TDRを応用した炉心水位計測システムの実炉における適用と構成について

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カテゴリ: 第16回
TDR を応用した炉心水位計測システムの実炉における適用と構成について About an application and the constitution in the true furnace of the core water level measurement system that I applied TDR to 中国電力株式会社 林 司 Hayashi Tsukasa Member 中国電力株式会社 谷川 稔 Tanigawa Minoru Member GEH 株式会社 中村 岳人 Nakamura Gakuto Non-Member Because we came in contact with the water in the direct furnace about the core water level measurement system that we applied TOR to and we could measure water level in succession, we pushed forward our original development separately from a national project. On the other hand, a the thrmocouple-type hydrograph is developed by the national project. It is really desirable to use in combination both from the hydrograph loading number in the core, precision, an aspect of the diversification when it uses it in the core. Keywords: TOR, the direct furnace, measure water level in succession,national project, thrmocouple-type hydrograph, 1.はじめに ① TDR と異なり、直接、炉心内の水に接触して測定する方式ではなく、かつ、連続、リアルタイムで水位を測定することができない ータ び熱電対を 2 対炉心内に装荷すると、多くの ーブルペネトレーションが必要 となるため、空きペネトレーションがない場 合は、ペネトレーションの追加が必要となり、工事が大規模となる ③ 炉心有効長を 50 m以内の間隔で測定することを条件とすると、1 体のLPRM には、6 個の熱電対と ータを装荷したLPRM を 2 体を 1 対 とし、測定水位の妥 性確認のため 2 対のLPRM が必要となる ④ 2 体の LPRM は、TAF~BAF まで 1m に 3 個の熱電対を装荷する。炉心有効長(島根 2 号の場合)、1m あたり 3 個の熱電対を割振りし、2 対が計測水位が妥 である確認のため対 に対象に炉心内に装荷 TDR を応用した炉心水位計測システムに関しては、直接炉水と接触し、かつ、連続して水位を計測できることか 、国プロ トとは に独自で開発を進めてきた。一方、国プロ トでは熱電対式水位計が開発されている。SA 時を含め通常運転時~DBA の範囲で最も効率的、かつ、精度良く、多様化ということを考慮すると両者を併用することが最も優れていると判断した。2.TDR 方式および熱電対式水位計の特徴 TDR 式水位計の特徴を表 1 に示す。 表 1TDR 式水位計の特徴 表 2 に熱電対式水位計の特徴を示す。 熱電対式水位計の特徴 表 2 熱電対式水位計の特徴 TDR 式水位計は自己診断機能を有するため、他の水位計の測定値と比較評価する必要はなく正確に推移を測定可能である。 しかし、測定値に客観性を持たせ、かつ、炉内水位計層の多様化を図るという点を考慮すると、両者を組み合わせて炉心内で使用することが最も適した測定法である。 SA 時の炉心内水位計の役割は、a)原子炉注水成功後の炉心冠水維持、b)原子炉注水成功後の炉心冠水維持、c)崩壊熱相 注水による炉心冠水維持、d)原子炉注水失敗時の減圧操作のための重要な情 報となる。従って、以降のマネ メントをつかさどる観点か も正確な水位情報が必要である。 