複数モードのマイクロ波を利用した金属配管内表面のきず位置推定手法の高精度化

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カテゴリ: 第16回
複数モードのマイクロ波を利用した金属配管内表面のきず位置推定手法の高精度化 Precision Improvement of a Method to Predict the Flaw Location on an Inner Surface of a Metal Pipe Using Multiple-mode Microwaves 東北大学 片桐拓也 Takuya KATAGIRI Student Member 東北大学東北大学 陳冠任 遊佐訓孝 Guanren CHEN Noritaka YUSA Member 東北大学 橋爪秀利 Hidetoshi HASHIZUME Member Abstract In this study, a new signal-processing method was developed to improve the precision of locating flaw’s position using microwave NDT. The previous processing method is available only for the single-mode microwave, which causes the noise generation in the case that multi-mode microwaves propagate in a metal pipe. In order to reduce the noise, the reflections caused by the propagation of unintended modes were extracted and deducted from the original signal. The result showed the less noise intensity and higher signal-to-noise ratio than that without the procedure. After adopting this method, the flaw can be precisely located even under the interference of the undesirable modes. Keywords: Nondestructive testing, metal pipe, microwave, time-of-flight, dispersibility, signal processing 1 本研究の背景および目的 配管群は原子力発電所等の大規模プラントにおける主要な構成機器の一つで り、その保全には高い信頼性が求められる。金属配管における主な劣化現象として配管 な の配管内 における劣化が られ[1]、これらの検 のために な 検査手法が提案およ 用されている。しかしながら、それらの手法の多 はプローブの走査や配管の 処理等のため検査に多大な時間を要することが課題として られる。そこで、検査の効率化のためマイクロ波を用いた 検査技術(マイクロ波探傷法)が提案されている[2,3]。 当該技術は金属配管内の領域を円形導波管とみなし、パルス波として入射されたマイクロ波の飛行時間や信号 からき の や性 を 定する手法で る。一に円形導波管内を伝播するマイクロ波は分散性を有するため、伝播距離に応じてパルスの形 が崩れ飛行時間の評価が となる。配管内を伝播するモードや伝播距離が で れ 分散の 合いを理 に求めることができ、これを補償するための信号処理手法(分散補償法)が提案されている[4]。ただし実際の測定においてはき のは で るため、 定き をパラ ー とした信 連絡先: 片桐 拓也、E-mail: tkata@karma.qse.tohoku.ac.jp 号の評価が行われてきた[5,6]。しかしながら、従来の信号処理においては単一の伝播モードのみを考慮しており、 プローブの特性や配管内でのモード変換を原因として分散性の異なる複数のモードが混 する場合に S/N 比が悪化する。そこで本研究では従来の信号処理を利用し、目 とするモード の信号を抽 した で の信号から し を り すことで、複数モードが する場合で っても信号を抽 可能とする手法を開発した。 2 信号処理手法 図 1 に新たな信号処理の手順を示す。ここで、F は周波数領域信号、T は時間領域信号を意味するものとする。当該処理は測定により られた周波数領域信号に対し、配管内を伝播し るマイクロ波モードによる信号を抽 たは するためのもので る。 には、配管内における伝播モードX1(往路), X2(復路)が距離 L(プローブから反射源 での距離)を伝播したと仮定し、この時の信号F3を測定によって られた信号F0から し を行 。この手順を イ として し るX1, X2, L のみ合わせについて り す。なお、時間領域信号およ周波数領域信号の変換には高速フーリエ変換(FFT)およ 高速フーリエ変換(IFFT)を用いており、IFFT の実行 〒980-8579 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-01-2、東北大学大学院工学研究科量子エネルギー工学専攻 には6 のKaiser を、FFT の実行 にはKaiser の 数を信号に乗算している。 3 実験体系 節の手法の有効性を検証するため、先行研究[7]にて られた測定デー を用いて比較を行 。当該実験 系は図 2 に示すよ にネットワークアナライザより発振されたマイクロ波を配側 入射用のモード変換器(プローブ) に入射し、プローブ両端にそれぞれ接続された内径19 mm、 厚3 mm、長さ5.5 m の真鍮管(被測定管)に伝播 させ、配管内で じた反射波を測定することを 定している。なお、本実験で用いたモード変換器は主として配管の Right 側に TE01 モードを伝播させることを 定して製 されたもので る。 