関西電力 高浜発電所3号機の安全性向上評価について

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カテゴリ: 第15回
関西電力高浜発電所3号機の安全性向上評価について The Review for Safety Improvement of Takahama Unit No.3 関西電力株式会社合田克徳 Katsunori GODA Abstract: Takahama unit No.3 is KEPCO’s first unit that has passed the safety screening against the new regulatory requirements. A new regulation “The Review for Safety Improvement on Nuclear Power Plants” was started by NRA(Nuclear Regulation Authority) and requires operators to report the results, at periodic intervals, of the review on operator’s voluntary activities for safety improvements and effects of operator’s performance. In this lecture, I will explain Takahama Unit 3’s activities. Keywords: The Review for Safety Improvement, PSR(Periodic Safety Review), PRA(Probabilistic Risk Assessment), Collecting and analyzing latest technical information, Action Plan for Safety improvement はじめに 平成25 年12 月に改正された原子炉等 制法(第43 条の3 の29 の 定に り、 制 合 について、発電用原子炉施設における安全性の向上を図るため、その安全性について事業者自ら評価を行い、施設定期検査が終了した日以降6 ヶ月以内に評価を実施し、その後 な 、その を原子力 制 会に届出することとされた。 関西電力として最初の安全性向上評価に高浜発電所3 号機を対象に評価を実施した。高浜発電所3 号機は、平成29 年7 月4 日に 制 の 合後最初の施設定期検査を終了したことから、平成30 年1 月4 日に評価を完了し、評価 を届出書にまとめ平成30 年1 月10 日に届出し、同日公表した。 本講演においては、高浜発電所3 号機の安全性向上評価の届出書の概要と評価にかかる当社の取組みについて、 説明する。 高浜発電所3 号機の安全性向上評価届出に至るまでの経緯 高浜発電所3 号機については、 制 合 査に 連絡先:合田 克徳、〒919-1141 福井県三方郡美浜町郷市 13 号横田 8 番、原子力事業本部安全管理グルー 、E-mail: goda.katsunori@e3.kepco.co.jp 合格し、再稼動したことを受けて、再稼動後に届出が必 要となる安全性向上評価の 備を開始した。 まず、初回届出では、確率論的リスク評価(以下「PRA」 とい 。 及び安全 評価が評価項 に まれる。評価にあたっては、 制 対応で たに設置、改良工事を行い、事象発生時の体制及び手順も大幅に見直したことから、それらの変更を評価モデルに反映することなどが必要であり、 備や評価に時 を要するため、そのの項 の調査・評価や届出書の作成に先行して、PRA 及び安全 評価に着手した。 次に、届出書の作成にあたっては、高浜発電所3 号機は、平成28 年2 月に再稼動したものの 所の 定に り停止し、そのまま再稼動後最初の施設定期検査に入り、施設定期検査終了時期の見通しが立たない状況になった。安全性向上評価の評価時点が再稼動後の最初の施設定期検査終了時点とされており、評価対象時期の確定や届出時期の予定が立たない中で、 備を進めることとなった。 安全性向上評価は、 たな取組みであるため、評価内容や届出書の記載事項について、電力大で情報を共有し、先行する九州電力殿の川内原子力発電所の状況を 宜共有さ ていた 、九州電力殿の届出がなされた後は、原子力 制 会の「実用発電用原子炉の安全性向上評価の継続的な改善に係る会合」(以下「公開会合」とい 。に同席するなどし、当社の安全性向上評価に反映で る情報を収集しつつ、評価及び届出書作成を進めた。 高浜発電所3号機の安全性向上評価にかかる当社の取組み 評価の実施体制 安全性向上評価は たな取組みではあるものの、定期安全レビュー(以下「PSR」とい 。 を引 継い 評価制 であることから、評価の体制は、PSR の体制をベースにし、評価に係る取りまとめ箇所は、発電所(技術課と本店組織である原子力事業本部(安全管理グルー が担った。 