TDR を応用した水位計の開発3-1 TDR 技術の概念 本システムは ーブルによるインピーダンス の違いによりもた される不連続性を特定して水位を測定するため TDR を用いている。同軸の導を伝わる特有の形のパルスを送信し、いくつかのインピーダンスの不連続部では、入射信号に対して送信元へ返送されるパルスが発生する。増加するインピーダンス変化は元のパルスを増調するような反射を作り、減少するインピーダンス変化は元のパルスを減調するような反射を作る。反射パルスは時間の関数としてプロットされ伝播速度に基づき距離が算出される。 本システムは、水位手前にある測定の基準点を 定めるトリガー A を用いる。システムはパルスを送信し反射間の時間をプロットし A トリガーおよび水面でのインピーダンス変化点との距離に相 する気相距離を三種類とすることにより水位を求める。図 1 に測定フローを、図 2 に測定原理を示す。 図 1 測定フロー 図 2 測定原理 3-2. プローブの炉内への据付 TDR プローブは図 3 に示すとおり最外周の局部領域モニタ(以 LPRM という。)位置に配置する。炉内への固定は LPRM 同様、トップガイド底部にプラン ャーで固定する。測定スパンとしては、TAF か 部プレート以 1 8m のBAF-6f (島根 2号機実証試験のため仮設定))まで測定可能。原子炉底部へはインコアハウ ングにインコアフラン により固定。 図 3 TDR プローブの炉内への据付 3-3.プラン ャー形状変更およびカバ ーチューブ内機器配置 図4 にプラン ャー形状変更およびカバーチューブ内の機器配置を示す。TDR プローブを炉内に装荷するためには、LPRM を用いて TDR プローブを炉心内に固定する必要がある。LPRM は島根 2 号機の場合 31 本で炉心の出力分布を計測している。LPRM は中性子束の計測により炉心性能の評価、また安全保護系(以 RPS という。)インターロッ 、ロッドブロッ モニタ(以 RBM という。)等 RPS インターロッ に用い れている。 従って、TDR プローブの収納もさることなが検出器、移動型モニタ校正管(以 TIP という。) をチューブ内に残し、炉心内の出力評価ができない領域を現状か 拡大しないことおよび TAF~ BAF 以 までの水位の測定レン を満足することがプローブ成立の条件となる。これ を克服する観点か 従来の LPRM プラン ャーの形状を変更し問題を解決した。プラン ャー変更により従来の LPRM と比較して強度に問題がないことについては有限要素法(以 FEM という。)解析により確認済みである。 図 4 プラン ャー形状変更およびカバーチューブ内機器配置 機能確認試験 4-1. 機能確認試験 概念設計終了後 実際に水位計測が既存の差圧式水位計と同等以 の性能で測定可能であるか どうか、静的試験および動的試験により確認した。 4-1-1. 静的試験 眼球法にて手動で計算して求めた水位と自動計算で得た水位が一致することを確認した。図 5 に実水位(眼球法)と水位測定結果を示す。 図 5 実水位と水位測定結果 4-1-1. 動的水位試験 高速と低速で水位を変えなが 動的水位試験を実施し、計算した水位変化が実際の水位変化にどの程度近くなるかを調べた。高速と低速で水位を変化した結果、計算値が水位変化にほぼリアルタイムで迅速に応答することを確認した。図 6 に低速、高速の過渡変化結果を示す。 図 6 低速/高速時の過渡変化 4-2. その他試験 バブル試験 バブル(ボイドを再現したもの)が水位測定に与える影響について確認した。バブルが存在すると バブルがTDR プローブ内を 方に移動してTDR トレース基準 にさざ波(ノイズ)が発生し、バブルの数が増えるにつれてさざ波も増加する。しかしバブルが存在しても水位計測可能であることが確認できた。 高温高圧試験 TDR プローブを高温高圧容器内に設置し水位を変化させて追従状態を確認した。結果として、大気圧で実施した試験同様、良好な結果がえ れた。 ミュレーション試験 ーブル、TDR プローブの寸法、材料特性(低 効率や誘電率など)の変化がシステムの電気的応答に与える影響を直接評価することを目的として実施した。様々な ーブル構成で得たシミュレーション結果が実験結果とよく一致していることが確認できた。 4-3. 解析試験結果(TRACG 解析) 4-3-1. SBO 時のバイパス領域 びTDR プローブ内水位 図 7 にS a on B ackou (以 SBO という。) シナリオの二相水位比較を示す。水位は 700 秒でバイパス領域において低 し始め、 1 650 秒まで低 し続け そこでADS が開くと水位は 200 秒間、一時的に 昇し、その後、低 を続ける。