配管減肉のモニタリングと予測に基づく配管システムのリスク管理 (2)固液混相流エルボ内流れの可視化実験

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カテゴリ: 第16回
配管減肉のモニタリングと予測に基づく配管システムのリスク管理(2)固液混相流エルボ内流れの可視化実験 Piping System, Risk Management based on Wall Thinning Monitoring and Prediction (2) Visualization Experiment of Solid-Liquid Multiphase Flow in a Elbow 東北大学江原 真司Shinji EBARA工貝 In order to clarify the solid particle behavior in a piping flow, especially to that in the vicinity of channel wall, a water-circulation loop was fabricated for the evaluation of solid particle -liquid two-phase flow. Firstly, the inflow condition upstream into an elbow was evaluated by a flow visualization experiment adopting PIV method and almost fully-developed turbulent velocity profiles have been realized by inserting perforated plates in the flow straightener tank installed upstream of the elbow. Hourglass method was utilized to supply solid particles into the entrance region just upstream the elbow, and a solid particle-liquid two-phase flow with glass particles of diameter ranged from 63 to 75 ?m was tested and velocity field was measured by PIV. Keywords: Pipe wall thinning, Solid-liquid multiphase flow, FAC, Flow visualization, PIV 1 緒言 福島第一原子力発電所における廃止措置に向けたデブリ取り出し作業においては、デブリの切り出しに伴うデブリ粉塵ならびに金属切り粉を含む固液混相流が原子炉冷却水循環シスームを流れる可能性がある。循環シスーム配管内においては、デブリ粉塵の流れによる機械的作用に加え、粉塵の管壁近傍における流れによる溶出鉄イオンの濃度境界層攪拌により配管減肉の促進が予想される。本研究ではエルボ配管体系に着目し、配管内流れ中への固体微粒子の添加により流れ場(時間平均場・流れの変動等)がどのように変化するのかについて、またその変化が粒子の質量密度・大きさ・流速などへのパラメータ依存を明らかにすることを目的とし、実験を行った。2 実験方法および条件 本実験に用いた水流動試験装置の概略を図1に示す。 試験部であるエルボ、その上流に設置している助走区間および試験部下流の円管は内径 56 mm(D)の円形流路となっている。本実験では、まず固体粒子を混入させない状態での、水単相流におけるエルボ部流入速度分布を評価した。整流タンク中には整流用の多孔板(厚さ9 mm、 連絡先: 江原真司、〒981-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-01-2、東北大学 大学院工学研究科 E-mail: shinji.ebara.e6@tohoku.ac.jp 10 mm角の格子状孔)が設置されており、この多孔板を4 枚以上重ねることで図2に示すようにエルボ入口でほぼ発達乱流となる。 Fig. 1 Schematic of water circulation test loop Fig. 2 Velocity profiles in the entrance region measured 5 D upstream of the elbow 固体粒子を添加した固気混相流の実験は、固体粒子としてガラスピーズ(粒径63-75 ?m)、軸方向平均流速1.2 m/s、粒子数速度を6.9×106 個/s として行った。 3 実験結果および考察 図 にエルボ内の時間平均速度場を示す。 ンターは平均速度で規格化されている。典型的なエルボ流れ[1]を示しており、エルボ入口で腹側に形成された閾速域がエルボ内を流れるに従い背側に移動し、エルボ出口では腹側に低速域、背側に閾速域が形成している。 Fig. 3 Flow field in the elbow また、エルボ入口および出口における時間平均軸方向速度分布を、水単相流の時と比較して図4、5に示す。横軸 x/D=0 は背側、x/D=1 は腹側の管壁位置に対応している。エルボ入口では、水単相流の時と比べ、二相流の場 は速度分布が平 になっている。これは固体粒子の存 により運動量輸送が促進された結果と考えられる。エルボ出口では、水単相流の時と比べ二相流では管中央付近から背側にかけて速度分布が平 化し、腹側の速度が小さくなっている。これは、固体粒子が水よりも密度が大きいためエルボ内を直進し易く腹側に回り込む粒子が少ないことから、水の流れもその影響を受けたものと考えられる。 図6にエルボ内の乱流エネルギー分布を示す。乱流エネルギーは計測した断面内の二次元速度分布から算出している。水単相流の時と比べ、二相流では全体的に乱流エネルギーの値が大きく、背側だけでなく腹側においても顕著に大きいことが分かる。 1.4 1.2 1 0.8 u/um 0.6 0.4 0.2 0 粒子無し(水単相流) 粒子有り(固液混相流) Fig. 6 Distribution of turbulent kinetic energy in a single phase flow (left) and a solid-liquid multiphase flow (right) 00.20.40.60.81 x/D Fig. 4 Velocity profile at the inlet of the elbow Fig. 5 Velocity profile at the outlet of the elbow 4 結言 水流動試験装置を用い、水に固体粒子を添加した固液二相流の実験を行い、固体粒子の流れ場への影響を評価した。固体粒子影響としては、運動量輸送の促進や乱れの促進等が見られた。今後、粒子の密度や大きさ、混入量などを変え、これらの流れ場への影響を評価する。 参考文献 杉山 均 秋山光庸 篠原康則 人見大輔 代数応力 モデルによる 90゜曲がり円管内乱流の数値解析 日本機械学工論文集(B 編) 63 巻610 号(1997)1920-1927.
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