高レベル放射性物質研究施設における耐放射線性直管型LED照明の開発

公開日:
カテゴリ: 第17回
高レベル放射性物質研究施設における耐放射線性直管型 LED 照明の開発 Development of radiation-resistant straight tube LED lighting at Chemical Processing Facility 日本原子力研究開発機構 船越智雅 Tomomasa FUNAKOSHI Member 日本原子力研究開発機構 柴田淳広 Atsuhiro SHIBATA Non-member 日本原子力研究開発機構 北脇慎一 Shinichi KITAWAKI Non-member 四国計測工業(株) 矢島裕史 Hiroshi YAJIMA Non-member 四国計測工業(株) 正岡秀樹 Hideki MASAOKA Non-member ビームオペレーション(株) 江夏昌志 Masashi KOKA Non-member In Japan Atomic Energy Agency (JAEA), an advanced fuel reprocessing for fast reactor fuel cycle are carried out in hot cells in the Chemical Processing Facility (CPF). Since hot cell is high radiation and nitric acid atmosphere, the mercury lamps with excellent radiation resistance have been used. The manufacture and import of mercury lamps will be banned in 2021; therefore, we started the development of alternative lighting. LED lamps are superior in lighting speed and power consumption compared to mercury lamps; however, it has not been proved to use in a high radiation and nitric acid atmosphere such as in hot cell. The LED lamps used in hot cell must have high radiation resistance, acid resistance and high light intensity. Therefore, the LED lamps, which has resistance to radiation, were developed by in this study; moreover, various experimental such as gamma-ray irradiation confirmed the applicability of the hot cell. Keywords: Straight tube type, LED lighting, Radiation resistance, Nitric acid, Waste reduction, Mercury measures 1.緒言 高レベル放射性物質研究施設(CPF)は、高速実験炉「常 陽」の照射済燃料を用いた再処理技術に関する試験研究 等を行っている施設であり、セル、グローブボックス等を 有している。CPF のセル内部は、放射性物質と汚染物質により高放射線環境であり、また、各種試験及び分析作業 によりセル内部は硝酸雰囲気となっている。セル内で使 用される照明機器は、放射線や硝酸に対する高い耐性を 有することが必要であり、従来から水銀ランプやナトリ ウムランプが用いられてきた。しかし、水銀に関する条約 により2021 年以降、水銀ランプの製造、輸出、輸入が禁止となることから、セル内での運用が難しくなり代替の 照明が必要となった。 近年、照明設備の主体となっているLED ランプは、水銀ランプやナトリウムランプと比較して、点灯速度、消費 電力、長寿命等のメリットが多く代替照明として期待で きるが、LED ランプは多数の半導体部品が使用されてお 連絡先:船越智雅、〒319-1194 茨城県那珂郡東海村村松4-33、日本原子力研究開発機構 核燃料サイクル工学研究所、電話:029-282-1133 E-mail: funakoshi.tomomasa@jaea.go.jp り、半導体に放射線を照射すると特性が著しく低下する。 特に長時間、多量の放射線が半導体へ入射すると、電離作用を引き起こし、その蓄積により半導体の機能が低下するため、セル内のような高放射線環境や硝酸雰囲気での使用実績がないことから、これらの環境下でも適用できるLED ランプの開発が必要である。 