腐食防食分野の専門家と連携した保全の取組み

公開日:
カテゴリ: 第16回
腐食防食分野の専門家と連携した保全の取組み Effort on Maintenance cooperated with specialist of Corrosion engineering 日本原燃株式会社 安齋 喜代志 Kiyoshi ANZAI 日本原燃株式会社 堀内 優祐 Yusuke HORIUCHI 日本原燃株式会社 兼平 憲男 Norio KANEHIRA 日本原燃株式会社 長澤 和幸 Kazuyuki NAGASAWAMember Abstract The processes and inclusions of reprocessing plants are diverse and exposed to various corrosive environments as chemical plants. There are facilities in reprocessing facilities that have been used for more than 20 years, and corrosion and erosion events caused by the aging of equipment and structures, utility equipment, etc. have become apparent in recent years. To investigation of causes and understanding of mechanisms are essential for preventive maintenance against corrosion events, it is useful to obtain the knowledge of experts in general plants about the environments that are not unique to reprocessing plants. Hence, we have regularly held the “Research Society concerning Corrosion Events” cooperated with Japan Society of Corrosion Engineering since 2016 as a place to hear knowledge and opinions from experts in the art of corrosion and corrosion protection. In this article, we introduce effort on maintenance cooperated with specialist of corrosion engineering. Keywords: Chemical plant, Corrosion, Material, Aging 1 緒言 再処理施設は、使用済核燃料を硝酸で溶解し、ウラン、プルトニウムを溶媒抽出にて回収する工場である。その処理プロセスおよび内包物質は多岐にわたるものであり、化学プラントとして多様な腐食環境に曝されることとなる。また、放射性物質による汚染および被曝の観点から、容易に保守、交換することができない機器については長期の耐用年数が要求される。このため、工場内に設置される各種機器は、沸騰硝酸をはじめとした腐食環境、機器の重要度などに応じた材料選定および腐食代を設定し た設計としている[1]。 一方で、再処理施設の設備は設置から20 年間以上経過しているものがあり、近年は機器、構造物の外面や蒸気、工業用水等のユーティリティ設備等、高経年化にともな う腐食・減肉事象が顕在化してきている。これまでに硝 酸環境に起因する腐食事象の対応を主としてきた当社において、上記に した腐食事象については知見が ない状況にある。 腐食事象に対する予防保全には事象の原因究明とメカニズムの理解が不可欠であり、腐食環境の除去や対策による緩和が重要となる。しかしながら、化学プラントとし ての腐食因子は多様であることから、特に再処理工場固 有ではない環境については一般分野のプラントに関する有識者の知見、見解を仰ぐことが有用である。 そこで、腐食防食分野の専門機関である公益社団法人腐食防食学会に協力を仰ぎ、腐食防食分野の専門家より発生事象に対する知見、見解を聴取する場として、「腐食事象に関する研究会」を2016 年度より定期開催している。また、上記の研究会以外においても、事象発生の都度、必要に応じて当該の専門家に意見を伺い、発生事象の原因究明に資するとともに、再処理施設の保全計画策定に向けた情報収集を行っている。 本稿では、腐食防食分野の専門家と連携した保全の取組みについて紹介する。 2 開催実績 2016 年度開催(初回) 本 の 施 にあたり、 研究開発法人 本原子力研究開発機構(JAEA) 原子力基礎工学研究センターの防食材料技術開発グループに協力を仰いで趣旨に賛同頂き、 (公社)腐食防食学会の受託契約部門である腐食センター への開催委託によって研究会形式として会議体を ち上げることとした。開催にあたってはJAEA と当社が運営事務 連絡先 安齋 喜代志、〒039-3212 青森県上北郡六ヶ所村大字尾駁字沖付4-104、 本原燃株式会社 E-mail: kiyoshi.anzai@jnfl.co.jp 局となり、有識者の人選は腐食センターが 施した。腐食センター長をはじめとした運営委員に加え、法人、大学、化学メーカ等の幅広い分野から講師を招聘した。当社から は事務局である技術開発研究所に加え、テー として選定した腐食事象が発生した設備を所管する部門の所属員が参加し、事 を紹介するとともにその原因や対策について議論を行った。 2017 年度開催 当社の事業者対応方針のうち「全設備を管理下に置く活動」の 施にあたり、プラントの外面腐食全般の管理方法に関する知見を得ることを目的として、「大気腐食に対する管理方法」および「プラントの外面腐食」と題した講義と議論を行った。前者では劣化評価の判定方法や防食塗装に関する内容[2, 3]を扱い、後者では特に効率的な管理方法が確 されていない保温材下腐食を中心とした内容[4]を扱った。当社からは事務局に加え、再処理施設の保全部門の所属員が参加した。 2018 年度開催 化学プラントの腐食事 と管理方法について広範な知見を得ることを目的として、「化学プラントにおける腐食事象とその解明と対策」と題した講義と議論を行った。また、後半は「プラントの保全計画確 に向けたディスカッション」と題し、当社の課題提起と講師の提案を基として参加者による活発な議論を行った。当社からは事務局と再処理施設の設備主管課員に加え、今後プラントの管理運営を 施していく燃料 造事業部の運転部門および保全部門の所属員が参加した。 3 まとめ 再処理施設の保全体制確 を目的として、(公社)腐食防食学会および当該分野の有識者と連携した会議体を設 して定期的に研究会を開催している。本活動は今後も継続していく。 参考文献 和田史博 “再処理プラントにおける信頼性向上技術”、Zairyo-to-Kankyo,、48、pp.771-775(1999). 市場幹之ほか “重防食塗膜の耐候性評価法の ”、材料と環境 論会講演集 57th、pp.334-337 (2010). 市場幹之ほか “LNG 貯槽屋根板部の塗装による 防錆”、鉄構塗装技術 論会発表予稿集36th、pp.17-22 (2013). 経済 業 造 業局 材 業課、“平 28 年度IoT 推進のための新 業モデル創出基盤整備事業(化学プラントにおける自主保安高度化事業)”
著者検索
ボリューム検索
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (2)
解説記事 (0)
論文 (2)
解説記事 (0)
論文 (1)
解説記事 (0)
論文 (2)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)
論文 (5)
解説記事 (0)
論文 (5)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)
論文 (0)
解説記事 (0)