)し,変状の有無を判定 変状を発見した場合, 率を 100 以上に変え近接目視相当(5cm 角の変状の識別)の画像を撮影 現地試験の結果 送電線点検用の地上 VTR は,ズーム 率が最低200 であるため,排気筒からの離隔距離が 200m 以上必要となり,建物 地形の関係から一部の方位でしか撮影ができないことから不採用とした。 一方,市販の高 率カメラについては,50m 程度の距離から全方位について近接目視相当の撮影が可能である。160 の撮影では,150m 離れた距離でcm 単位の定規を識別できた。 図 5 160 撮影における定規の認識 階段および歩廊からの筒身撮影では,筒身全体を撮影でき,死角はほとんどない。ただし,損傷の大きさを判定するには,仰角を 30゜以上にする必要があるため,外周撮影を併用させるなどの対応が必要となる。 4 ま め 0防波壁の点検 ・ドローンの自動航行で機体操縦と撮影の役割を2 人で分担することにより,確実に嵩上部を撮影 できた。映像から、5cm 以上の変状が確認できた。 ・ロボットカメラにより,高さ 12m の本体部の撮影でき,0.2mm のコンクリートクラックが計測できた。 0排気筒の点検 ・市販の高 率カメラ(160 以上)を用いて外周 撮影する点検に え,歩廊等から筒身を近接撮影する点検により,5cm 以上の変状が確認でき, 近接目視相当の点検が可能であった。 今後の展開として,これらの成果を実際の点検に活用していく。
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