セル内で使用するLED ランプは、高い耐放射線性に加えて、耐酸性、既設照明と比較して長寿命及び同程度の照 度、また、セル内の廃棄物低減のため、既設照明器具が使 用できなければならない。 この条件を満たす耐放射線直管型LED ランプを開発し、各種評価試験を実施してセル内照明としての適用性を確認した。 2.耐放射線性直管型LED ランプ概要 2.1 形状 セル内の廃棄物発生量低減のため、既設照明器具を使 用することから、既設水銀ランプ及びナトリウムランプと形状・寸法を同様にした。また、従来のランプ交換と同じ要領でマニプレータによる遠隔での交換が容易にでき る形状にした。 また、LED ランプは既設ランプに比べて配光角度が小さくなるが、コストとランプの気密性向上の観点から前 面ガラスは曲面とはせず、取付け角度を任意に調整(回転) することで配光調整できるようにした。(図1、図2 参照) 図1 直管型LED ランプ配光特性 直管型LED ランプ既設ランプ図2 直管型LED ランプ配光角度比較 図3 直管型LED ランプ外観 2.3 光色(色温度)、照度 既設照明は、水銀ランプとナトリウムランプを組み合わせて使用しているが、理由としては、ナトリウムランプは効率が高く、寿命が長い等の理由により適しているが、 演色性を良くするために水銀ランプと組み合わせて使用している。 今回開発したLED ランプの色温度については、水銀ランプ及びナトリウムランプに合わせて、5000K(自然な色 合いの昼白色)及び 3000K(白熱電球に近いオレンジ色の電球色)とし、照度についても既設ランプと同程度にし た。(図4 参照) 2.2 構造 既設照明点灯状況 ナトリウム(左)、水銀(右) LED 照明点灯状況3000K(左)、5000K(右) セル内は、放射線環境のほかに、硝酸等の薬品使用によ る空気環境となっていることから、IP(塵埃・水の侵入へ の保護)性能を有する気密構造とした。 LED 光源は、放射線による劣化が少ない無機材料の絶 3.試験結果 図4 照明点灯状況 縁反射膜(特許第5456209)を使用して耐放射線性能を向 上させた。前面ガラスについては、放射線による劣化が少 ない合成石英ガラスを採用することが望ましいが、コス トの観点から硬質ガラスを採用し、光源とガラス面との 距離を短くすることで、ガラス面の汚濁を軽減させるこ ととした。 セル内照明として使用するためには、大光量が必要と なり、LED の照度を高めるにはLED 素子が実装された基板に大電流を流し強く発光させる必要がある。基板への電流は熱になり、うまく熱を逃がさなければ寿命を縮めてしまうことから、効率的に放熱させるためのヒートシンクを既設照明器具に使用できる寸法及び形状とした。 (図 3 参照)なお、ヒートシンクの材質は、銅を使用すると熱伝導率が良く耐放射線部材としても適切ではある が、重量やコストの観点から、アルミニウムを採用した。 セル内の高放射線環境及び硝酸等の薬品環境下での適 用性を確認するため、耐振動試験、IP(防塵・防水)試験、 耐薬品試験、耐放射線試験、セル内実装試験を行った。各 種試験の結果を以下に示す。 耐振動試験 直管型LED ランプが振動や地震動での部品の脱落、破損の有無を確認するため、JIS C 60068-2-6 環境試験方法 (正弦波振動試験方法)に基づき、単体で震度 6 弱相当の加振試験(X 軸、Y 軸、Z 軸)を行い、ネジの緩み、部品の脱落、破損及び機能低下等の異状がないことを確認した。(図5 参照) 加振台設置状態 図5 加振試験状況 加振方向 直管型LED ランプ設置状況 IP(防塵・防水)試験 セル内は放射線環境の他に薬品等の使用環境であるこ とから、直管型LED ランプを気密構造とし、防塵(IP6X)・防水(IPX5)性能を確認するため、JIS C 0920(電気機械器具の外郭による保護等級試験)を実施し、粉塵の侵入が なく、噴流水による有害な影響がないこと確認した。(図 6 参照) 粉塵試験前 白錆発生状況 図7 硝酸腐食状況確認状況 3.4 耐放射線試験 耐放射線状況を確認するため、高崎量子応用研究所Co- 60 照射施設に試験体を図 8 のように設置し、γ 線を照射 (照射線量:3.48kGy/h)した。また、試験体は「点灯状態」と「消灯状態」とし、5000K 点灯(№5000K-1)、5000K消灯(№5000-2)、3000K 点灯(3000K)の照度について、初期状態からの変化値を確認した。 図9 に示す通り、全ての試験体でγ線積算吸収線量約100kGy においてはJIS C 8150-3(照明器具性能要求事項)に記載する初期光束の 70%をほぼ満足できたが、点灯状 IP6X 耐塵試験機 粉塵試験後 態の試験体は 100kGy を超えたあたりから照度低下が大きくなったことから、照度低下原因の検討を行った。 