送信条件を考慮した過渡解析によるLamb波伝播モードの振幅評価
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カテゴリ: 第16回
送信条件を考慮した過渡解析によるLamb 波伝播モードの振幅評価
Amplitude evaluation of Lamb wave propagating mode by transient analysis considering transmission condition
慶應義塾大学院喜多村 健司KenjiKITAMURAMember
慶應義塾大学杉浦 壽彦ToshihikoSUGIURAMember
Abstract
In nondestructive testing (NDT), ultrasonic testing (UT) can inspect internal defects of the material with a simple device. General UT is performed by point measurement. On the other hand, UT using guided waves that propagate long distance in pipe and plate structures is expected as an efficient inspection. However, there are multiple dispersive propagating modes in the same frequency band, and they are very complicated. For highly accurate inspection, it is important to determine the amplitude of each guided wave mode. Generally, the dispersion relation of the guided waves mode is determined by steady-state analysis, so the amplitude ratio for each mode cannot be determined. This study deals with Lamb waves that propagate plate among guided waves. The steady- state amplitude of each mode was obtained by transient analysis of the growth process of each mode.
Keywords: Nondestructive testing, Ultrasonic testing, Guided waves, Lamb waves, Transducers, Excitation Transient analysis
1 緒論
試料を破壊せずに欠陥を調べる非破壊検査の中で,超 音波検査は内部欠陥を簡易な装置で検出できる.一般的 な超音波検査は点測定で行われるのに対し,配管等を長
2 理論解析
Lamb 波定常解
Fig. 1 に示すような厚さ2h の板のモデルにおいて,加振のない定常領域での支配方程式を示す.
伝播する ド波を いた検査は 的な検査 法
w
として されている.一方で, ド波は分 を
した複数のモードが同じ周波数帯域に存在するため,複 雑である.また,それぞれのモードは異なる変位分布を
し,モードごとに欠陥からの応答が異なる.精度の高い ド波による検査のためには,探触子から発生した複数のモードの振幅を求めることや,特定のモードを選 択的に励振することが必要である.特定のモードを励振 するためにはモードの変位分布に近い加振を与えるとい う試行錯誤的な方法や,モードの波長に合わせた加振を 与える方法がとられている*1*2.
本研究では ド波の中でも板材料を伝播するLamb 波を扱い,探触子から発生するLamb 波伝播モードの振幅を理論解析的に求めた.解析 法としては定常解で得られた変位分布が加振領域によって増大すると考え,加 振領域のモードごとの増大比から定常振幅を求めた.
w
w
w
w
2
wj
j x j x
[ ]\ 3
=士?
Bi I c/j h c/j h dx
゜ii
[
w 2
w]\
=士?
4
Fig. 3 に示すせん断応力のみ与えた励振領域でd
8, P 3, r の場合の各モードの振幅をFig. 4 に示
u,w はそれぞれx 方向,z 方向の変位,ρ は 度,
λ,μ はラメ定数である。(1)-(4)式から変位がz 方向の
数で分布している 周波数ω,波数k の波を 定すると,Fig. 2 に示すような位 度分 が求まる. Fig. 2 は横波 度とh で している. はu がx 軸に対して対称に分布している対称モード, は反対称に分布している反対称モードである.(1)-(4)式から求まるLamb 波定常解を以下に示す.
CX)
こAi c/i z ei ki -wt S
i=
CX)
w こAi c/i z ei ki -wt 6
i=
c/i ,Ai はi モードの変位分布と振幅を表している.
Lamb 波の励振領域における解析
Fig. 1 の励振領域において,(3)(4)式はz=h で以下のようになる.
す. 常,特定のモードを励振する場合はP をそのモードの半波長にあわせる.Fig. 4 でもP が各モードの半波 長のときに振幅が 大となった.しかし,A0,A1,S1 モードの振幅の ー は,P が各モードの半波長ではない であった.これはモード の変位分布と加振分布(P,r,d) の で まると考えられる.本研究の理論を いることで特定のモードを 的に励振できる送信条件を めることができると考えられる.
3 結論
本研究では,特定の 加振から発生するLamb 波モードの振幅を理論解析で求めた.この理論を いれ 特定のモードを 的に励振する探触子形状や加振分布を
定することができると考えられる.
参考文献
J. Lee and Y. Kim, "Tuned double-coil EMATs for omnidirectional symmetric mode lamb wave generation , NDT & E INTERNATIONAL、Vol.83、2016、 pp.38-47.
[ w ]\
x e-iwt
J. Koduru and J. Rose, "Transducer arrays for omnidirectional guided
=?wave mode control in plate like structures , SMART MATERIALS AND
[ w 2 w]\
x e-iwt8
STRUCTURES、Vol.22, No.1、2013、 015010.
=?
励振領域におけるLamb 波の過渡的な解は,定常解で得られた変位分布が伝播とともに増大しているとして,i モードの増大比Bjを いて以下のように置く.
i
CX)
jjj
j
i k -wt
こBi x c/i z ei
i=
C. C.9
CX)
jjj
wj こB x c/ z ei ki -wt C. C.
ii
i=
ここでj=S,A でそれぞれ対称モードと反対称モードを表す.対称モードはx 軸に対して,せん断応力は反対称,z 軸方向の垂直応力は対称に分布している.一方で反対称モードでは,せん断応力は対称,z 軸方向の垂直応力は反対称に分布している.ここから での応力を対称モードと反対称モードに分 してフーリエ変換してBjを求めると,以下のようになる.
i