ITERにおける核融合炉の保守保全技術の進展
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カテゴリ: 第16回
ITER における核融合炉の保守保全技術の進展
Progress of Maintenance Technology of Fusion Reactor for ITER
量研機構
武田信和
TAKEDA NobukazuMember
量研機構
野口悠人
NOGUCHI Yuto
量研機構
丸山孝仁
MARUYAMA Takahito
量研機構
齋藤真貴子
SAITO Makiko
Abstract
It is considered that most of maintenance operation of fusion reactors will be performed remotely because of high gamma-ray radiation inside the reactor. The ITER, an experimental fusion device constructed under the international collaboration, will test and confirm such remote maintenance technologies to realize remote maintenance in the DEMO reactors planned for demonstration of fusion energy. This report outlines remote maintenance technology of the ITER.
Keywords: Remote Maintenance, Manipulator, Robot Arm, Blanket, Fusion Reactor, ITER
1 核融合炉の保守保全
実 される核融合 において、 要構 である真空容器内部に設置される機器の保守保全は遠隔操作 によって実施することが想定されている。これは、核融 合反応によって生じる中性子が構 材料を照射してガンマ線源を生成し、真空容器内が核融合反応停止後におい ても高線量 のガンマ線環境となるためである。その結果、保守期 中も真空容器内に作業員が入ることは不可能で、機器の交換作業は必 的に遠隔機器によって実施することとなる。
現在、国際協力による核融合実験施設であるITER がフランスにおいて建設されている。ITER の目標は、核融合エネルギーの科学的・技術的実現可能性を証明すること であるが、技術目標として、核融合工学技術を統合し、 その有効性を実証することが挙げられている。この核融 合工学技術の一つとして遠隔保守技術が挙げられており、 核融合の実現におけるその重要性が示されている。
本報告では、ITER における遠隔保守について概説し、その技術の進展状況を報告する。また、日本が調達を分担する予定であるブランケット遠隔保守システムについて特に詳述する。
2 ITER における遠隔保守
ITER において、遠隔保守の対象機器はその交換の頻度によってクラス分けされており、定期交換が予定されているものを遠隔保守クラス 、20 で30% ので交換するものをクラス2、3% 30%末満のものをクラス3と分類している。これらのうち、最も重要なクラス の機器としては、真空容器内壁に設置されてプラズマに対向するブランケット第一壁と呼ばれる部分と、真空容器底部に設置されて核融合プラズマから不純 排出を排出する機能を持つダイバータが挙げられる。これらのうち、 の遠隔保守システムは日本が、後 はEU が調達を担当している。
日本が調達を担当するブランケット遠隔保守システム の 要機器は、ブランケットを把持して搬送するための大型マニピュレータとその走行 のビークル及び軌道、これらの機器全体を支える支持装置から構成されている。 ブランケットの搬送 後にはその冷却配管の切断・溶接を実施する必要があるため、そのためのツール類もシス テムに含まれる。また、これらの機器を真空容器内に展 開するための機器もまた遠隔によって操作されなければ ならない。更に、これらの機器全体を制御するための制 御系も必要となる。このように、ITER における遠隔保守は多種多様な機器によって構成されており、ITER において実証されるべき技術課題も数多い。これらの技術課題 の進展状況については、当日報告する。
連絡先: 武田信和、〒311-0193 茨城県那珂市向山
801-1、量研機構 遠隔保守機器開発グループ
E-mail: takeda.nobukazu@qst.go.jp