評価担当箇所は、PSR と同様に第2 章の保安活動の状況の評価は発電所が中心となり、評価を進めた。 第3 章のPRA 及び安全 評価ほかの評価については、設置変更許可申請の安全解析や1F事故を受けて実施した ス レステス を担当した部署が担当し、評価を進めた。 安全性向上計画の検討に係る体制及び検討方法 安全性向上評価届出書の第2 章及び第3 章の評価の を受けて、安全性向上に資する追加措置を抽出し、最終的に安全性向上計画を策定した。 当社では、安全性向上に資する追加措置案の内容を中 心に評価する「安全性向上評価検討チーム」と、追加措 置案を実施の妥当性を中心に評価する「安全性向上評価 総合評価チーム」の2つのチームを設け、安全性向上計画を策定した。 評価項目、評価内容および届出書の記載事項について 安全性向上評価の評価項 、内容及び届出書の記載事項は、「実用発電用原子炉の安全性向上評価に関する運用 ガイド」(原子力 制 会 (以下「運用ガイド」とい を参考にした。 また、先行して届出をされた川内原子力発電所1 号機の記載、及び原子力 制 会の安全性向上に係る公開会合の状況も参考にし、議論の状況で高浜発電所3 号機の届出書に反映で るものは可 なか り反映を行った。 原子力 制 会の公開会合において、安全性向上評価の評価項 、評価内容については、届出書の記載ぶりとともに論点となり、平成30 年1 月17 日の原子力 制 会において、改善事項としてまとめられている。 当社の高浜発電所3 号機の届出書を対象に公開会合が 開 され、今後の改善計画を した。 初回の評価実施にあたって注力した点 高浜発電所3 号機の評価は当社として、初めての取組みであり、評価を進める上で、いろいろ苦労する点があ ったが、以下の点について特に注力をした。 安全性向上評価は、H25 年の原子炉等 制法改正を受 けて導入された たな制 であるが、安全性向上評価の を踏まえて、安全性向上計画を策定するにあたって、これまで の保安活動の状況を踏まえた安全性や信頼性の向上の活動との違いがわかりに いところがあった。 安としては、 制要求を満たすためではな 、 の安全性や信頼性を更に高めることを 的とし、実施するものを安全性向上計画として取り上げることと し、「安全性向上評価検討チーム」及び「安全性向上評価総合評価チーム」での議論を通して、関係者で共有し、 安全性向上計画をまとめた。 第3 章のPRA の の 析を踏まえて、追加措置案を抽出することに取り組ん 。これまでの保安活動のに づ 対策の検討とは異なるア ローチであったことから、検討チームの関係者に検討のベースとして、PRA の評価手法とその について共有し、理解を ることに注力した。 今後の課題 届出書の公表・公開 原子炉等 制法においても 定されているとおり、安全性向上評価届出書は評価 を当社のホームページで公開している。 当社での評価実績が高浜発電所3号機の初回評価 けであり、安全性向上評価の制 自体や評価 を公表していることの認知がま ま であること、評価内容おび届出書の記載が 切か、理解で る記載になっているかなど改善を図るべ 課題はあると考えており、今後、実績を重ねてい 中で、改善に取り組んでい 。 評価の改善充実 原子力 制 会でまとめられた改善事項に対しては、引 続 改善に向け取り組んでい 事項については、後続のユニッ の評価において反映し、届出書の記載の改善を図ってい 。 継続的な評価の実施 安全性向上評価は、運 イクル に施設定期検査終 了6 ヶ月後までに評価を行 ことになっている。今後、 制 合した から順次再稼動すれば、安全性向上評価の対象となる。当社においては、順調に運 が継続で れば、来年 にかけて高浜発電所3 号機の2 回 の評価も めて4 の評価を行 予定で、常にどこかの の評価(場合に っては、重複して実施を行 ことになる。 評価項 は、PRA や安全 評価は、評価 に影響がある な設備改造工事がなければ5 年 の評価となるなど、評価内容の濃淡はあるものの複数 の評価を継続的に行ってい ことから、安全性向上評価を発電所の運用管理の一環として実施してい ことがで る 仕組みを作り、定着さ てい ことが重要と考えている。 まとめ 安全性向上評価は、法に づ 活動・手続 に留まらず、当社の安全性向上活動において、以下の点で有効で あると考えている。 (1)PRA や安全 評価の な定量的な評価に づ 、発電所の安全性向上を図るべ 箇所を明確にし、実施の優先順位や対策の要否 断などを検討することがで る。(2)定期的(運 イクル 、評価項 に っては5 又は10 年 に評価を行 ことが 定されており、事業者としても、定期的に発電所(ユニッ の活動状況及び評価 を把握することがで 、さらなる安全性向上に向けた検討を行 契機とすることがで る。 今後とも、安全性向上評価の内容及び届出書の改善を 図るとともに、この制 を有効に活用し、当社の原子力発電の安全性向上活動に取り組んでい たい。
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