PRAの改善に係る四国電力の取り組みと安全性向上評価について

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カテゴリ: 第16回
PRA の改善に係る四国電力の取り組みと安全性向上評価について Shikoku Electric Power's efforts to improve PRA and Safety Improvement Assessment 四国電力株式会社 堀田 宏司 Koji HOTSUTA Member 四国電力株式会社 西村 幹郎 Motoo NISHIMURA Member 四国電力株式会社 松氷 晃治 Kouji MATSUNAGA Member 四国電力株式会社仁井田啓志Satoshi NIIDANon-Member Shikoku Electric Power Co. is making efforts to introduce Risk-Informed Decision Making (RIDM) aiming at continuous improvement of safety not limited to the regulatory framework. As an effort to improve Probabilistic Risk Assessment (PRA) to be utilized in RIDM, we implement “Ikata Unit 3 Project “and are promoting enhancement of PRA. In addition, we submitted Safety Analysis Report and announced the safety improvement activities we are working on. Keywords: Ikata Unit 3 Project, PRA, NRRC, Safety Analysis Report, RIDM 1 はじめに 伊方発電所は、四国電力唯一の原子力発電所であるとともに、最重要電源であり、東京電力福島第一原子力発電所事故が起きる から安全を最優先にプラントを維持・管理している。 伊方発電所の安全性向上のための取り組みとしては、 より ク評価(PRA Probabilistic Risk Assessment)を実施し、プラントの ク管理に活用してきた。 また、2015年1月より、一般財団法人電力中央研究所原子力 ク研究センター(NRRC)の支援を得て、伊方3号機を加圧水型原子炉(PWR)電力のパイロットプラントとし、国際水準に比肩するPRA(Good PRA)の に向 たPRAの 活 伊方3号プロジェクト」を開始した。 回は、伊方3号プロジェクトにお る海外専門家によるレビューの実施状況について報告した。本稿では、その後の伊方3号プロジェクトの進捗状況を報告するとともに、2019年5月に実施した伊方発電所3号機の安全性向上評価届 の内、PRAの実施状況を紹介する。 連絡先:仁井田 啓志 〒790-0012 愛媛県松山市湊町 6-1-2 四国電力株式会社 原子力本部 原子力保安研修所 原子力安全 ク評価グループ E-mail: niida16731@yonden.co.jp 2 伊方3号プロジェクト 海外専門家によるレビューについては以下を実施してきた。なお、2019年10月には、停止時内 事象レベル1を対象に第5回の海外専門家によるレビューを予定している。 第1回(2017年2月) 地震レベル1&2 第2回(2017年8月) 力 時内 事象レベル2 第3回(2018年2月) 力 時内 事象レベル1 (1回目) 第4回(2018年8月) 力 時内 事象レベル1 (2回目) 第3回以降の海外専門家によるレビューでは、事 の PRA の を する目安として、ASME/ANS PRA標準のサポート要件(SRs)の適合状況を している。第4回の海外専門家によるレビューでは、PRAパラメータおよび人間信頼性評価に係る高度化を反映したPRAについてレビューを受 、結果としては第3回の海外専門家によるレビューと 同様に、 の高いPRAと評価された。 これまでに得られた成果については適宜、各原子力事 のPRAモデルの高度化に活用されている。今後もGood PRAの に向 PRAの 活 を継続していく。 3 安全性向上評価届出 原子力事 は、核原料物 、核燃料物 及び原子炉の規制に関する法律に基づき、原子炉施設の安全性向上評価を実施し、施設定期検査終了後6か月以内に原子力規制委員会に届 することとなっている。安全性向上評価は、原子炉施設の安全性・信頼性を自主 かつ継続 に向上させることを目 としている。四国電力は、伊方発電所3号機の初回の安全性向上評価を2019年5月に届 および公表した。 安全性向上評価にて実施したPRAでは、伊方3号プロジェクトの成果の一部であるイベントツ ーの高度化等および当社が 来から整備してきた安全対策ならびに東京電力福島第一原子力発電所事故後に追加したSA対策を反映したPRAモデルをベー ケー とし、炉心損傷頻度(CDF)及び格納容器機能喪失頻度(CFF)等の ク評価指標を算 した。一例として、 力時内 事象のCDFおよびCFFの結果を表1に示す。 表1 ク評価指標( 力時内 事象) CDF(/炉年) 1.8E-6 CFF(/炉年) 5.7E-7 また、PRA結果への潜在 な影響を把握するため、上述以外の伊方3号プロジェクトの成果である人間 信頼性評価手法の高度化や個別プラント故障 を適用した各種感度解析を実施した。 人間信頼性評価手法に係る感度解析では、 より使用してきたTHERP手法と比べ、 知・診 失敗に係るより詳細な分析が可能であるHCR/ORE手法ならびにCBDT手法を用いて評価を行い、手法の違いによる人 過誤 の違いがCDFに及ぼす影響を把握した。感度解析結果から、診 余裕時間が短いシナ オにおいて人 過誤 が大きく増加し、CDF への寄与度が増加したほか, そうでないシナ オにおいては、操作間の 属性レベルが低下し、CDFへの寄与度が減少することを できた。 個別プラント故障 に係る感度解析では、 より使用してきたNUCIAの国内故障 データ(29ヵ年56基)と、2011年4月から2017年3月までの6年間の伊方発電所3号機の故障データを加えてベイズ更新した個別プラント故障 を作成し、伊方発電所3号機固有の機器故障実績によるCDFへの影響を把握した。 感度解析結果から、今回対象とした6年間の機器故障の実績では, CDFへの有思な影響はみられない結果となった。 PRA の結果から現状のプラントの安全性をさらに向上させることを目 とし、炉心損傷および格納容器機能喪失に至る主なシナ オとその要因を分析し、安全性向上のための追加措置を検討した。 追加措置の重要度分類の例を図1に、PRA より抽 された追加措置の例を表2に示す。 図1 重要度分類 表2 PRAより抽 された追加措置(例) 追加措置 期待される効果 保守のための原子炉補機冷却水ポンプ待機除外時にお る原子炉補機冷却系統の負荷制限 用の整備 原子炉補機冷却系の全喪失発生頻度の低減が期待できる。 員及び緊急時対応要員への教育・訓練プログラム策定への活用 員及び緊急時対 応要員の思識を高め, 事故対応能力を向上 できる。 4 まとめ 伊方3号プロジェクトとしてこれまで取り組んで きた活 について紹介した。また、当社としては初めてとなる安全性向上評価届 についても紹介した。 これらの活 をとおして、引き続き安全性向上を継続し、また、PRA のさらなる活用に向 PRA の に取り組んでいく。
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