図8 LED ランプ照射試験状況 IPX5 防水試験 IPX5 防水試験状況図6 IP 試験状況 100 80 初期照 度70% ライン 5000K-1 5000K-2 3000K 3.3 耐薬品試験 直管型 LED ランプの硝酸ガス雰囲気中における腐食状況を確認するため、デシケータ底部に適量硝酸を入れたビーカーを置き、その上部に直管型LED ランプを置いて硝酸ガス濃度約10ppm の環境で7 日間放置した。(図7 参照)その結果、一部に若干の白錆が発生しものの機能上 有害な腐食等の異常はなかった。 60 40 照度変化率(%) 20 0 030 60 90 120 150 180 210 240 270 300 330 積算吸収線量(kGy) 図9 ガンマ線吸収線量と照度変化 照度低下原因の検討 照度低下の原因を調査するため、外観、点灯状況、光学 特性、VI特性、放熱特性、LED 光源の表面及び断面、シリコーン樹脂の耐熱性について確認した。 外観観察 図 10 に示すように照射前と比べて全てのランプの前面ガラス及びLED 光源が変色している。 1 0.9 0.8 0.7 0.6 電流(A) 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 9095100105110115120 電圧(V) 図11 LED ランプVI 特性測定結果 3000K 5000K-15000K-2 照明器具の放熱特性測定 5000K の各ランプのガラス表面温度をサーモグラフで、LED 光源の基板近傍温度を熱電対で測定した。結果を図 12 及び 13 に示す。いずれも照射前より温度が高いことを確認した。 図10 外観観察結果 点灯検査結果 全てのランプが点灯することを確認した。 照明器具の光学特性測定 各ランプの光学特性を測定した結果を表 1 に示す。照射前より全光束が低く、色温度や演色性が変化していることを確認した。 表1 光学特性測定結果 測定器具 順電流 順電圧 全光束 色温度 演色性 3000K 照射前 0.8A 107.5V 13,600 ? 2,892K Ra80 3000K 照射後 107.5V 2,562 ? 3,008K Ra83 5000K 照射前 0.9A 108.6V 16,198 ? 4,823K Ra83 5000K-1 照射後 108.3V 1,531 ? 5,585K Ra88 5000K-2 照射後 108.6V 10,407 ? 3,820K Ra82 120 放熱特性測定状況 サーモ測定結果 図12 LED ランプ放熱特性測定結果 照明器具のVI(電圧-電流)特性測定 LED ランプを点灯させるには電流を流せば良いが、LED には極性(+と-)があり、順方向に電圧を加えることにより、電流が流れ点灯する。この電気特性である印加電圧Vと流れる電流Iの関係(VI特性) を測定した結果を図11 に示す。電気特性として照射前と大きな相違がないことを確認した。 100 80 基板温度 Tc (℃) 60 40 20 0 0:00:00 0:14:24 0:28:48 0:43:12 0:57:36 1:12:00 1:26:24 1:40:48 経過時間(h:mm:ss) 図13 LED 光源基板近傍温度測定結果(5000K) 5000K-1 のガラスを取り外し、サーモグラフでLED 光源の表面温度を測定し、図 14 に示す通り変色部分の温度が高いことを確認した。 また、熱電対でLED 光源の基板近傍温度を測定し、ガラスを外すことで約10℃低下することを確認した。(図15 参照) ガラスなし放熱特性測定状況 ガラスなしサーモ測定結果図14 LED ランプ放熱特性測定結果(ガラスなし) LED 光源のVI(電圧-電流)特性測定 変色した LED 光源の VI 特性を測定した結果を図16 に示す。電気特性として照射前と大きな相違がないことを確認した。 1 多項式 (3000K照射前) 多項式 (3000K照射後) 多項式 (5000K-1照射前多項式 (5000K-1照射後 0.9 0.8 0.7 電流(A) 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 45505560 電圧(V) 図16 LED 光源 VI 特性測定結果 120 100 基板温度 Tc (℃) 80 60 40 20 LED 光源の表面観察 3000K,5000K-1 及び5000K-2 のLED 光源の表面 を顕微鏡で観察した結果を図 17 に示す。3000K と5000K-1 はLED ダイ(サイの目に切り分けられた一枚一枚のチップ)周辺のシリコーン樹脂が黒く変色 しているのを確認した。5000K-2 は特に異常は見られなかった。 