水位は 2 200 秒まで低 し続け、その後、低圧非常用炉心冷却装置が注入を開始すると容器は再冠水を始める。TDR プローブ水位応答はシミュレーションの前段階でバイパス水位応答と一致していることが確認できた。 図 7 SBO シナリオの二相水位比較 同様に中破断 LOCA 時のバイパス領域 びTDR プローブ内の水位についてもシミュレーションの全 段階でバイパス水位応答と一致していることを確認した。 4-3-2.SBO 時のバイパス領域 びTDR プローブ内ボイド率 若干の差異は見受け れるが TDR プローブ びバイパス領域において、ボイド率は解析値と良く合致していることを確認した。 TDR プローブにおいてTRACG コードを用いてこの設計でいくつかの想定過渡事象/事故シナリオを評価した。TRACG の結果か 、TDR プローブの設計は、解析対象事象のさまざまな段階(炉心露出、流出、再冠水)における、さまざまな加圧・減圧速度での炉心部分の水位変化を追跡できることが明 かになった。 この評価は沸騰水型原子炉(以 BWR という。) であるBWR/6 により実施したものであるが、BWR/5 と BWR/6 とでは原子炉の設計、安全設備である非常用炉心冷却系(以 ECCS という。)のネットワー 設計についても類似点があることか 、解析結果はBWR/5 に直接適用することが可能である。 確認試験のまとめを添付資料表 3 に示す。 5 TDR 式および熱電対式水位計の炉内配置 図 8 にTDR 式および熱電対式水位計の炉内配置を示す。 TDR 式および熱電対式水位計ともにSA 時の影響を最小とするため最外周の LPRM にそれぞれ配置する。 の炉内配置 また、TDR 式と熱電対式は LPRM 検出器破損等機械的なコモンモード故障により、双方が同時に機 能喪失とな ないよう対 に距離をおいて設 置(可能な限り、コモンモードの原因による影響を受けない位置に設置する。) このように測定方式の異なる 2 種類の水位計を炉内に配置することにより、次の効果が得 れる 。 ①TDR 式水位計を適用した場合、熱電対式水位計は TDR 水位計のリフ レンスとして 用する。 ②TDR 式は自己診断機能により、測定値の妥性は保証されているが、しかし、他の方式に よる確認が必要な場合、TDR 式のマーカー位置における測定水位が熱電対式と一致することにより TDR 式水位計の妥 性を客観的に検証できる。 ③測定方式に多様性をもたせることができる。 6.まとめ 6-1.TDR 式よび熱電対式水位系の長所・短所および両者の組合せによる効果 炉内水位計はBWR では原子炉に直接接続した基準面器内の気相部(Low)と液相部(H gh)の差圧を計測することにより水位を測定している。福島第一原子力発電所事故のように格納容器内の温度が高温になると基準面器内の水が蒸発あるいは減圧沸騰してしまい、その結果容器内の水が喪失し水位計測が不能となる。 今回開発した TDR 技術を用いれば基準面器は不要である。TDR による水位計はプローブが直接水と接触することによるインピーダンスの変化がも た すパルスの戻り時間を検知し、水位を演算するものである。 また、国プロ トにより開発された熱電対式水位計と併用することにより、炉内への水位計の装荷本数、特に熱電対式水位計本数を最小限にできるとともに、検出方式の多様化という観点か 最適な炉心内での水位計装構成となる。 また、熱電対式の欠点を TDR 式によりプローブが直接、原子炉水と接触かつ連続・リアルタイムで原子炉水の変化を測定することにより補完することができる。 TDR 式水位計を LPRM カバーチューブ内に装荷し、かつ、TIP 案内管および LPRM 検出器を現行のLPRM と同様な形で管内に設置することにより炉心管理 、原子炉保護 の問題も解決できた。 TDR プローブの径を細くすることにより、現行の LPRM 同様 検出器 4 個および TIP 案内管をカバーチューブ内に残すことが可能 炉心内の不監視領域がなくなる RPS インターロッ 、RBM という原子炉保護系のの変更も不要 今後は必要な許認可申請等設置に必要な準備 を行う。 