た被測定管のRight 側に、プローブからL = 3.5 m の に 貰通割れを模擬した管軸方向長さ30 mm、幅1 mm の貰通スリット加工( を銅箔で被覆)が施されている。 測定は周波数領域にて行い、反射波を S パラ ー として評価した。このとき測定周波数は 20"-'26 GHz(1,921 点)とし、平滑化を30 回行った。 図1 信号処理のフローチャート ネットワークアナライザ フランジ 4分岐 同軸ケーブル 真鍮管 継手パワーディバイダ LeftRight 5.5 m 4分岐TE01モード変換器 (プローブ) L 5.5 m 管軸方向スリット 図2 実験体系 4 信号処理結果 測定した信号に対し 2 節の処理を 用し、その過程において られた信号を図 3 に示す。図 3(a)は F0 に対するIFFT の実行結果で る。図中矢印(t = 10.2 ns)はプローブからの反射波を示しており、このピーク 降にみられる信号が被測定管からの反射波で ると考 られるが、マイクロ波の分散性のためパルスが確認できない。F0 に対し、X1, X2 共にTE01 モードとみなしてき を 定した パルスを抽 するよ な矩形 を乗算してFFT を実行した 、先ほ の補償の 変換を行った周波数領域信号 F3 を求めた。このときのき 定結果が図3(e)で り、 Lp = 3.5 m におけるパルスのみが抽 されていること が確認できる。この F3 を用いて F0 - F3 を計算し、再X1, X2 共に TE01 モードとみなしてき を 定した結果が図3(f)で る。図3(b)と比較すると、矢印で示した箇所の イ が軽 されていることが確認できる。 た図 3(g)のよ にX : TE モード, X : TE モードとしてき 結果が図 3(b)で る。 節で述べた通り、本実験で用い 101 221 たプローブは主として TE01 モードを伝播させることを定したもので るが、Lp = 3.5 m のパルスの にほかのモードの伝播に起因すると考 られる イ がしている(なお、Lp = 1.5, 5.5 m の信号はそれぞれフランジ継手の不整合、管終端における反射波によるもので ると考 られる)。例 、X1: TE01 モード, X2: TE21 モードと仮定してき を 定すると、図 3(c)のよ にLp = 3.5 m においてパルスが確認できる。そこで、この パルスが立つよ な周波数成分 F3 を の信号 F0 から することを考 る。X1: TE01 モード, X2: TE21 モード, L = 3.482 m(= 3.5 m)として分散を補償し、IFFT を実行した結果 T1 が図 3(d)で る。図中の矢印が示す通り、時間 領域信号においてパルスが立つことが確認できる。この を 定した場合、さらに図3(h)のよ に分散を補償し た IFFT を実行した結果においても、それぞれ図3(c) およ (d)と比較することでLp = 3.5 mにおけるパルスが 去されていることが確認できる。 図 4 に 節の測定デー を用いて主要な イ と考 られるX1, X2, L の み合わせについて信号処理を りし、その き を 定した結果を示す。図 4(a)はX1: TE01 モード, X2: TE01 モードの信号 を した場合、図4(b)はX1: TE01 モード, X2: TE21 モードの信号 をした場合を示す。い れの場合においても、信号処理に よって Lp = 3.5 m 近傍の イ が軽 されており、S/N 比が向上したとい る。 (a) 信号F0 に対するIFFT の実行結果(b) 信号F0 に対するきず位置推定結果 (X1: TE01 モード, X2: TE01 モード) 信号F0 に対するきず位置推定結果(X1: TE01 モード, X2: TE21 モード) 信号T1 (X1: TE01 モード, X2: TE21 モード, L=3 482m) 図3 処理の過程において得られた信号 信号F3 に対するきず位置推定結果(X1: TE01 モード, X2: TE21 モード) ( ) 信号F0 F3 に対するきず位置推定結果(X1: TE01 モード, X2: TE21 モード) 信号F0 F3 に対するきず位置推定結果(X1: TE01 モード, X2: TE01 モード) ( ) 信号F0 F3 に対し分 を補償した IFFT を実行した結果(X1: TE01 モード, X2: TE21 モード, L=3 482m) 図3(続き) 処理の過程において得られた信号 X1: TE01 モード, X2: TE01 モード の信号を 除 した場合 X1: TE01 モード, X2: TE21 モード の信号を 除 した場合 図4 処理前と処理 のきず位置推定結果の比較 5 結論 上の検討より、本研究で用いた信号処理を利用することで、配管内を複数のモードのマイクロ波が伝播する場合で っても信号の評価が可能となることが示された。さらなる議 については会議にて報告する。 参考文献 I. Nishiguchi et al., E-Journal of Advanced Maintenance 2 (2010/2011), pp.14-24. K. Sugawara et al., JSAEM Studies in Applied Electromagnetics and Mechanics 10 (2001), pp.313-316. L. Liu and Y. Ju, NDT&E International 44 (2011), pp.106-110. Y. Sakai et al., Nondestructive Testing and Evaluation 27(2) 2012, pp.171-184. K. Sasaki et al., NDT&E International 96 (2018), pp.47-57. [6] 片桐ら, 日本機械学会 文集 84 (2018), 17-00375. [7] 片桐ら, 22 回 探傷 ン ジ , 仙台, 2018/03/18-19, 発 番号1-4
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