0 0:00:00 0:14:24 0:28:48 0:43:12 0:57:36 1:12:00 1:26:24 1:40:48 経過時間(h:mm:ss) 図15 LED 光源 基板近傍温度測定結果(ガラスなし) 3.5.6 LED 光源の光学特性測定 3000K のLED 光源 5000K-1 のLED 光源5000K-2 のLED 光源 各ランプのLED 光源を1 個ずつ取り外し、光学特性を測定した。結果を表2 に示す。 いずれも照射前より全光束が低く、色温度や演色 性が変化していることを確認した。 表2 光学特性測定結果 図17 LED 光源 表面観察結果(×35 倍) LED 光源の断面観察結果 3000K,5000K-1 及び 5000K-2 のLED 光源の断面 を顕微鏡観察した結果を図 18 に示す。3000K と5000K-1 はLED ダイ周辺のシリコーン樹脂が黒く変色しているのを確認した。 なお、5000K-2 は特に異常は見られなかった。 3000K のLED 光源 5000K-1 のLED 光源 5000K-2 のLED 光源 測定器具 順電流 順電圧 全光束 色温度 演色性 3000K 照射前 0.8A 53.7V 7,680 ? 2,951K Ra80 3000K 照射後 53.7V 2,183 ? 3,548K Ra85 5000K 照射前 0.9A 54.3V 9,164 ? 4,973K Ra84 5000K-1 照射後 54.2V 4,080 ? 5,396K Ra86 5000K-2 照射後 54.3V 9,072 ? 5,030K Ra84 図18 LED 光源 断面観察結果(×200 倍) 照度低下原因の考察 LED ランプの照度低下は、LED ランプ及びLED 光源ともに VI 特性に異常がないため、LED 素子の劣化ではなく、ガラス内の不純物(有機物)の放射線 による着色とシリコーン樹脂の着色により LED 素子から発出した光が吸収されたことによるものであ ると思われる。 なお、シリコーン樹脂の着色は、温度上昇による ものと思われるが、着色したガラスや樹脂の発熱を 考慮してもシリコーン樹脂が着色するほどの温度に は至らないはずであるが、放射線吸収による温度上 昇や気密構造による密閉状態での圧力変動の影響も 加わり、高温状態になっていたものと思われる。 積算吸収線量100kGy までは本LED ランプに採用した硬質ガラスでも使用上問題ないが、積算吸収線 量 100kGy 以上の高線量環境の場合は、放射線による劣化が少ない合成石英ガラスの採用や使用環境に よっては気密構造にせず放熱性を向上することで、 さらに長期間、問題なく使用できると思われる。 セル内実装試験 直管型LED ランプを使用するセル内に設置した際の照度、SUS ライニングへの反射状況、直管型LED ランプの温度変化、消費電力、光色(色温度)選定、セル遮へい窓 からのセル内の目視状態等を既設照明(水銀ランプ及び ナトリウムランプ)と比較して使用可能かCPF のクリーンセルを使用して確認した。 照度測定 測定はセル内において床面から作業台上である高 さ約0.7m でセル遮へい窓側壁に向かって測定箇所9 点計測し、既設照明とLED 照明が同等であることが確認できた。 また、演色についてはLED 照明の方が、自然色に近い数値となっていることから、セル内が自然な明 るさとなっていることが確認できた。 表3 照度測定結果 既設照明分光分布LED 照明分光分布 ※参考 太陽光分光分布(日中) 図19 照明分光分布図 既設照明 LED照明 図20 セル内の照明状況 温度測定 温度測定は照明器具をK熱電対センサ及び赤外線 サーモグラフィを使用して行った。 K熱電対センサによる測定結果を表 4 に示す。全ての測定位置について LED ランプの方が温度が低く、場所によっては100℃以上の温度差があった。照明器具の温度低下により照明器具近傍の設備が安全使用できるようになる。 表4 K 熱電対センサによる測定結果 測定位置項目 ① ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑩ ⑪ ⑫ ⑭ 水銀 55 76 56 61 55 160 80 120 74 LED(5000K) 36 54 34 36 32 31 42 32 34 温度差 -19 -22 -22 -25 -23 -129 -38 -88 -40 ナトリウム 59 70 81 70 46 101 79 137 89 LED(3000K) 34 48 33 31 31 30 37 31 28 温度差 -25 -22 -48 -39 -15 -82 -42 -106 -61 測定位置 項目 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ 照度(?) 