【TDR 式の水位計を応用することによる長所】 炉心内の不監視領域がなくなるとともにRPS インターロッ 、RBM の変更も不要 現行の TDR プローブと TIP 案内管をカバーチューブ内にオフセットで配置するためトップガイド底面へ固定するプラン ャー部の形状を変更、形状変更実施に伴う強度低 はないことを FEM 解析により確認済み、強度は現行の LPRM と同等であることを確認済み TDR 式水位計はパルス発信位置か の確認したい距離にマーカーを設置し、マーカー位置を計測することにより測定値の妥 性の確認を自己診断機能により実施しており、原則として他の検出器と測定値の比較・検証する必用はない 【2 種類の水位計を併用することによる長所】 TDR プローブを内蔵した LPRM および熱電対は、炉心最外周に配置することにより通常運転~SA まで使用可能 LPRM 検出器の取り換え周期も炉心内側と比較して長く平均的には 5~7 年と考えれる、検出器の取り換えに合わせて TDR プローブも交換同じく熱電対式に関してもSA 時の影響を少しでも緩和する目的か炉心最外周の LPRM、かつ、TDR 式と象限対象位置に装荷、取り換えに関しても TDR と同じく 5~7 年を予定 DR 式水位計と熱電対式水位計を組み合わせることにより、SA 時の水位計測に多様性を持たせることが可能、熱電対式は TAF~ BAF に 3 か所、BAF~原子炉底部間に 3 か所に熱電対を設置、TDR 式についても熱電対位置をマーカーとして設定/計測値の比較により測定値の妥 性を検証可能、炉心内のマーカー点以外は TDR 式で BAF 以 まで 、連続で水位を計測することにより、相互の測定値の妥 性を検証可能 TDR 式水位計と熱電対式水位計を組み合わせることにより、熱電対式の弱点である水位の直接およびリアルタイムでの連続計測という短所を補完可能 結論として、両者を組み合わせることにより計測方式に多様性を持たせるとともに、通常運転時~DBA~SA にわたり広範囲で正確な炉心内水位計測が直接露紙何の水と 接触、かつリアルタイムで連続して計測可能となる。 6-2.重大事故時の炉心内計装の役割 TDR 式水位計と熱電対式水位計を組み合わせて炉心内で 用し、正確に炉水位を把握すること により、原子炉注水後の水位挙動、炉心健全性の有無、注水量等次の操作のための貴重なパラメータを直接得ることができる。 原子炉水位の正確な把握はより確実なマネ メントの実施にはもっとも重要な情報である。 表 2 に重大事故時の(SA)時の炉心内水位計の役割を示す。 高圧破損を防止するために原子炉水位が「燃料有効長 端より燃料有効長の 20%高い位置」(BAF No 事故シナリオ 炉水位パラメータの役割 備考 1 中小LOCA (炉心健全) a)原子炉注水成功後の炉心冠水維持 ① 2 大破断 LOCA (炉心損傷+ RPV 健全) a)原子炉注水成功後の炉心冠水維持b)崩壊熱相 注水による炉心冠水維持 ② 3 TQUV 原子炉注水失敗 (炉心損傷+ RPV 破損) c)原子炉注水失敗時の減圧操作 ③ +20%)を 回った場合に SRV2 弁で減圧を実施する手順としている。 既存の原子炉水位計を喪失しても、初期水位と注水量と崩壊熱除去に必要な注水量との関係か原子炉水位を推定する手段は整備されているがより確実なマネ メントの実施には正確な原子炉水位の情報が重要になる。 表 2 重大事故時(SA)時の炉心内水位計の役割以 ①原子炉注水成功時の炉心冠水維持 島根 2 号機の有効性評価では中小 LOCA(および大破断 LOCA)時には、急速に炉水位が低 するが 、事象発生 30 分後にECCS や低圧代替注水設備による注水により炉水位回復が図 れる。 原子炉注水後の原子炉水位挙動は、炉心健全性の有無、注水量の十分性、RPV 破断箇所の推定等、更なる操作に係る重要なパラメータとなる。 ②原子炉注水成功時の崩壊熱相 注水による炉心冠水維持 島根 2 号機の有効性評価では、大破断 LOCA が発生しECCS 等のDBA 設備が機能喪失した場合においても事象発生 30 分後には、低圧原子炉代替注水系による原子炉注水を実施するマネ メントになっている。 ここでは原子炉水位が回復するまでは最大流量で注水し、水位回復後は手順で定め れた崩壊熱除去に必要な注水量を炉内に注水する手順になっている。 既存の原子炉水位計を喪失したとしても、初期水位、崩壊熱除去に必要な注水量および実施の注水量との関係か 原子炉水位を推定する手段は整備されているが 循環冷却に失敗した場合、外部水源注水により長期的に格納容器内の水位(主にS/P 水位)を制御するには、正確な原子炉水位の情報が非常に重要となる。 ③原子炉注水失敗時の減圧操作 島根 2 号機の有効性評価では、低圧原子炉代替注水系による原子炉注水が失敗した場合、RPV の
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