既設 3,770 5,503 6,990 8,873 7,127 19,167 4,370 2,503 3,127 LED 4,130 8,710 5,867 6,007 6,887 14,033 4,833 2,750 8,413 演色(Ra) 既設 31.3 30.8 31.3 32.0 31.3 29.5 35.7 35.9 14.1 LED 81.2 80.2 82.0 81.1 83.1 81.8 84.0 82.5 84.1 4.結言 ナトリウムランプ 水銀ランプ LEDランプ(3000K) LEDランプ(5000K) 図21 赤外線サーモグラフィ測定結果 消費電力測定 既設照明とLED 照明の消費電力を測定し、水銀ランプ約4.5A、ナトリウムランプ約5.0Aに対し、LED ランプ(5000K)約1.1A、LED ランプ(3000K)約1.0A であり、約1/5 の消費電力となり、既設照明と比較して同程度の照度でありながら省エネ効果が得られる ことが確認できた。 光色(色温度)確認 セル遮へい窓から既設照明と LED 照明の目視に よる視認状況を図22 に示すように確認した。セル壁の反射は影響なくセル内設備等が鮮明に視認できた。 また、今回は水銀ランプとナトリウムランプに合わせて LED ランプを 5000Kと 3000Kを使用したが、演色性や照度から 5000Kの LED ランプのみで使用可能であることが確認できた。 既設照明 LED照明 図22 セル遮へい窓からのセル内照明状況 水銀に関する条約により、セル内照明として使用している水銀ランプの運用が難しくなったことから、高放射線環境及び硝酸等の薬品環境である高レベル放射性物質研究施設のセル内での使用を目的に開発を進めた耐放射線性直管型 LED ランプは一連の試験結果から、セル内照明として十分適用できることを確認し、LED ランプを使用することで、セル内廃棄物の低減等さまざまな効果が得られる。 照度は既設照明と同程度でありながら消費電力約1/5 と少ないため、電気代の低減となる。また、視認性がよく作業性が向上する。 発熱温度は既設照明より低くマニプレータブーツ等 のセル内設備に対しての安全性が向上する。 水銀ランプやナトリウムランプは消灯してから再点灯するまでに 10 分程度かかるが、LED ランプは瞬時に再点灯するため、瞬時停電等の停電が発生し、再給電 された場合でも、直ぐにセル内の安全確認が行える。γ線照射による耐放射線試験では積算吸収線量約100kGy までは初期光束の70%を満足できた。高レベル放射性物質研究施設のセル内照明が設置されている位置の線量は約 0.003~0.4Gy/h 程度であり、長期使用が 可能であると考えられる。 LED ランプは水銀ランプやナトリウムランプに比べて寿命が長く交換頻度が減り、セル内の廃棄物発 生量低減や交換コストの低減となる。 参考文献 T. Takeuchi, H. Shibata, N. Otsuka, T. Uehara, H. Kumahara and K. Tsuchiya,“Degradation Behavior of LED by Gamma Irradiation” JAEA Takasaki Annual Report 2014 P29. M. Kamikawa, K. Oka,R. Yamagata and K. Izumi ”Improvement of Radiation-resistant LED Lighting” JAEA Takasaki Annual Report 2014 P30. 武内 伴照,柴田 裕司,花川 裕規,上原 聡明,上野 俊二,土谷 邦彦,熊原 肇,柴垣 太郎,駒野目裕,”光学部品のガンマ線照射劣化挙動” JAEA- Technology 2017-026. JISC0920,”電気機械器具の外郭による保護等級”. JISC8150-3,”照明器具性能要求事項”. JAXA.”耐放射線設計基準” JERG-2-143. 株式会社STEQ,株式会社SS テクノ,四国計測工業株式会社,”半導体装置及びその製造方法” 特許第5456209 号. 2014-03-26. セリック株式会社,浜松ホトニクス株式会社,”耐放 射線LED 照明灯” 特開2019-87334 号.2019-06-06. 藤原成利,”ガラスの劣化” Materials Life,Vol.3,P77- 81,(1991-04)
著者検索
ボリューム検索
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (2)
解説記事 (0)
論文 (2)
解説記事 (0)
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (2)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)
論文 (5)
解説記事 (0)
論文 (5)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)